「原因追求症候群」をやめた話
「どうして、こんなことになったんだろう」
「だれが失敗して、こんなことになってるの?」
「これって、結局だれが悪いんだろう」
いろいろなニュースや世相を見ていると、
どのニュースからもそんな声が聞こえてきます。
自分自身、ちょっと疲れて今の状況を憂えているとき
「あの時、誰かがあんな選択をしたから・・・」
「自分がこうなったのも、あれのせい・・・」
と原因(犯人)探しをしているのに気がつきます。
根がまじめな人たちは特に、問題の原因の追求に、
とことんあたってしまい、毎日ニュースについつい反応してしまいます。
場合によっては、昔のいろいろなことを思い出しては、
自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
もちろん、「原因追求」に意味のある場合も時々ありますが、
実際にはあまり役に立ちません。というか経験上ほとんど有害です。
仮にこれを「原因追求症候群」と呼ぶとしましょう。
実際、この「原因追求症候群」はかなりやっかいです。
「原因(犯人)追求症候群」はメリットが少なく、
デメリットのほうが多いように思います。
なのに、かなりの人たちがハマってしまっています。
もちろん、私もその一人です。
(ΦωΦ)(ΦωΦ)(ΦωΦ)
原因探しって本当に意味がないんでしょうか?
例えば、
楽しみにしていた修学旅行に行けなくて泣いている子どもがいて
「誰が悪くてこんなことになったの・・・(泣)?」
と言われたら、大人はどう答えればいいんでしょうか?
誰が悪い?先生?それとも、修学旅行中止を決定した教育委員会?
それともウイルスの感染を食い止められなかった大人たち?
子供と一緒に「コロ助のバカ〜!!」と
月に吠えてみると、ちょっとはすっきりしますね。
でも、「で、誰が悪いの?」と振り返って聞かれたら、
どうすればいいんでしょうか?
この「犯人(原因)追求症候群」にいったんハマると、
ネガティブな気分が止まりません。
それで、吠えている子どもに対し、大人としては
「誰が悪いわけでもないだ。
先生たちだって修学旅行に連れていきたいけど、
こんな状況になってしまったんだから。
犯人探しには意味がないよ」と
大人として、おだやかに諭すにちがいない、と思います。
そして「家族で今からできること」を考え出すでしょう。
(ΦωΦ)(ΦωΦ)(ΦωΦ)
こんなふうに、
子どもや他人のこととなると冷静に対処できても
こと自分のこと、また自分に経済的な影響があることになると、
事情が変わります。
とたんに犯人探しの探偵になってしまう自分に気づきます。
そして、その犯人探しは終わらず、犯人と思しき人物や、
犯人と同じことをした人物にまで
怒りが向けられることもあるように思います。
参考にした言葉
「どこから(原因)」ではなく「どこへ(目的)」
私はネガティブな悪循環にはまらないよう、いつもこちらのアドラーの考えを忘れないようにしています。
人は後ろを向きながら歩くことができないように、
前に向かってしか生きていけません。
「原因」ではなく「行くべき方向(目的)」を見ていくほうが、
結局のところ健全です。
こんなことがありました。
以前、友人が親切に自宅に招待してくれました。
友人は新鮮なかつおを使って「かつおのたたき」を
作ってくれました。
大変美味しかったんですが、そのたたきを食べた途端
気持ちが悪くなり、ジンマシンが・・・。食中毒でした。
その後、急用を思い出したふりをして友人の家を出て、
病院に駆け込みました。
その問題の犯人ってだれなんでしょう?
かつお?友人?それとも、私の体質?
結局誰の問題でもないです。
友人には、
「自分のことを考えて、いろいろ準備してくれたんだな。感謝」
と思う以外、なんの感情もありません、
ただ「自分の不注意だった。かつおは、しばらく食べないでおこう」
と思うだけです。
ひとまず、原因らしきものが見つければ、それで終わりです。
そこには結局「犯人などいないので」、気持ちになんのわだかまりもありません。
(ΦωΦ)(ΦωΦ)(ΦωΦ)
今起こってしまっていることは、もうしかたがない。
もちろん、自分は、自分自身や家族を守るために、
最善をつくします。
でも、「原因とはただの原因」にすぎず、
それ以上でも以下でもありません。
「原因」とはこれからどう生きるかを考える上で参考にする、
一つの要素に過ぎません。
わたしも、いったん「原因追求症候群」をやめて、
「どこへ(目的)」を考えるようにすると、
ちょっと気持ちが楽になりました。
それに、あまり世の中の「犯人探し」にも
関心がなくなりました。
「原因探し症候群」、いったんやめてみると、
かなり気持ちが楽になりますよ。
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