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老いを自覚する

80代の女性がエスカレーターで転倒し、首を挟まれて亡くなったという痛ましいニュースを聞きました。買い物用の手押し車を使ってエスカレーターに乗っていたそうですが、なぜエレベーターを使わなかったのでしょう。手押し車でエスカレーターに乗るのが危険であることを知らなかったのでしょうか。あるいは知っていたけど大丈夫だと思ったのでしょうか。周りの人はだれも声をかけなかったのでしょうか。疑問はたくさんあります。エレベーターを使っていれば事故は避けられたかもしれないと思いとても残念です。

ニュースを耳にした直後に友人からメールが届きました。駅の階段で足を踏み外して転げ落ち、けがをしたというのです。駅員さんが救急車を呼んでくれて病院に運ばれたそうですが、幸い大きな怪我はありませんでした。骨折もしていませんでした。それでも頭を打って大きなこぶができたと書いてありました。顔も内出血でお岩さんのようになっているそうです。

彼女は70歳になりますが、長い間バレエや新体操をやっていたのでからだは私よりずっと柔軟です。動きも年齢を感じさせません。いっしょに行動していても私よりずっと速く歩きますし、階段もすたすた降ります。私など最近はバランス感覚の衰えをとみに感じるので、階段はできるだけ手すりの近くを降り、エスカレーターも手すりから手を放しません。自分は大丈夫でも上から人が倒れてこないとも限りません。でも彼女は階段の真ん中をぴょんぴょん飛ぶように降りていきます。さすがにエスカレーターではおとなしく立っていますが。

そんな彼女にも老いは確実に進んでいるはずです。元気な彼女だから「自分は大丈夫」と油断したのでしょう。「いつまでも若いつもりでいると大変なことになるからそろそろ老いを自覚しなさい」と返信しました。


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