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泥湯温泉に行ってきました

泥湯温泉は宮城県と秋田県の県境にある山あいの秘湯です。住所は秋田県湯沢市。JR湯沢駅から車で1時間ほどの山の中にあります。開湯は1200年前とされ、江戸時代に湯治場となったようです。

泥湯という名前から泥のような真っ黒いお湯を想像していましたが実際は白濁した硫黄泉でさらさらしていました。ただお湯の底には泥や砂利のようなものが溜まっていて、これを身体に塗って楽しむ人もいるそうです。

宿は2軒だけ。川の音と鳥のさえずりしか聞こえない静かな場所です。

旅籠風の宿と湯小屋

泥湯の集落に一歩足を踏み入れると、昭和の初期に引き戻されたような家並が展開する。時代劇に出てくるような旅籠風の二階建ての旅館。旅館の持つ湯小屋があちこちに建っている。助さん、格さんが飛び出してきても不思議でないほどのたたずまいである。これだけ近代化の進んだ時代に、よくこんな場所が残っていたなぁーと感心させられる。
湯は実に豊富で、湯煙りをあげる湯小屋は、川原の湯、天狗の湯、岩の湯などと名前が付けられ、それぞれ泉質が異なっているようだ。浴衣姿で湯のはしごをしている湯治客の姿がのどかである。

硫黄山の地獄、温泉の流れる大湯滝、木地山こけしの里などが近くにあるので、これらと組み合わせた泥湯の旅は、奥東北の秘境さがしのようなコースである。

日本秘湯を守る会のホームページより


奥山旅館という宿に泊まりました。

宿の正面入り口

フロント

客室

黒光りした廊下。

お風呂

道を隔てた母屋の反対側には岩肌を背にたたずむ温泉棟があります。男女別露天風呂になっています。

湯沢市のホームページなどに奥山旅館の情報が載っています↓


泥湯温泉の近くには日本三大霊地のひとつとされる「川原毛地獄」があります(他の二つは恐山と立山)。荒涼とした風景の中にあちこちでガスが噴き出し、いかにも地獄といった雰囲気です。強い硫黄の臭いが鼻を突きます。さらに奥に行くと滝つぼが温泉になっている「川原毛大湯滝」という場所もあります。

「川原毛地獄」だけでなく、泥湯温泉一帯は硫化水素ガスが発生し危険な場所が多いです。宿のすぐ近くにも蒸気が噴き出ているところがあり、立ち止まることが禁じられていました。

2005年12月29日には東京から遊びに来ていた家族4人が宿の駐車場近くで雪穴に貯まっていた硫化水素ガスで死亡する事故が起きています。東大の助手一家でしたが、 積もった 雪の中で地熱によって自然にできたくぼ地に滞留したガスが 高濃度に なったところに子どもが転落し、それを助けようとした家族も次々にガスを吸って死亡したと言われています。何とも痛ましい事故です。

事故のあった場所↓

現場には慰霊碑が建てられています。

幼い子どもを含む一家4人の悲劇に切ない気持ちになります。

温泉という自然の恵みを享受できる幸せとともに、火山ガスの恐ろしさも忘れてはいけないと感じました。

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