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潰瘍性大腸炎と治療薬

 今まで服用した薬や治療法について、患者の視点からの感想など。厳密には潰瘍性大腸炎の薬や治療法でないのもありますが。
 あくまで患者の視点からの感想なので、服用に関しては必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい


ペンタサ

 一般名メサラジン。最近はジェネリックも多く出てきたようで、ペンタサでなくてメサラジンで処方されることが増えました。5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤で、胃ではなく狙った部位(大腸など)で適切に効果を発揮する、徐放性を備えています。
 似た薬としては、サラゾピリン(一般名サラゾスルファピリジン)があります。こちらは成分が違います。ペンタサがあわない場合にサラゾピリンになる場合があるようです。
 徐放性の違いによって、アサコールやリアルダになる場合もあるようです。炎症部位がどこなのかによって使い分けられているようです。

 錠剤としてはサイズが大きいので、最初の頃はやや飲みにくさがありますが、一日8~12錠とかを飲むので、すぐに慣れます。特殊な味等は特に感じません。
 処方される量が多いので、持ち帰りや保管場所がちょっとだけ必要です。大体、一ヶ月分がティッシュの箱一箱分ぐらいの大きさだと思います。
 一番最初に飲んだ頃は、身体に栄養が戻ってきた(炎症が治まって栄養が吸収されやすくなった)かのような感覚がありました。この薬だけをやめたということはないので、どのくらい効いているかは実際のところよく分かりません。ただ他の薬の感覚から考えるに、多分1~2週間ぐらいは服用しなくても大きく体調を崩すことはないだろうなという感じはします。


ラックビー

 整腸剤。おいしい。正直いらないのではないかという気はする。将来的に医療費削減が強く言われるようになったら出されなくなるのではなかろうか。私もだいぶ昔に処方がなくなりました。
 ただ、論文などではビフィズス菌+5-ASA製剤の効果は出ているらしいです。毎日ビフィズス菌を服用することで腸内環境が改善し、症状の改善に効果があるといわれています。毎日ヤクルト等を飲むのはカロリーも気になりますし、お値段もそれなりにかかるので、本当に効果があるならそんなに高い薬ではないので費用対効果はかなりいいのかも知れません。
 病院によってはミヤBMだったりするらしいです。薬科はどちらも6.3円/g。


ネキシウム

 一般名エソメプラゾールマグネシウム水和物。胃薬です。これも最近特許が切れた(2023年)ので、一般名のジェネリックを処方されるようになりました。大腸の炎症に効果があるわけではないですが、胃が痛いと腸にも影響が出るらしいので処方されています。もしかしたらこれは処方されているケースの方が少ないかもしれません。これを服用するよりは、多分ストレスを抑えたり発散したり、食事を見直したりする方が健康的な気はします。


漢方系

 漢方は色々あると思いますが、私が服用したのは

の二種類だったような気がします(昔のことなので不明瞭)。ただ服用していた当時は潰瘍性大腸炎ではなく、十二指腸潰瘍や過敏性腸症候群といった診断を受けていた時期だと思うので、潰瘍性大腸炎としてこれらの漢方薬を服用することはないかも知れません。

 漢方薬全般として、
・食前に服用すること
・独特の味と匂いのせいで服用しにくい

という特徴があります。これも毎日服用するので慣れるのですが、外食時などで食前服用が難しいとき(パーティや宴会などが特に)があります。そういうときは食後服用にすることもありました。

 漢方薬の効果はマイルドなので、一日二日服用しなくてもあまり変わらない気がします。一ヶ月以上の長期で服用して、体質自体が変わったかな?という感じになります。

 他に、潰瘍性大腸炎患者のうちでは有名な「青黛(せいたい)」がありますが、私は手を出していません。まだ研究中だと考えています。


ステロイド

 どうしようもないときに使われる薬(と私は思っている)。炎症は治まるが、他の副作用やら影響やらが大きすぎるのでできる限りさっさとやめたい薬。20-30mg/日あたりから入院治療になる。ステロイドによる治療に入る前に、歯の検査やら肺の検査(私はレントゲンで影があったので気管支内視鏡までやることになった)やら入念な検査が必要になるので、腸の炎症があらぶっているときにこれら検査をこなすことになるので非常に大変。あとセットでもれなく色々な薬がついてくる。
 主な副作用は、
・筋力の低下(後々体重が落としにくくなる)
・脂肪の増加
・骨密度の減少
・感染しやすくなる
・眠れなくなる
・血糖値の問題
等々。寿命を削って治療している感をありありと感じます。
 大容量(多分5mg以上とかそのぐらい?詳しくはお医者様に聞いて下さい)を服用中の場合、急に中断するとステロイド離脱症候群が発生します。

