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華岡青洲から学ぶ「内外合一」

全ては悩み・苦しむ人々を救うため

 華岡青洲は江戸時代後期のお医者さんで、世界初の「全身麻酔による乳がんの外科手術」に成功した人です。

 青洲は京都で漢方医学(東洋医学)と蘭方医学(西洋医学)の両方を身につけた後、現在の和歌山県でお医者さんになりました。

 両方の医学を身につけたからこそ、救える命は救いたいと麻酔薬の開発にも着手。薬草などの膨大な専門書を手掛かりに、動物実験、そして自身の家族に治験を任せることに。そのさなかに、母親は急逝、妻は失明と試練が続きました。しかし、屈することなく研究に励み、世界初の麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」を完成、手術は無事に成功しました。

 その後、青洲は後進の育成にも全力を尽くしました。

 一方の欧米は、無麻酔の中の外科手術が一般的でした。しかも、成功にい至ったことはありませんでした。日本の約40年後にようやく乳がんの外科手術が成功しました。

 青洲の教えは「内外合一(ないがいごういつ)」などという言葉で表しています。「外科も内科も、漢方医学(東洋医学)も蘭方医学(西洋医学)も、病気を治すために何でも取り入れなくてはいけない」と説きました。

 この「内外合一(ないがいごういつ)」は特に令和時代だからこそ必要な考え方ではないかと思います。

 現代社会は、今現在の死因1位は「がん」ですが、2位につけているのが「うつ病(自死)」なのです。そして10年も待たないうちにこの順位が逆転するでしょう。

 またこれだけではありません。「ハラスメント」や「虐待」、「ヤングケアラー(親子の役割逆転)」、「格差社会の常態化(格差そのものが当たり前)」、事件のみ扱った暗いニュース、環境問題など誰しもが「生きづらさ」を抱えやすくなった世の中となりました。

 しかし一方で、日本の心理・精神研究、脳みそ研究は欧米よりも後手に回っているのが現実です。
 発達障がいやHSPスペクトラム(繊細さん)ももともとは「欧米から輸入された」概念です。「人格障がい」などほかのメンヘラ(精神系の問題)もしかりです。福祉全般ももともとは「欧米から輸入された」概念です。

 そうです。特に脳みそ系に関する概念のほとんどを「輸入」に頼っているのが日本と韓国です。

 しかし、西洋医学の多くは「原因療法(根本療法)」を主軸としており、'個別性'があまりにも豊富な脳みそ系、心理系は不向きです。福祉制度もしかりです。

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