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熱力学

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状態量

状態量

熱平衡の状態において、その状態を表すのに用いることのできる、その状態で定義される物理量を状態量という。状態量は、物質を分割しても変わらない量である示強性状態量と、物質の量に比例する量である示量性状態量に分けられる。示強性状態量には、圧力や温度がある。示量性状態量には、体積や内部エネルギーがある。

熱力学は平衡現象を扱う学問。平衡状態間の変化は、流体力学(伝熱学)が扱う。

熱力学は平衡現象を扱う学問。平衡状態間の変化は、流体力学(伝熱学)が扱う。

 熱力学は、平衡現象を扱う学問だ。ある平衡状態からある平衡状態に移る間のことは熱力学では議論できない。(ただし、平衡を保ちながらのとてもゆっくりな変化なら扱える。)具体的な話をする。冬に暖房を付けないでいると、そのうち部屋の温度が何度になるのかは、熱力学の知識で求められる。ただし、あと何分経ったらその温度になるのかは熱力学の知識では求められない。それを求めるには、伝熱学の知識を使わなければならない

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エンタルピーとエントロピー

エンタルピーとエントロピー

どっちがどっち?エンタルピーがH。
エントロピーがS。

エンタルピーH

エンタルピーは、定圧変化における熱の出入りを表す。身の回りの変化の多くは、大気圧という一定圧力下において起きる。そのため、U+pVをHとおくことで、定圧変化(Δp=0)における熱の出入りを
ΔQ=ΔU+pΔV=ΔH
と表せるようになり、便利。

エントロピーSエントロピーの定義

エントロピーSは、次のように定義される抽象

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熱力学的平衡

熱力学的平衡

熱平衡、力学平衡、相平衡、化学平衡の全てが成り立つとき、系は熱力学的平衡であるといえる。

参考文献
日本機械学会(2020)『JSMEテキストシリーズ 熱力学』丸善出版.p. 23.

熱力学第0法則

熱力学第0法則

系1と系3が熱平衡にあり、系2と系3が熱平衡であれば、系1と系2は熱平衡の状態にある。

参考文献
日本機械学会.JSMEテキストシリーズ 熱力学.丸善出版株式会社,2002.