地震やその他災害などで服用できない場合になると怖いので、私はしばらく鞄に入れて常に持ち歩いていました。緊急持出袋にも入れておいた方がよいでしょう。あまり薬が古くなると服用するのは心配ですが、薬が古くなる頃までには減薬できている…と思いたいところです。
 減薬は1年2年かかることもあります。私の場合は最終的に服用がなくなるまで18ヶ月かかったと思います。


ST合剤

 ステロイド治療についてくる薬その1。免疫力低下に伴う、ニューモシスチス肺炎の日和見感染を予防する薬。毎日服用する薬ではないので、管理が面倒くさい。


サムチレール

 私はST合剤があわなかったようなので、サムチレールを処方された。やたら高価なのと、色がその辺の芋虫を潰したときのようなショッキングな黄色なのと、独特な味が特徴。時には舌がしびれるような味を感じることもある。服用したあと舌が黄色くなる。旅館にある使い捨てシャンプーのようなパッケージで、はさみなしで開けるのには大体失敗する。滅多にでない薬のようで、大学病院の近くの薬局でもお取り寄せのため後日配送ということがしばしばあった。


ボナロン

 ステロイド治療についてくる薬その2。一般名アレンドロン酸ナトリウム水和物。ステロイド服用していると骨が弱くなるそうで、それを予防する薬。
 服用方法が特殊で、週に一回、朝の空腹時に服用する。服用後、しばらく横になってはいけないものを食べてはいけない、という制限があるので、早起きしてこの薬を服用しても、その後二度寝することも朝食食べて行動に移ることもできないので、面倒な薬。特に冬場だと寒い朝に起きてきてこれを服用してその後起きているのが割と苦痛。
 記録を見る限りでは、ステロイド入院直後はエディロールだったらしいです。自宅管理になってからボナロンになったのかも知れません。


マイスリー

 ステロイド治療についてくる薬その3。一般名ゾルピデム酒石酸塩。たぶんジェネリックで処方されるのが一般的と思われます。
 ステロイドを多く服用していると、興奮のため眠れなくなるので、必要に応じて処方されるようです。私は20mg越えている間はかなり睡眠に不自由しました。服用すればある程度眠れるようになりますが、不自然な睡眠である感じはあるので、ないならない方がいい薬ではあります。
 服用して翌朝すっきり起きるまでの記憶が危ういときがあるので、うっかり布団の中でLINEを使っていたりすると翌朝記憶のない送信記録を見て慌てることになります。服用後は寝る以外しない方がいい。


アザニン

 一般名アザチオプリン。免疫抑制剤。小さい錠剤の割にかなり強力な薬という印象。私は二錠飲むと吐き気を感じます。吐き気の他、脱毛等副作用もあるのでできればやめたいが、やめると二週間程で大腸の炎症が悪化するので、ドクターと使用について相談中です。
 これを服用している間は胎児への影響があるので、男女問わず注意が必要。子ども作る予定のある人は医者に要相談らしい。また、服用中は採血による詳細な検査が定期的に必要そうです。


ネオーラル

 一般名シクロスポリン。免疫抑制剤。アルミ製の独特なパッケージ。服用が食前だったような気がしますが、人によるらしいです。私の場合は大量の水で服用してしばらく待ってから食事をするとか指定されていたような気がします。
 他の病気との兼ね合いもあってこの薬を服用していましたが、腎毒性(繊維状になるらしい)があるため、アザニンに変更になって中止になりました。
 パッケージがでかいので持ち帰りや保管にかさばる。
 グレープフルーツとの相性が悪いので、グレープフルーツを食べられなくなります。ソルティライチとかにもグレープフルーツが入っているので、うっかり食べてしまわないように気を配るのが地味に面倒。

 あと、セントジョーンズワートとかいうお茶もダメらしいです。お茶として見かけるより、健康サプリメントなどに含まれる場合が多いのではないかと思います。気分が沈んでいる人が飲用するタイプのものらしいです。薬膳を売りにしている温泉宿の紹介動画を見ていたら出てきたので、そういった薬膳を標榜しているところでは注意が必要かも知れません。


ロキソニン

 よくある市販の解熱剤。確かに熱はよく下がるのだが、胃腸には大ダメージなので潰瘍性大腸炎患者は服用しない方がいいと自分は思っています。これを服用するならカロナール(アセトアミノフェン)を選んだ方が無難でしょう。市中のお医者様にかかって解熱剤を処方される場合には、潰瘍性大腸炎患者であるのでアセトアミノフェンを希望する、と私は伝えています。
 また、解熱剤一般について、胃の中に十分に食物等を入れてから服用することに注意した方がいいです。私は適当にヨーグルトを少し食べてロキソニンを服用したところ、消化器系に大ダメージを受けて吐血して緊急入院に至ったことがあります。以来、ロキソニンを避け(そもそも解熱剤自体をできるだけ避けるようになったが)、やむを得ず薬の服用時には食欲がなくてもできるだけ胃にものを入れるようにしました。


