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4 中学校ってなんだろう

入学式から数日後に書いた学級通信。

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入学式のあと教室の座席についたみんなに私は「中学校の3年間で心もからだも大きく成長させよう」と言いました。ありきたりのメッセージだったかもしませんが、両方がバランスよく成長することはすごく大事なことだと思うからです。

入学式に先立って私は模造紙に大きな木の絵を描いて教室の壁に貼っておきました。「1年〇組の木」と名付けたあの幹だけの木です。1年生を担任するときはいつもこれを作っています。そして葉っぱの形に切り抜いた紙をみんなに渡し、名前を書いて貼り付けてもらいましたよね。幹は「からだ」、葉っぱは「心」という意味だよと言って。

心と体がバランスよく成長して少しづつ大人に近づいていく。中学校時代はそんな時期なのだと思います。学校というのは大人になるための準備をするところです。特に中学校はその準備がいちばん進められるところです。じゃあ、大人って何でしょう? 私も大人ですが、大人というのは「自分で考え、自分で判断し、自分の責任で行動する」ことのできる人間ではないかと私は思います。

小学生の時、みんなは保護者や先生から「〇〇しなさい」と言われて何かをするということが多かったでしょう。「〇〇してはいけません」と言われて「ああ、これはやってはいけないことなんだ」と理解したことも多くあったと思います。でも大人になるにつれてだんだんそういうことは言われなくなります。そして、気づいた時には誰も何も言ってくれません。自分で考えて、自分で判断して、自分の責任で行動しなければならなくなります。それができるのが大人です。

小さい子どもは自分で考え、判断する力が十分ではありません。だから大人が手助けしてあげるのです。その分責任も少ないです。でも大人はそういうわけにいきませんい。思考力、判断力が重要になり、行動には責任が伴います。中学校時代はその力を養うときだと思います。失敗することはたくさんあるでしょうが、失敗はまだまだ許されます。失敗しながら学んでいけばよいのです。失敗をばねにして成長していけばよいのです。失敗を恐れて挑戦するのをためらう必要は全然ありません。中学校というのはそういうところだと私は思います。

今日は委員と係を決めます。どの委員も係もクラスや学校を動かすために必要なものです。そして大切なのがその役を担うみんなの「やる気」です。「よし、やってやろうじゃないか!」というみんなのやる気や熱意を私は心から待っています。

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子どもたちと出会って数日しかたっていないが私はとても幸せな気分の中にいます。朝、教室に行くとみんな元気よく「おはようございます」と言ってくれます。ニコニコした顔を見ると嬉しくなります。学活で私が話しているときにキラキラした目をこちらに向けてくれます。私が「どう思う?」と聞くと自分の考えを素直に言ってくれます。掃除の時間もみんな一生懸命からだを動かしています。さぼる生徒なんていません。いてもぜんぜん不思議じゃないのに。何事も他人任せにしない。すごいなーと思います。この雰囲気がこの先もずっーと続くといいなと思います。担任の責任も感じながら。
 
 

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