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libertytree
#37 偽声
初めて読む本。初めて知る著者。
声優を目指す人達のお話だが、あくまでそれは設定上のことでしかないと解釈している。
彼らがタイムリミットに苦しんだり、先生から言われてその言葉の意味を考えて葛藤したり、続けるか辞めるかの大きな人生の選択をしたり。
これが物語の根幹であるように思う。
私は、名越先生のような先生に教わってみたい。
そして自分もそんな先生になりたい。
役を愛せなかったら、きちんと役を演じることはできない。
自分がやりたくなかった役だったとしても、自分の与えられた役を愛する。そして演じる。難しいことだけれど、それができる名越先生ってすごい人だな、仕事に誇りを持っているんだなと思った。
一番気に入った名越先生のセリフを引用する。
「あなたの言うとおり、僕は僕が言うこと全ては出来ません。でも、出来るから話してるんじゃなく、出来なくても、そうあったほうがいいと思うことを話すようにしています。なぜなら、自分が出来たことだけ言っていたら、きっとあなたたちは僕を越えない。でも、僕はあなたたちには僕を越えて進んでいって欲しい(実際にそうなったら悔しいけど)。だから、僕は自分が理想と思ったことを話しています。 追伸 ホームページを見つけてくれた舞台でやった役は、台詞が七つでした。本当は、主役の敵役がやりたかったです。でも、台詞七つの役を愛しました。俺以外の誰が愛してくれるんだ? と思って」
短編だが、多くの物が詰まった作品だと思った。
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