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何を言うかより誰が言うか〜残念なありがとうの話〜

何を言うかより誰が言うか

この言葉を聞いたことがありますか?私は、初めて聞いた時に、本当にそうだと納得しました。

お笑いコントグループの『東京03』がこれをテーマにしたコントをやっています。動画を見て笑いながら、考えさせられてしまいました。それでは動画を見てみましょう!

『何をいうかより誰がいうか』、コントの中の話ですが、現実でも同じではないでしょうか。

私は、これまでの教師生活の中で、それを強く感じた出来事があります。どちらも、集会でのことでした。

残念なありがとうの話

ある先生が、集会の時にこんな話をされました。

ありがとうの語源は、『有り難し』。
『あることが難しい、特別だ』という意味です。それが変化して『ありがとう』になったと言われています。

ありがとうの反対は、何かわかりますか。

『当たり前』です。様々なことをやってもらって当たり前ではなく、ありがとうと感謝できるといいですね。

私は、毎日100回ありがとうというように心がけています。みなさんも先生に負けないようにたくさんありがとうを言ってください。

話自体はとってもいい話でした。でも、聞いていて少し残念な気持ちになりました。1日に100回という話でしたが、その先生から、ありがとうという言葉を聞いたことがほとんどなかったからです。

一方でこんな話をされた話をされた先生がいました。


たんぽぽ先生の話

おはようございます。ぼくは、前の〇〇小学校ではたんぽぽ先生と呼ばれていました。綿毛となって、風に乗って、みなさんの〇〇小学校へやってきました。

みなさん、たんぽぽを知っていますか?たんぽぽはとても強いです。

たんぽぽがどれだけ踏まれてもへこたれず、かわいい花を咲かせるわけを知っていますか?

その秘密は根っこにあります。タンポポの根っこの長さは・・・(実際にその先生が掘ってきた1m近くあるたたんぽぽの根っこを見せながら)こんなに長いんです。

踏まれても踏まれても、がんばって根を伸ばしたからこそタンポポは強いんです。

先生は、みんなにもたんぽぽのように強くなってほしいなぁと思っています。そのためには、たくさん栄養を取ることが大切です。それは、ご飯をたくさん食べるということだけではありません。

運動すること、いろんな人にあいさつをして出会うこと、たくさん本を読むこと、人の話をしっかり聞くこと、勇気を出して手を挙げてみんなの前で発表すること、誰かのために働くこと、新しいことにチャレンジすること、それが体や頭、心の栄養になって、みんなの根っこを丈夫に少しづつ伸ばしてくれます。

先生も〇〇小学校で根を下ろし、しっかりと根を張っていきたいと思っています。みなさんもたんぽぽ先生と一緒に根っこを伸ばしていきましょう!

『みんなとともに成長したい』という思いを伝えるためにたんぽぽ先生は、前日に何時間もかけてたんぽぽの根っこを掘りました。子どもたちは目をキラキラさせて話に聞き入っていました。やはりどれだけよい話でも『誰が言うか』だと思います。「自分たちに伝えるために大変な思いをしてたんぽぽの根っこを用意してくれた先生だからこそ」真剣に話を聞いたのではないでしょうか。


教師としてのあり方が大切

子どもたちに言葉を受け取ってもらえるかどうかは、伝え方や内容という部分ではなく、『誰が言うか』という、教師としてのあり方の部分が大きいのではないでしょうか。

ろうかは歩くと指導しているのに、どうしてうちのクラスのみんなは走るのだろう? →自分は急いでいるときに走っている

物を大切にといっているのに、どうしてうちのクラスの子は物を大切にしないのだろう? →自分もいらいらしたときに机をたたいたりしている

時間を守りなさいといっているのに、どうしてうちのクラスの給食の準備が遅いのだろう? →自分は授業の開始は守るが授業が終わらないときに延長している

みんなに優しくと言っているのに、どうして厳しい言葉が飛びかっているのだろう? →自分は何度言ってもできない子に厳しい言葉を投げかけている

これは、すべて過去の自分の指導です。 当然うまくいくはずもありません。

うまくいかないときには、『その言葉を伝えるに足るの自分であるか』という問いかけをしなければいけないなとコントを見ながら考えました。先生方もぜひ考えてみてください。

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