修学旅行キャンプの班決め①決める前にする授業 幸せの話
リッケン先生に紹介してもらったあの本のおかげで、気持ちよく班が決まりました〜!
若手の先生が職員室で教えてくれました。
修学旅行・キャンプの班決めが上手くいくかどうかは、5・6年担任にとっての大きな悩みの種。高学年の担任ならきっと1度や2度の失敗があるのではないでしょうか。
私も若い頃に、失敗し、涙を流す子が出たり、帰宅した後に保護者の方から心配のご相談を受けたり・・・。せっかくの楽しいイベントなのに、楽しみに当日を迎えるさせることができなかったこともありました。
4月から、授業内の関わりで、レクで、PAで、頻繁な席替えでと誰と同じ班になっても楽しめるような人間関係づくりを進めておくことはもちろん大切です。
いやいや、そんな人間関係づくり今からじゃ間に合わないじゃん。なんて声も聞こえてきそうです。
そこで、今回は直前でも大きな効果を生む授業の話です。
冒頭で登場した、「リッケン先生に紹介してもらったあの本」とは、『続 こころのふしぎ なぜ?どうして?』(村山哲也 監修 高橋書店)です。この本のP34から始まるしあわせのふしぎの項目の中から「世界中の人がしあわせになるほうほうって、ないの?」を中心に扱いながら進めます。著作権がありますので図は載せられません。ぜひ本を手に取って図や絵を見ながらnoteを読んでいただけたらと思います。
あなたは幸せになりたいですか?不幸せになりたいですか?
以下、授業で子どもたちに語りかけるように書いていきます。
今日は幸せについて考えていきます。
ところでみんなは、幸せになりたいですか?それとも不幸せになりたいですか?
幸せになりたい人?
不幸せになりたい人?
やっぱり、みんな幸せになりたいよね。
では、幸せって一体どう言うことなんだろう?考えてみて?
なるほど、みんなが言ってくれたことがずーっと続いたら幸せになれそう?
じゃあ、神の祝福を受け、みんなが幸せだと言ったことばかりが続く、神に愛された少年の話をしましょう。
神に愛された少年の話
p34・35の4コマ漫画を見せながら読み聞かせをします。(要約して書きます)
この星には神様から愛され幸せなことしか起こらない少年が暮らしていました。野球ボールがぶつかりそうになったら、そのボールにサッカーボールが当たって怪我をしません。「あの子かわいいな」と思っていたら、帰りにその子に告白されます。帰り道に「トンカツが食べたい」と思えば、夕食はまさかのトンカツです。テレビゲームをしたら難なくクリアしてしまいます。
ところが、こんなになんでもうまくいっているのに、神に愛された少年は、思ったことが全部叶うなんてつまらない。ぼくの人生はなんてつまらないんだと浮かない顔をしています。
どちらの人生が幸せそう?
P36・37の図を見せながら語ります。
神に愛された少年の人生
テツオ君の人生
神に愛された少年の人生は、他人から見たら幸せとしか言いようのない人生ですが、とても平坦な道が続いています。
一方、テツオ君の人生は、時にショックなことや困難のことも登場しますが、よいこともありアップダウンしています。
二人の表情も見ながら考えてみてください。
どちらの人生の方が幸せそうですか?
神に愛された少年の方はなんだか無表情でつまらなさそうですね。一方テツオ君は悲しいことやつらいこともあるけれど、だからこそ、うまくいった時は本当に幸せそうです。
実は、幸せは下がったところと上がったところの落差によって生まれているんです。ここ、大切なのでしっかり覚えておいてくださいね。
壁にぶつかったり、上手くいかなかったりした時は、当然落ち込みます。でも、見方を変えると、この後幸せを感じるためのチャンスをもらっていると言うこともできます。なかなかすぐにはそう思えないかもしれませんが。みんなよりもちょっとだけ先輩の私も、何度もそういう経験をしています。
世界中の人がしあわせになるほうほうって、ないの?
初めの質問で、みんな幸せになりたい!と手を上げてくれました。できたら、みんなで幸せになりたいよね。
実は、ある星で、世界中の人が幸せになれるための秘密道具が発明されました。よしこれで世界中の人が幸せになれるぞと、スイッチオンしたら不思議なことが起きました。何が起こったと思う?では、P38・39を見てみよう。
みんな寝てる・・・
そう、全員が幸せになるためには眠るしかなかったんだ。どうしてだろう?
次のページを見ると謎が解けるよ。
みんなの夢の中を覗いてみて気がついた事はありませんか?
願いが被っている。
そう、運動会も付き合いたいも遊びに行きたいも・・・。全員が、自分の願った通りに幸せが実現することは不可能。だから眠って夢を見るしか実現方法はないんだね。
みんなが幸せになる班決めって?
みんな、それぞれ願いがある。自分の願いや幸せだけ押し通すとどうなると思う?
自分は幸せだけど、周りは幸せじゃない。
じゃあ、みんなの幸せのために自分だけが我慢をすればいい?
それは、みんなが幸せだけど自分だけが幸せじゃない。
そう。自分の思いだけを貫き通す事は、誰かにだけ我慢させることになる。だから、班決めをする時に考えてほしいことがあります。それは、自分が幸せになりたいと思うのと同時に、相手も幸せになりたいと思っていると言うことです。
誰かの幸せと誰かの幸せがぶつかったときはどうしたらいい?
話し合う?
そうだね話し合う事は大切。その時に、できる限りみんなが幸せに過ごせるように、お互いに譲れるところは譲って少しでもみんなが幸せに過ごせるようにと考えてほしいです。
もし、自分は何も譲っていないのに幸せいっぱいだと言う人がいたら、誰かが譲ってくれたと言う事です。そこには感謝して、他の場面で譲ってくれた人が少しでも幸せに過ごせるようにしてあげてほしいと思います。
このように語ってから、班決めを行なっていきます。
このように幸せの授業をしてから班決めを行うようになって、揉めた事はありません。ぜひ幸せの授業を行ってみてください。
次回は、実際に班決めをする時の声かけについて書いていきます。これだけ語っても、どうしても誰かが譲らなければならない場面はあります。そんな時のうまくいく鉄板の声かけについて書いていきます。お楽しみに!
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