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1LDKの賃貸で豊かに暮らすには?【01】

ユキノじゃない方の何無区の中の人です。
30歳になっています。
2023年の7月は連日暑いです。
それぞれ色々お疲れさまです。
久しぶりの1人語りをどうぞです。

ささいな生活の変化

今年の3月に埼玉県から地元に帰ってきてからというもの、生活スタイルがガラッと変化しました。

まずはこれまでアパートで完結させていた仕事場を、アパートから車で5分の場所に設けることにしました。そのため、数年ぶりに”通勤”という行動が加わっています。この行動、大切だったんですね。モードの切り替えがしやすいです。バッグに物を詰めるだけでも、できる女になった気分がしてきます。詰める物があって、良かったです。

ただ、通勤途中にある狭い道で、無礼な運転プレイをしてくる方々に、トゲトゲした感情をぶつけそうになってしまう、非情で余裕のない自分に嫌気がさすのは反省点です。天から人々を包むが如しの、柔らかい余裕をストックできるようにトレーニングせねばと、小さな行動を積み重ねております。

それからナンバープレートの地名や、車種から、なんとなく運転プレイが予測できるようになってきたのは思い過ごしか経験則か。

偏った物の見方は気をつけなければと思いながらも、サングラスをかけているとみなさん、当たりが強くないですか。なぜサングラスは好感度が低いのでしょう。眩しさに勝てないという意味では弱者属性のはずなんだけど。ともかく、人は常に加害者であり被害者であると学んでおります。両者共に気をつけねば。

これが一つ目の行動の変化。

変化した土日の過ごし方

二つ目は、土日の過ごし方です。ほぼ毎週、手を動かすようになりました。巷で言うDIYというやつでしょうか。私の仕事場であり、母の生家である平屋の木造住宅のその縁側で、パートナーのカナイと二人でジグソーやドライバーを使ってトンテンカンしています。

きっかけは、1LDKの賃貸に引っ越してきたこと。地元だとそこらにホイホイ建っている某有名ハウスメーカーの賃貸アパートなのですが、私は生粋の無垢の木育ちであるが故、フローリングやクロスで囲まれた、平らな天井の箱の中で過ごすことが落ち着かないのなんのって。

立地や金銭面から、ここに住むことはベターチョイスなのでその点は満足。マイナス点というより加点なしの0点という感覚です。

床や壁や天井は変えられない中で、何をしたらこの1LDKをもう少し好きになれるだろうか。家の中をグルグルしながら頭をクルクルさせた結果、晴れ間が刺したのは家具類を全てデザインをすることを閃いた時でした。家具を片っ端から作ってしまおう大作戦の始まりです。

家具って、空間そのものというより、空間を構成するパーツに感じられがちですが、実は作り方によっては空間そのものになったりします。構造体と馴染んで、一体として囲んでくれる感じです。いじれない空間の中で空間をいじるという、わくわくが始まりました。

私たちのDo It Yourself

一応建築士の私と、分野は違えど設計者をしているカナイ。
実施設計になると格段に元気がなくなる私と、基本設計の段階だとポカーンとしているカナイ。
役割分担は完璧です。

そんな二人でこれまで作ってきたのは

  • ローテーブル

  • 食器棚

  • 紅茶/コーヒー専用棚

  • ベッドフレーム

  • 作業用テーブル

  • 飾り棚

  • ドアストッパー

  • ベンチ

  • フラワースタンド

  • WIC用大型収納棚

  • 飾り本棚

  • 洋服掛け

既製品は、テレビ台と、IKEAのスチールラックくらいでしょうか。ここまでくると、最近はすっかりアパートを住みこなしている感覚になってきました。全国の同じ間取りで暮らしている賃貸ナーの誰よりも、住みこなしている自信があります。寸法もアパートにぴったり合わせているので、奇妙な隙間は生まれず、それに、高さが揃わず、まるで人工の山脈を眺めているような滑稽な風景も生まれず、気持ちがスッキリ。

金額も、某大型家具店などで買い揃えた場合より安く仕上がっていると思われます。ネジ類や金物も必要最低限しか使っていないので、次に引っ越した先でも木材は自由自在に再利用可能。だから少し高い良質な木も、投資の気持ちで買うことができました。

仕上げに、土を感じるために観葉植物を置いて、天井の平坦さをぼかすために実家のお庭から摘んできた馴染みのお花たちをドライフラワーとしてぶら下げたりして、一旦は、”1LDKの賃貸で豊かに暮らす”を、実現することができています。

1LDKで二人暮らしを豊かに

賃貸生活って特殊な暮らしです。まず基本的にインテリアしかいじれないこと。そして、短期間な暮らしだから、インテリアにどこまでお金をかけるか迷うし、人様の所有物に対する緊張感もあります。引っ越しの手間とかも頭をよぎりますしね。海外の国のように、一つのものを長く使うことが常識な文化であれば、もっと大胆にいじくりまわせるけど、それはなかなか難しい。そもそもそんな良い建築が賃貸として出回っていない切なさよ。

そんな中で、毎日うほほーいな気持ちで暮らせるように、私たちは家具をすべて作りました。私は”手芸感”が苦手な人間です。ただ手作りは大好きです。キットで作成したような、心のこもっていない物づくりがどうも苦手。各所にこだわりが詰まっていて、そのこだわりが、しっかり物のクオリティにも反映されているような手作りを目指してトンテンカンすることに意味があると思っています。

仮住まいが故の独特なモチベーションが、暮らしに対する熱量を下げてしまうことがあるけれど、流れている時間は有限。いつでもどんな状況でも、自分たちにとって”豊かだな”って思える暮らし方を貪欲に追求したいと思うのです。そしてそんな人が1人でも多く存在したなら、日本に良い建築がどんどん増えていくだろうと、そんなまだ見ぬ未来が見えてきて、心が明るくなるのでした。

次回は実際に作った家具でも写真は恥ずかしいからグラフィックにして載せようかな。


#語るなら望む未来をね

Fin.麻裕(何無区)

追伸:何無区のホームページ、少しずついじってるから是非見てください↓

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