レミケード

 一般名インフリキシマブ。病院で点滴治療として受ける。私が先日受けたとき、となりのベッドの人の処方確認は「インフリキシマブ」となっていた一方、私の方は「レミケード」と処方確認されていました。なぜ違う処方になっているのかは知らない(量が違うのかな)。
 初回はアレルギー等の副反応への対応のため、入院で行うところが多いのではないかと思います。通常の点滴(ビーフリードとかそういうの)と同じ様に行われていると思います。前処置としてポララミンやらステロイドやらのアレルギー止めを点滴した後、レミケード本体を点滴、最後のフラッシング(点滴管中の薬剤を全て体内に流し込む)という流れで、大体3時間程かかります。アレルギー止めで眠くなるので、3時間暇だが大体寝てしまいます(起きていることもできるが、あまり勉強や作業に適した集中が得られない)。
 点滴後は特に問題なく動くことができるが、私の場合は数日後はだるくなります。仕事に行く程度は問題ないですが、積極的に運動をする気にはならなくなります。
 また、私の場合は風邪を引いても初期で体温が上がらなくなる(他の人もそうなのかは不明)ので、風邪かどうかが分かりにくくなる、周囲に風邪をひいたと主張しても熱が上がってないので仮病と思われる等の弊害があります。風邪を引くと、体温が上がらないだけで、身体の息苦しさや動きづらさは明確に出てきます。私の場合は風邪を引くと脈拍が普段より10程度上がることが分かっている(安静にすると脈拍も落ち着いて楽になる)ので、スマートウォッチやトラッカーを用いて脈拍を日常的に管理しています。
 私の場合、風邪で体温が上がっている状態は既にかなり重症の風邪であり、注意を要します。健康な人のように栄養ドリンクや解熱剤等で無理ができる状態ではないので、早急に休息が必要となります。さもないと緊急入院の可能性が出てきます。


L-CAP(白血球除去療法)

 要するに透析療法。G-CAPというものもありますが、L-CAP療法は、白血球全体を取り除き、G-CAP療法は、白血球の中の顆粒球・単球を取り除くものであり、患者としてはあまり区別する理由がないような気がします。
 副作用が少ないので、ステロイド治療や免疫抑制剤治療の前に試されることが多いと思われます。
 両腕の肘の内側に太い針を刺して、そこから透析する。針が普通の注射針ではなく、透析用の針なので、刺すのが非常に痛い。そのため、事前に麻酔テープを貼って、その場所に針を刺す。穿刺の際には3Dエコーを用いて、血管を立体的に把握して刺す必要がある。これがなかなか熟練の技が必要なようで、慣れていない医師がやると5分10分血管を探して針でぐりぐりされるということもある。私は一度動脈に傷がついて、腕の半分が内出血で青く染まりました(夏だったので長袖で隠すのが暑かった)。
 大体週に1~2回、全10回実施がワンセット。初回は入院で対応するところが多いと思われます。効果は人それぞれで、私はあまり効果が出なかったのでこれを受けたのはワンセット(10回)のみでした。


大腸内視鏡検査

 潰瘍性大腸炎患者は指定難病の書類をもらうために大体毎年6~7月ぐらいに大腸内視鏡検査を受けることになります。
 経口腸管洗浄剤2リットル。ニフレックが主流であったが、最近はマグコロールなども多いでしょうか。あと前日夜にラキソベロン服用しますがこれは特に問題ないかと思います。

 昔はニフレックを飲んでいるときに飴をなめてもいいというルールも多かったようですが、最近は水分のみとなっているところが多いと思います。どうやら飴をなめている(糖分をとる)とガスが発生しやすくなるかららしいです。
 経口腸管洗浄剤が独特の風味で飲みにくいのは致し方ない。また、2リットルの経口腸管洗浄剤が体内を通過する関係上、それなりの体温が奪われるので、前日からの絶食も相まって寒く感じることがあります。そのため、羽織れるものを持っていくのを推奨します(待合時間もそれなりに長いことが多いので)。
 大腸にカメラが入っている時間は、30~60分ぐらい。たまにうまく入らないと80分ぐらいになることがあるかも知れないです。地味に腸の動きを止める注射(ブスコパン)が嫌いです。
 私の場合は、検査中、5~8カ所ぐらい生体検査として細胞採取があります。ポリープ切除などの経験はないです。
 指定難病の医療費補助を受けている人は、場合によって(多分症状が安定しているときの検査が選ばれていると思う)は新人お医者様の練習台になることもあります(私も3~4回程経験あり)。これは医療体制の維持の上で必要なことだと思うので(ちゃんとベテラン医師もついていてくれるので)割り切りましょう。


質問等

あったら加筆するかも知れません。

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