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東京でお雑煮をつくると、福岡の「かつお菜」が恋しくなる

 お正月料理は子どもをはじめとした家族の誰もが好んで食べないので、唯一お雑煮をつくる。
 このお雑煮は私の母が亡くなってから、もう20年以上つくっているものだ。

 私は福岡の出身。
 福岡のお雑煮はブリが入るようだけど、私の実家のお雑煮にブリが入ったことは多分ない。
 
 我が家のお雑煮の食材は、はさみでチョキチョキ刻んだするめ、鶏肉、根菜、かつお菜、もち。するめが溶け出しうっすらピンク色になる汁物。
 味付けはほぼ塩のみ。気分によって醤油を入れることもある。
 何がルーツかわからない独自の食材、味付け(だと思う)。

 私にとってお雑煮に欠かせない食材の一つが「かつお菜」。しかしこの野菜、東京では手に入らないのだ。

 調べてみると福岡で採れる野菜だそうで、しかも採れる時期も12月、1月に限られているよう。どうりで東京では出会わないわけだ。

 今年は代わりに蒸したほうれん草を添えた。

 他の青菜ではお雑煮を食べている感じが少し薄まる。かつお菜、懐かしい。

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