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摂食障害とは?

 'ダイエット願望'は大人だけではありません。むしろ最近は、小中学生の頃から「やせたい」、「おしゃれしたい」との理由でダイエットをしている子どもも珍しくありません。

 しかし、児童期や思春期に十分な栄養が摂れていないと、体は「低栄養の状態」になります。低栄養の状態に体が慣れると、心身の機能低下に陥ります。

 身体面では、「低身長」、「貧血」、「低血糖」、「無月経」、「不眠」、「免疫低下(よく風邪を引く)」となります。また、常にやつれた顔つきに見られることが多いです。

 精神面では、「だるい」、「無気力」、「疲れやすい」、「注意散漫」、「感情の振れ幅が激しい(よくキレやすい、泣きやすい)」などとなります。

 そして、「低栄養の状態」が一生続くと「性ホルモン」の分泌が不十分となり、卵子と精子の製造が減少します。また将来、不妊や仮に妊娠できても低出生体重児の子どもが生まれる可能性が高くなります。

 そして、何よりも児童期や思春期は生涯で唯一「骨密度が増える時期」です。
 しかし、低栄養の状態に体が慣れると、骨密度が低いまま高齢期を迎えることになります。それは将来、「骨粗しょう症」として転倒のリスクが高まり、寝たきりになる可能性もあります。

 その低栄養の状態が「依存的なもの」の1つが「摂食障害」だと思います。

 「摂食障害」は'立派な病気'です。主な特徴は「極端なダイエットを続けた結果」、「拒食症(神経性やせ症)」となるもの。食べ過ぎやその後吐いたり下剤のOD(お薬の一気飲み)が続くものの「過食排出型」。その両方を兼ねたものとあります。

 どちらも女性に多く、最近では低年齢化が深刻になっています。

 「拒食症(神経性やせ症)」は少しでも体重が増えることを極端に恐れ、十分な栄養が摂れなくなってきています。

 また、大人の「摂食障害」よりも10代以下の子どもたちの「摂食障害」による死亡リスクは約10倍と「命に関わる」危険性が高まります。

 また、極端なダイエット以外にも「朝食を全く食べない」、「家族と食事をしない」、「食べ物を細かく分ける」、「タンパク質(肉類など)や脂質を極端に嫌う」、「食べていないのにマラソンなどの激しい運動を過剰にしたがる」、「自分が食べるよりも頻繁に家族に食べさせようとする」などの原因、サインとして見られる傾向です。

 家族や同居者(ルームメイト)が相手の摂食障害に気づいた場合、まずは「かかりつけ医」などの専門家のに相談しましょう。

 ただし、本人が病気を自覚してもそれを理由に診断を拒否する可能性もあります。

 その場合は、「冷え症が長引いてつらいか」、「身長の伸びが悪くないか」、「髪の毛が多く抜けていないか」など'身体症状の相談理由'として受診を促すとよいでしょう。

 また、「摂食障害」は「拒食症(神経性やせ症)」→「過食排出型」と症状が変異することも多いです。

 そして、発達障がいないしHSPスペクトラム(繊細さん)の合併症や二次障がいとして苦しむことも多いです。

 両者とも「承認欲求(評価欲求)」がずば抜けて高いため「(気質特性から来る行動を)認めてもらえない」ことが続くと、'ダイエット願望'(やせたら認めてもらえる)=「承認欲求(評価欲求)」となり「摂食障害」につながりやすいです。

 「摂食障害」の診断が下り、認められたら、周りの人は「無理やり食べさせない」、「食べないことへの不満をぶつけない」、「食事や体型のことを話題にしない」、「否定を避け、ありのままの状態を受け入れる(愛していく)」のが大切です。

 こちらも「対症療法(その日その場しのぎ)」しか治療法はありません。まして、'年単位'の息の長い治療となります。

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