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沖縄再訪:沖縄最後の銭湯

(2月に沖縄を旅行したときの記録です)

沖縄に最に残った銭湯に行きました。沖縄では銭湯のことを「ゆーふるやー」と呼びます。1960年代には300軒以上あったそうですが、現在はコザにある「中乃湯」1軒になってしまいました。

その「中乃湯」に行ってみました。入口の外の椅子に女性が二人座って話をしていました。一人が「中乃湯」をやっている「シゲおばあ」です。暖簾も番台もなくてシゲさんにお金を渡して入ります。一人350円。シゲさんに「ロッカーはありますか?」と聞いたら、「大丈夫さ。だれも持っていったりしねえから」と言います。半信半疑で中に入りましたがすぐに納得しました。浴室と脱衣所が一体になっているので棚の荷物は浴室からよく見えます。野暮な質問をしたと思いました。

番台がないので外のベンチで店番をするシゲさん↓

左側がシゲさん↓

店番をしながらおしゃべりも↓

浴室と脱衣所が一体になった内部↓

靴箱↓

脱衣棚↓

湯と水がホースでつながれたカラン。お湯を出そうとしたら「湯と水が反対だよ」と女性が教えてくれました。↓

ライターの松本康治さんが朝日デジタルの「日本銭湯風土記」で「中乃湯」のことを詳しく書いています。

中乃湯は1960年創業。銭湯とはいえ天然温泉だ。300メートルの地下からアルカリ性の、少し緑がかった鉱泉をくみ上げている。

「もう私も91歳さ」とシゲおばあは言う。私の計算ではもう少し若かったようにも思うのだが、でもそんなことはどっちでもいいような気もする。シゲおばあは杖を突きながらゆっくりと釜場へ行き、くみ上げた鉱泉をボイラーで沸かす。

「この井戸がよく出るからね、もったいなくてやめられないさー」とのシゲおばあの言葉通り、水の貴重な沖縄で中乃湯が最後まで続いたのはまさにこの温泉のおかげだ。「昔はどこも毎年、水不足で大変だったよ。でもうちはこの井戸のおかげで大丈夫だったさ」
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中乃湯には本土の銭湯とは異なる点がいろいろある。まず番台がなく、のれんの内側すぐに受付の小部屋がある(シゲおばあはいつも表のベンチにいるのだが)。湯船のことは中国風に「湯池(いけ)」と呼ぶ。そして脱衣場と浴室の間に仕切りがなく、別府(大分県)や指宿(いぶすき、鹿児島県)の温泉共同浴場に少し似ている。最も変わった点は、カランが奇妙に高い位置にあることだ。なぜこんな高い位置にあるのかわからないが、どうにも不便なため、常連客がカランの湯と水を混合するホースを作ってくれた。これだと頭もそのまま洗えるので悪くない。

出典:朝日新聞デジタル ニッポン銭湯風土記

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