きものを習い始めたきっかけとその後の私
いつもきものを着せてくれた、母が亡くなり、義母が老い、とにかく、自分でできるようにならなくちゃ、と思った。
娘にきものを着せてやりたい、もし孫ができたら、子どもの成長を祝う行事に自分がきものを着せてやりたいと思った。
きもの学院での授業は着方(自装)、着付け(他装)おりまぜて学びながら、テキストを使って知識も深めていけた。
少し古いけど、テキストの内容は完璧だった。知りたかったことは、ほぼ学院で学べたと思う。
教室で先生方の着ておられるきものを見て、展示会などで、伝統工芸品と言えるようなきものに触れ、だんだん染織に興味を持つようになっていった。
その頃、NHKの「美の壺」や、「趣味どきっ!」などをよく観ていた。日本伝統工芸展をはじめ、きものや染織の展覧会にもよく行くようになった。
そのうち、きものを見たら、どんなものか、だいたいわかるようになった。
もとより、美大で美術を学び、教師として美術を生業としてきたわたしが、芸術のパッションより、工芸の心の平静のようなものに惹かれるようになった。
若い頃はアメリカの文化、芸術に憧れていた。そういう時代だったのだ。日本のそれには見向きもしなかった私が、日本人のくせに日本のことをほとんど知らないことを恥ずかしいと思うようになった。
外国の真似をするのではなく、日本独自の伝統的文化こそ、世界に通用するものではないか、と思うようになっていた。
大袈裟に思われるかもしれませんが、60年以上生きてきて、何者でもない私が、きものを着たり、着せたり、教えたりすることで、次の世代に受け継いでいくんだ、、、と思うようになったのです。
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