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教師の世界は圧倒的に女性が多い

オーストラリアの教師は7割が女性です。小学校では8割、中等学校でも6割を女性が占めています。学校を訪れるたびに教職は女性の世界であることを実感します。

教員の男女の割合↓

上から小学校女性、中等学校女性、中等学校男性、小学校男性

各州の教員の男女比↓

そもそもオーストラリアでは植民地時代から教育は女性が多くを担ってきました。特に小学校教師は学校現場での「徒弟制度」で教師になるのが主流で、圧倒的に女教師が多かったです。その後教員の養成が教員カレッジや大学で行われるようになっても教師になるのは多くが女性でした。

そのような状況なので今も女性教師は学校で何でもやります。教育活動で男女の役割分業はほとんどありません。日本では教員の中にも性別役割分担の意識が感じられることがあります。たとえば力仕事が必要なとき「男子手伝って」と言ったり、丁寧な仕事ぶりに「やっぱり女子はちがうね」と言ったりすることないでしょうか。生徒指導主任やICTの推進役を男性教師に期待するなんていうこともありませんか。いわゆる「アンコンシャスバイアス」です。私自身も自分の中にそれを感じることがあります。

オーストラリアの教師の中にこうしたことを感じることはあまりありません。男性であるか女性であるかは教育活動に関係しません。そもそもそれでは学校が動きません。女性も男性も同じように仕事をしています。

こうしたなかで管理職にも女性が多く就いています。校長は小学校では5割を超えており、中等学校でも4割が女性校長です。そもそも女性教師が多いのですから校長に女性が多くても不思議はありません。女性が7割ということを考えるとむしろ少ないかもしれません。でも私が驚くのは女性校長の働きぶりです。みんな精力的に仕事をこなしています。そして輝いて見えます。

一方、日本に目を向けると 私が教員をしていた頃は男性校長が圧倒的に多かったです。余談ですが、日本では校長室に歴代校長の写真を飾っている学校が多いですが、勤務していた学校でも飾られていました。大多数が男性でした。ずらっと並んだそれらの写真は私にはいささか異様に見えました。みんな同じような表情で華やかさがなく、部屋の雰囲気を暗くしているように感じられました。明るい絵でも飾った方がよいのになどと思うこともありました。

最近は女性の管理職も増えており、私の元同僚もたくさん校長になって活躍しています。でも割合は未だ少なく2割にも届いていません。

朝日新聞デジタルより

その理由として以下が挙げられています。

独立行政法人教職員支援機構の資料より

アンコンシャスバイアスは大きな課題だと感じています。教師自身の意識の変革が必要だと思います。そうすれば女性管理職がもっと増えれば教師の働き方も変わるのではないでしょうか。校長室の写真も変わればいいなと思っています。



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