日本語教師の本棚1「ことばの謎解き ソシュール入門」町田健
本書は、言わずと知れた、「近代言語学の父」ソシュール入門です。
私自身、日本語教育能力検定試験をしていて、
「恣意性ってなに?」「ラング?パロール?なんかややこしい・・・」
と思っていました。ひとまず、言葉の意味は表面的にさらっと覚えておきましたが、「時間があればしっかり調べたいなあ」とメモっておいた1冊です。
本書は、「ラング・パロール」、「能記・所記」、「共時態・通時態」という言葉についても、その概念が考え出される背景が紹介されています。
これらの項目、試験では頻出しないのに、なぜか赤本ででかでかと絵が描かれてたりして、「なんでだろう」と思っていました。
一言で言えば「言語学はソシュールから始まった!」と言えるから。ソシュールの没年は1913年なので、言語学ってたかだか100年程度の歴史しかない、比較的新しい学問分野なんだなあと。
この点、「日本語学」や「国語学」「国学」は、古くからある学問分野。でも日本語教育(外国語教育)は、どちらかと言えばこの「言語学」がベース。
そして、このソシュールからその後の「構造主義」へとつながっていきます。
つまり、本書は日本語教育能力検定試験の得点源になりませんが、「言語学とは何か」を知りたい人にはおススメの一冊です。
試験の重要項目、「ラング・パロール」、「能記・所記」、「共時態・通時態」について、掘り下げたいという人もおススメです。
サポートに感謝します!サポートいただいたお代は、教材や参考書購入費用、新しい日本語・外国語教育の開発費用に当てていきたいと思います。これからも良質のnoteを書き続けられるよう精進してまいります!