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こんなに人のにおいがする人事の本は初めて

サイボウズの社長、青野さん。
働きやすい会社の社長としてメディアに出ることが多いので有名だと思う。

とある人事の本で、強くこの本を推薦されていて手にしてみた。
「チームのことだけ考えた。」

一言で言うと、社長なのにこんなに弱いところをさらけ出して正直で、こんなに社員一人ひとりに真剣に向き合ってつくられてきた人事の制度はないかもしれない、ということだった。


本当に正直なんだなぁと思ったのは、例えばこういうところ。

・「社長を辞めたい」「社長の器ではない」と人前で泣いたところ。(ただそのあと「真剣」になる)

・社長として意思決定することを避けてきた、と正直に吐露するところ。(ただそのあと各案件に真剣に向き合い意思決定するようになる)

・1人目の子どもが生まれたとき、育休はとりたくないと思ったと正直に告白するところ。(ただそのあと育休を取得する)


私の勤める会社で当たり前のように掲げていることも、本当にそうなのか?と問いかけている。例えばこういうところ。

・多様性を第一に考えるのであれば、社員に長く勤めることや自己の成長を求めることは違うのではないか?
(私の会社では多様性も自己成長も求めている。よくばり?あるいはハードルが高い?)

・給与制度には成果主義や360度評価も取り入れたが、失敗の連続で結局やればやるほど誰も自信を持って説明できない評価になったという。結果、市場性で給与を決定。
(私の会社ではいろいろな評価制度を入れている。そのために何が何だかよく分からないということになっていやしないか、そんな危惧をした。)

・サイボウズの社員が「サイボウズがどんなにいい会社か」を話す姿を見て、危機感を抱いたという。今がいいということは、現状に甘んじるおそれがある。たえず変化していかなければならないなか、そんな社員が増えていやしないかとの危惧。
(私の会社では、「この会社にこれからも勤めたい」という社員が増えていくことをよしとしている。それは大事なことなのか?)


この本を読むと、自社の会社がいろいろいいとこどりで取り入れた結果、全体として辻褄が合わず、なんだか気持ちの悪い人事制度になっているのではないか、と恥じた。
この本の問いかけを念頭に、自社の人事制度に向き合っていきたい。


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