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日本の保育園はドイツと違って、きめやかで繊細らしい。 日独保育園比較検証!

皆さんこんにちは、ベルリンのひと、イドアモンです。
先日私は日本の保育園事情を、元保育士さんに教えてもらいました。私は今ベルリンの保育園で働いていますが、ドイツの保育園と日本の保育園が、どう違うのか、詳しく知りたくなったのです。

例えばこの間、家族のラインで3歳の姪っ子の写真が送られてきました。それは保育園の運動会の写真で、姪っ子はかぼちゃの格好をしていました。

子供達全員、体操着を着てコスチュームを着ている!しかも同じ踊りを踊っているらしい!

これがまだ小学校でないということが衝撃でした。いや、小学校でもドイツでこんな様子は見たことがありませんが。

今回オンラインで1時間、長年保育園の現場で働いていた、30代の女性の方に、あれこれ伺いました。現在は別の形で幼児教育に関わっているそうです。名前はノノさんとしましょう。

ぬぉ!めっちゃ美人だ。。

画面がついた途端、大きな黒目のサラサラロングヘアーのお姉さんが写っていました。日本では、こんな綺麗なお姉さんが保育園で働いているのか!こんな綺麗なお姉さんに優しくされたら、園児もさぞ保育園が楽しかろう。なんてこった!もうすでに、日本の保育園のレベルの高さを思い知らされるぜ。

余談ですが、ベルリンでは気をつけていないと、だんだん化粧をしなくなってきます。適当な格好をしている人が多いので、気が抜けるのです。まあ私は元々眉毛ぐらいしか描かないので、論外ですが。

保育園と幼稚園は結構違うらしい。

ドイツの保育園と幼稚園は預けられる時間の長さが違うぐらいで、どちらも同じ役所が管轄しています。
日本の幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省なんですね。どうしてこんな面倒臭いことになっているのでしょう。幼稚園は4時間を基準とするそうですが、こんな短くては、おかあさんは何もできませんね。
私はベルリンで、日本の幼稚園スタイルの預かり所を見たことがありません。ただ旧西ドイツでは「子供の面倒は親がみる」という伝統があるそうなので、日本の幼稚園のような所もあるかもしれません。

外で遊ぶ時のガードが固いらしい。

お外に遊びに行くときは、バスの運転手さんも園長先生も全員総出だったそうです。それぞれの遊具に、一人ずつ先生が立って、危なくないよう見守っているのだそう。思わず笑っちゃいました。
だって私が働いている保育園では、子供の人数にもよりますが、大体ついている先生は二人ぐらいで、ベンチに座って談笑しています。彼女達がずっと立ってるとか、ありえないです。疲れるから。
熟練の先生は同僚としゃべっていても、子供が何処かに行ってしまいそうになる瞬時、即座に察知します。「こっち来なさーい!」と声を掛けることは忘れません。その視覚の広さ、尊敬に値します(笑)。

高い滑り台など、たまに先生が立っていることもありますが、そこら辺は各々の判断によります。日本の保育士さんのチームワークは、素晴らしいですね。

結構謝るらしい。

ノノさんのお知り合いに、現在ドイツで保育士をされている方がいらっしゃって、そのお友達が、日本とドイツの保育園事情が、どう違うか話してくれるそうなんです。 ノノさんのお友達にとって、日本の保育現場は、堅苦しかったのですが、ドイツでは、意見がバシバシ言えるので、気楽に働けるそうです。日本では保育士さんが、気を使いすぎて、鬱になることが多いそうですね。
私のドイツ人の同僚で、鬱で通院している人がいましたが、彼は「病気を持っている僕にもっと気を使うべきだ。」と全体ミーティングの時に、同僚みんなに語っていました。ドイツ人は本当に、何でもはっきり口に出すなあ、と感心してしまいました。
日本では子供が保育園で怪我をしたら、保育士さんは基本謝るものだそう。子供ですし、ちょっとした怪我はするものなので、しょうが無いですが、保育園で何かあれば、全部保育園の責任なんですね。
ちなみにドイツでは、保育士が原因でない場合において、謝ったりしません。というか、ドイツ人は基本あまり謝りません。子供が何をして、どうなったのか、そして保育士がどういう対処をしたのかを伝えます。お母さんがどうすればいいかアドバイスをしたりもします。痛い思いをして可哀想だ、と言ったりはします。

お母さん達が協力しているらしい。

姪っ子のカボチャのコスチュームを見た時、一体これは誰が用意しているのだろう、と疑問に思いました。 日本の行事は手が凝っていますが、それだけ時間も労力も要りますよね。そこにはやはり、保育士だけではなく、お母さん(場合によってはお父さん)も協力しているのですね。
昔、おむつに全部名前書かなければいけないとか、汚れたオムツを持って帰らなければいけない、という話を聞きましたが、そういうことをやっているのは一部の地域だけだそうで、ほっとしました。
ドイツの小学校では親が参加するイベントもありますが、少なくとも私が勤務する保育園では、できる範囲のことをできる分だけやる、というスタイルで、親は出てきません。運動会とは言い難いです。いつもと違う遊びがあって、子供はやりたい遊びのところに並ぶだけです。そういえば、みんなで決まった動きを練習するといった光景は、見たことがありません。
日本の行事は、準備や運営は大変でも、見て楽しめるので、いい思い出になりますね。

そこまでする?

最後にノノさんから伺った面白かったエピソードを一つ。ノノさんのお子さんが通う保育園では、保育園でのお子さんの様子を、お母さんが観察できるよう、変装するんだそうです。保育園に着くと、じゃあこれを着てくださいと変装グッズを渡され、変装したノノさんは、お子さんのクラスで一緒に過ごし、ご飯まで食べたんだそう。それでもお子さんは案外気づかないもので、家に帰って種明かしたそうな。

これはどこの保育園でもやっている事ではないと思いますが、なんとも手の凝ったこと。
保育園での自然な姿を見せたい!という情念を感じます。感心してしまいました。

終わりに。

私たち大人ががどういう教育を受けてきたのか、何を良しとし、何を理想としているのか、ということは、育児や教育にしっかり反映されるのだなと感じました。
みんなで1つのことを作り上げる事は素晴らしい。栄養のあるご飯をバランスよく食べる事は大事だ。毎日お風呂に入って、清潔な格好する事は基本的なこと。親は子供が怪我をしないように、見守っているべきだ。 大人が当たり前とする「こうあるべき姿」は、子供に投影され、子供はそれを吸収して、大きくなるんですね。
その自分達の当たり前が、案外よその国で当たり前でなかったりするわけですが、どちらも間違っていないんですよね。

まあ、自分の当たり前が、当たり前でなかった時、結構面食らいますが。

それもまた味ですね。


最後に今日のドイツ語
Japan
ヤーパン
日本
Jaは「ジャ」ではなく「ヤ」と発音します。
よってNinjaは「ニンジャ」ではなく「ニンヤ」と発音するので、なんだか猫パンチみたいに力が抜けます。レゴのニンジャゴーはドイツの子供達にとても人気があります。ニンヤゴー!

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