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海外を旅する母の形見

数年前に他界した母は着物が大好きな人でした。裁縫が得意なので着物は自分で縫っており、私にもたくさん作ってくれました。そんな母が亡くなった時たくさんの着物が残されました。

着物の数は半端ではありません。私も最近はめったに着物を着る機会がありませんし、母の残した着物をすべて所有するのは無理です。山のような着物を前にどうしようかと悩みました。リサイクルに出したり寄付したりする方法もありますが大切な形見なのでちょっと抵抗があります。リフォームにもなかなか踏み切れません。

そこで思いついたのが外国人にプレゼントすることでした。
和服を好む外国人は少なくありません。部屋着やガウンとして利用する人もたくさんいます。海外に出かけることの多い私は現地の人の家に泊めてもらうことがよくあるのでお土産に持参することにしました。海外からゲストを迎える際もプレゼントしています。

こうして母の着物は海を渡ることになりました。箪笥の中から飛び出しそれぞれの国で新たな生き方を楽しんでいるのではないかと思います。海外旅行をしたことのなかった母もいっしょに海外を楽しんでいるかもしれません。

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