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「日本語じょうずですね」と言われたら

日本人である私が「日本語じょうずですね」と言われたらきっと戸惑うでしょう。私は日本で生まれ日本で育っています。母語は日本語です。だから日本語は「じょうず」です。

でも、日本人が外国人(外国人に見える人も含めて)に「日本語じょうずですね」と言う場面はよく目にします。日本人の中には外国人が日本語を使うことに特別な思いを抱く人が多いように感じます。だから外国人が日本語を話すと驚き、そして褒めます。「こんにちは」と言っただけで「日本語話せるんですね。すごい」と言ったりします。外国で「ハロー!」と言って「英語じょうずですね」と言われたことは私にはありません。

外見だけで日本語が話せないと判断することも多いです。日本で生まれ育った外国人(に見える人)が「日本語じょうずですね」と言われて苦笑いしていることがあります。そこにあるのは自身の勝手な思い込みでしょう。ステレオタイプあるいは「一般化」と言ってよいかもしれません。

私が教員をしているとき、ALTに"Do you like natto?" とか "Can you use chopsticks?" と質問する生徒が多くいました。外国人は納豆を食べない、箸が使えないと思い込んでいるのでしょう。「○○君は帰国生徒なのに英語ができない」という生徒もいました。そのたびに私は「外国人の中にも納豆の好きな人はいるし箸を使う人だっている」「帰国生徒がみんな英語を話せるわけではない」と言ってステレオタイプや「一般化」について話をしました。

ステレオタイプは教師の中にも見られます。ALTに" Japanese students are shy, so they~.” ”Your Japanese is  perfect." "Please tell our students how you celebrate Christmas ."などと言ったりします。日本の生徒がすべてがシャイなわけではありませんし、クリスマスを祝わないALTだっています。また、「アメリカ人はそんな英語は使わない」「ネイティブスピーカーはそんな言い方しない」「うちの学校のALTはフィリピン人だからちゃんとした英語を話さない」などと言っている教師もいました、

自分の中のステレオタイプに目を向けることも大切だと思います。

YouTubeでKen Tanaka氏の興味深い動画を見つけました↓

   出所:https://www.youtube.com/watch?v=crAv5ttax2I

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