隣の専門職からの評価

医療、福祉の仕事は、多機関多職種との連携が基本となる。
ここに着目して活躍できることを「掛け算」という。

「掛け算」と「足し算」は、資格取得で良く使われる。
例えば、行政書士と社会保険労務士の資格取得は「足し算」
これは、業務の幅が広がるからである。
幅は広がるが、利益に直結するかどうかは別の問題である。

「掛け算」の例は、行政書士と英語。
外国人のビザ更新など、英語ができない行政書士よりも強みがある。
日本での就労が、外国人に魅力的であれば、この「掛け算」は、複数資格取得の「足し算」よりも、強い可能性がある。
英語で作ったホームページなどがあれば、日本語よりも母国語にも翻訳しやすい。

これと同じことが、医療、福祉業界にもある。
良くあるのが、看護師+〇〇である。
連携室に所属できれば、「退院支援に強い看護師」
訪問看護やケアマネ資格があれば、「在宅に強い看護師」となる。
社労士や司法書士、弁護士なども強力な掛け算となる。

「医療労務に精通した社労士」
「医療に強い法曹界の専門家」

ただ、福祉でいうと、看護師のような「掛け算」には、なりづらい。
さらに言えば、「足し算」にもならないように感じることが多いのではないか。

「退院に強いソーシャルワーカー」、「在宅に強いソーシャルワーカー」といっても、「当たり前」という評価に感じるのではないか。

では、どうすれば、「掛け算」になるのか?

それは、医療系学会で積極的に発表することや、論文を投稿することだと思う。
これができると、隣の専門職から「医療に強いソーシャルワーカー」として評価される。

注意すべきは、同じ専門職からも一流と評価されることとは別問題であるということである。
教授クラスの医師、看護師から、講演会や座長を依頼されるなど、何か「自分ってすごい」と思うこともあるかもしれない。しかし、自分よりもすごい人が、同じことをした場合、相手の方が優れていれば、そのポジションを失い可能性は大きい。


「掛け算」は有効であるが、同時に、社会福祉専門職としての研鑽も併用することも重要なんだと思う。

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