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本当に書きたい事が書けないから、逃げるために書く③ 四女の事

本当に書きたい事が書けないから、逃げるために書く②で書いたように、私は四姉妹の長女、そう、若草物語でいうところの、しっかりものでおしとやかな、メグ。
最近観た映画の・・・・「割愛」

一番下の妹、四女には軽度の障害がある。
小さい頃から、特別学級で過ごし、高校も支援学校だった。
高校は、自分で通える子が通う支援学校。

歳が離れているから、彼女が高校の時には私は一人で暮らしていた。
母から離れるためでもあったけど。
たまに祖母を介して聞く母家族の話には辛いものもあった。

家から学校まで、路線バスで通っていた四女。
近くの高校生とも一緒になるらしく、心無い事を言う奴らがいた。
四女はパッと見た感じでは、障害があるとはわからない。
でもいつも同じバスで支援学校の子っていうのはわかるんだろう。
障害を持ってる子に何言ってもわからないと思っているんのか、よく罵声を浴びせられていたそう。
母がそれを聞いて、そのあんぽんたんの通う学校に電話して、抗議したらしい。
しかし、その校長の態度が本当に人を舐めた態度で、と憤慨していた。
そういう校長の学校(公立だったけど)のやつらだから、何言っても無駄だ。
そう私たちは思えるんだけど、四女にはそこまで理解できない。

四女はその学校の中でも軽度なので、自分で行きたいところに行けるし、友達と約束して遊びにも行ける。
ただ、みんながそうではないことを理解できない。

ある日、友達と映画に行こうと約束をしてきたらしい。
そしたら、その友達の親から連絡があって、うちの子は一人で映画に行かせられないと、怒号された。
母はそれから、四女に、お友達を誘ってはいけないと教えた。
何故なのかわからないまま、四女は言う通りにしている。

高校を卒業し、ほとんどの子が作業場みたいなところで働いたりするなか、四女は、実家の会社に勤務することになった。
とは言っても、出来ることは限られている。
実家の会社は、四女と同世代は一人もいない。
50代から60代の人がほとんど。

四女の通勤は、母が送って帰宅は父に送ってもらう。
だから、出会いもないし、友達もいない。

しゃべるのが苦手で、年齢より理解度が低いってだけ。
得て不得手の許容範囲とも思う。
そんな四女は、私なんかよりケータイに詳しい。
ゲームやアプリとかガンガン使ってる。
だから、仮想空間での知り合いは多少いるっぽい。
この時代に感謝するけど、実際に心が触れ合える友達がいたら、大好きな映画も大好きなスパゲティも、もっと楽しくて美味しいんじゃないかなって思う。

母の事が大好きで、姉妹思いで、甥っ子姪っ子が大好きで、犬好きで、優しい四女の幸せってなにかなって考える。

今日久々に妹に会った。
運動しないし、筋肉がないし、美味しいものいっぱい食べてるから、丸まるとしてきた。
ちょっと運動して痩せなさいって言うと、はーぁいって気の抜けた返事をする。
そして、すぐにケータイの中に行ってしまう笑

彼女の笑顔は幸せそうだけど、時々、わざと笑うことがある。
元気だよ、とか楽しいよって伝えるための笑顔。
人を想って笑顔になる、とても優しい甘えん坊さん。
アタシの若草物語、四女エミリー。

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