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夢を持つこと。〜可愛い長女に捧げる。なんつって。

アタシは、幼い頃から音楽に触れてきた。
近くのオルガン教室に通い、大手音楽教室のカリキュラムを受けてきた。
自然と音楽にまつわる仕事をしたいと思ってたけど、いざ仕事にしてしまうと、義務であり、楽しさがなくなってしまった。

今は、音楽を心から楽しんでいる。
ただの趣味になったから。

でも、多少の後悔はある。
長年続けてきた、自分の得意としていたものは、だんだん得意でもなくなり、絶対音感だけ残っている。

もともと、ずば抜けてるわけでもなかったから、こんな程度であろう、目標で満足していた。

自分が幼き頃に描いた夢は、なぜか看護婦さん。
それは、当時習っていたピアノの絵が描けず、隣の子が描いた絵を真似して描いたから。
もちろんその後も看護士になろうとは、1ミリたりとも思わなかった。

誰の影響かは分からないけど 小学校3、4年で洋楽を聴くようになった。
自由奔放な母は元歌い手。
母の兄(おじ)は、ジャズピアニストだった。

でも、2人の影響ではない。

わたしが好きになったのは、ビートルズ、スティービー・ワンダーなんだ。
それからMJやJBを聴き始め、シンディ・ローパーにハマる。
結構ぐちゃぐちゃ。

中学時代はバンド組んで文化祭に出たりした。
当時ドラムを習っていたので、得意なキーボードではなく、ドラムをやる羽目になった。うまくないのに。

高校生活はとても適当なもので、その後の進路も漠然としていた。上京を反対され拗ねてフリーターになってやると言っていた。


母だって同じくらいの時、女優志望で上京してたのに、思いっきり反対されたのが納得いってなかった。
母は、当時流行りのGSをやっていた叔父と同居だったからよかったんだとか、アタシは絶対流されて終わるだとか、四姉妹の事も考えろとか、色々な理由で却下された。

今ではフリーターも多いけど、昔は、家事手伝いとか言われちゃってた。女子がそれだと、要するに花嫁修行的なね?
花嫁にはならない。結婚願望ゼロだったしね。

やりたいことやって生きたいように生きてる母が、アタシよりうんと広い人脈を使って、母の知人のいる楽器店で働く事を提案してきた。

多少投げやりになっていたアタシは、音楽にまつわることだし、自分のやってきたことが活かせるなら良いかと、楽器店で働くことにした。

ある日の通勤途中に、中学時代一緒にバンド組んでた子に出会った。彼女は公立の高校を卒業し、その高校から入れるんだーって思う大学に入学していた。
私の近況を話した時に、よかったじゃん、夢叶ったじゃんって言った。


あ、アタシの夢ってこれだっけ?


たしかに教えることだったけど、たまたまだったし 、なんにも努力してない。
そう心の中で思いながら うんって言って 笑って別れた。


でもなんか恥ずかしくて。


努力も何もせず、母の人脈で入社して、なんとなく働いてた。
すぐにスランプがやって来て、自分の実力のなさや、楽しかったはずの音楽がものすごく嫌いなものになっていた。

そんなアタシに、夢が叶ってよかったねって言う言葉がとてつもなく恥ずかしかった。

それからは、自分に自信をつけるために、少し努力した。

母になり、子どもたちがそれぞれ夢を語る。

アタシは無理だと思わない。
全力で応援する。


ただアタシの応援が熱すぎて、
可愛い長女には、うざがられた。笑

コレがまじかわいいのよ。
ちっさい頃から、ずっと可愛いって言われ続けて
アタシの中では、この子は表舞台に立って、輝いて生きていく子だって思い込んでた。

そんな可愛い長女の夢はまだ叶ってない。
今は多分、自分の道を見失っているんだと思う。

なんでもいいんだよね。

好きなことを見つけて、それが生きていく糧になってくれたら。

時々思うのは、可愛い長女もアタシと同様
悲しみのヒロインを背負ってるのかなって。

闇を身近に感じてしまったから、
人生に意味をもたせることが難しいのかもしれないって。
夢や希望を持ったって、急に全てを奪っていくんだから。

アタシだってそう思うし、人生長く生きてても解決しないんだから、可愛い長女にとっては、アタシよりはるかに大きい絶望感を抱えているんだとおもう。

その絶望から抜け出すためにも、夢を持って欲しいし、自分が輝ける場所を見つけて、自分の居場所を作って欲しいと願う。

いつか私達のヒロインが悲しみから抜け出せるように。

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