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のらりくらりゆるく

(写真は高遠の桜を観に行く道中で、早朝に撮影したものです。)

最近、ゆるくなりたいと感じることが多くなった。
年のせいかもしれない。
疲れているせいかもしれない。
でも、とにかくゆるくいきたい。

仕事ではかつて結構な完璧主義であったと思う。
ゆるくて雑で、自分の不都合を巧みに隠し、のらりくらり嘘をつくお局さんがいて、見ていてイラついていた。
共有の仕事では彼女の落ち度をこうむることが何度もあって、本当にイライラしていた。
家に帰って、夫によく話を聞いてもらっていた。

同僚にアドバイスもらって、彼女のことを上司に相談するようになってから、上が対応してくれ、ゆっくりではあったものの少しずつ状況は変わっていった。
人間関係のことで上司に相談するなんて、してはいけないことだと思っていた。
だって、お仕事に人間関係のストレスは当たり前にあるものだと思っていたから。
でも、半ば一方的な同僚の強めアドバイスにより、思い切って上司に話すようになってから、少しずつ状況は良くなっていったのである。

質のよい上司に感謝、
傾聴に長けた上司が多いことから、これは職場の職員教育のおかげなのか、
だとしたら職場に感謝、
一方的強めアドバイスの同僚に感謝、
自分も役員であり、その立場からの俯瞰した考え方を教えてくれる夫に感謝。

3年ほどかかったが、状況はかなり好転した。
今は最高の職場に勤務できてなんて幸せだろうと思う日々である。
まず、上司たちと会話がしやすくなった。
相談するイコール自分の仕事に対する考えを上司が理解してくれる良い機会となったのだ。
あなたの考えが聞けて良かった。いつも黙々と忙しそうにやってくれてるから、何を考えて仕事してくれているのかわかってよかった。
ぼんはるさん、辞めないでね。
など言っていただけて、嬉しかった。

時々、うまくやって生活残業をせっせと稼いでいるお局様にイラっときそうになることもあるが、イラっとくる私自身に問題があると思うようにしている。
夫に言われた。
「自分に害がこないならほっておけばいい」
そうだ。私は自分の中にある正義によってイライラしているんだ。
自分に被害がこないなら、なんてことない。
それよりもメリットを意識しよう!

メリット。
上司との関係が良くなった以外に、自分自身の中で大きな変化が起こった。
3年経て思う、のらりくらりゆるく。
そう。私は完ぺき主義ではなくなった。
本当に完ぺき主義ではなくなったのだ。
だからと言って仕事の手を抜いているわけではない。
仕事はきっちりやっている。
だが、根底にある心の持ちようが違うのだ。
「ミスしても謝ればいい。なんとかなる。」
「仕事をきっちりやるよりも、周りにキチキチした雰囲気を出すほうがダメ。」
こんな具合で、つい完璧に頑張ろうとする自分に、自分が話しかけてくれる。

こうなれたのは最近疲れていて、仕事に精力を傾けられない月日を過ごしていたせいもあるだろう。
デスクに座っているのも必死で、毎日20%くらいの力で仕事を回していた。
この間、これまではしなかったミスをしたこともある。
たいていは小さなミスだが、一つだけ大きなミスをした。
お局様に迷惑がかかるミスではなかった。
だが、お局様は私のミスをご存知だった。
そして上司に呼ばれてついていく時、「席を外します。」と一声かけた私を、とても優しい笑顔で見送ってくれたのだ。
まるで、「わかっているよ、大丈夫だよ。」とでも言うように。
私はとても暖かい気持ちになった。
その後、日々の付き合いの中で彼女がそのことに触れることは一切なかった。
そして、なんだからそれから、彼女のミスを寛大な(?)気持ちで受け止めることができるようになったのだ。

仕方がないですよね
うっかりすることもありますよね
そんなこともありますよね
私もこーゆーミスしたことあります!

そんな風に、本心から笑顔を返せるようになったのだ。
そしてお互いに アハハ! と笑っている。
なんとも気楽である。
いつの間にか自分が発する雰囲気も以前より柔らかいものになった。

その方がいい。
私自身が、居心地がいい。仕事がやりやすい。安心感に包まれている。
職場の情景はオレンジ色、暖色だ。

ある日、仕事をしていたら言葉がおりてきた。それは、
「のらりくらりゆるく」

5年後、私は仕事以外にも、今よりもっといろんなことを、朗らかに明るく許せる女性になっていたい。



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