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50歳のパッションだけが取り柄と思っていたフリーランスは何を得て、何を思ったか【掛川東病院指定企画 最終報告】


⚫︎新しい働き方を模索した半年間を終えた私の、率直な気持ち

まずは、率直な気持ちから。半年間では新しい働き方までは見えずだった。
物理的に個人的には期間が足りないと感じた。私は組織を改革したり、職場づくりを生業としているのでその部分では成果、結果として得るものは自分としては無かったと反省の意味で感じている。だからこその少しの不完全燃焼感は否めないし残念に感じている。

では、不毛で終わったのか・・・

それは違うのである。
よろしければ過去から遡り私の研究期間をご覧ください。

希望に満ちて参加した研究計画

少し現実が見え始めた中間報告


⚫︎新しい働き方の代わりに見えたもの

前段でお伝えしたのは「新しい働き方」、言い換えると私にとって新しい仕事、新しい職種、においては見つからなかったものの、「今までやってきたことをやり続けること」の大切さに気がついた。
私は元来飽き性なところがあって、行き詰まると乗り越えるというよりは、乗り換える方が多い。
悪いことばかりでもないけれど、乗り換えたあと、未練が残ることもあるわけで、今回も実は自分の中で「乗り換えるもの」を見つけるために研究員として参加したと気がついた。
しかしながら、実は人知れず考え抜いて考え抜いて、どうにかこの短期間の中で病院のスタッフと絡むことはできないか。
人材育成とまでは信頼関係は出来上がってなくても、それこそ今までの経験とお得意のパッションでなんとか・・・

⚫︎「お手あてハンドケア研修」とはなんだったのか 

実施に至ることができたのは強力な協力者のおかげ

掛川東病院のスタッフと絡める糸口を探した結果、比較的気軽に、高齢の方や長期入院の方、施設入所者に施せる「ハンドケア」を思いついた。
「お手あて」という言葉は、私のことを赤ちゃんだった時から知っているICUの医師から言われた言葉からとったもの。

「りかっち(そう呼ばれていた)、医者は手を当てないといけない、患者さんに触れることこそ、最高の手当て(治療)なんや」

そこで生まれたのが「お手あてハンドケア研修」ハンドケア研修というとハンドケアの手技を教える研修と思われると思うので、改めて説明すると、これはハンドケア手技を教えることよりも患者さんに「触れる」ことの大切さと「気遣い」を学んでいただき、また、教えあうことでチームビルディングに繋がると思い考えたもので掛川東病院が初の試みとなった。

とはいえ、なかなか初めましての人が来て、受け入れも難しければ一緒に取り組んでもらうのは難しいだろうと思っていた。
病院内の高齢者施設にお邪魔し、スタッフの方に半ば緊張しながら挨拶して、テキストを置き、
「では私が、ハンドケアをやってみますね。」と始めたら、入所者の方に待ってくださる方がいるくらいで、到底一人じゃできないかも・・・と思った時、
ナースやスタッフのかたが自発的に、置いてあったテキストを手に取って、テキストを読みながら一緒にハンドケアに取り組んでくれた。

その時、私はなんとも言えない嬉しい気持ちと感動で涙腺が潤みそうだった。
これがまさに私の目指してきたチームのあり方、仕事への取り組み方「自律型」だった。


写真:掛川東病院 宮地紘樹院長 

そして、このハンドケアに接し、実施を可能にしてくれたのは、この指定企画に一緒に参加していた仲間たちのおかげだった。
私は触れる時の気遣い、特に言葉遣いや所作は経験上知識はあるものの、より専門的にとなるときちんとした知識を得たかった。
仲間には作業療法士のみねこさんがいたので、夜分遅くオンラインで教えていただきながら進め、見やすく、親しみやすいテキストが必要、となった際には、ブックデザイナーのイチハシアイさんがそれはそれは、手際よくそして優しい仕上がりにしてくれたのだった。

テキストの壁を越えることができたのは他でもないこのお二人の協力あってこそ。
そして、当日の周知のポスターを作ってくれた掛川東病院のスタッフ、受け入れをOKしてくださった宮地院長にも大変感謝している。

病院スタッフが作成してくれた当日のポスター

⚫︎私の実験結果、私に起こった感情の変化

ハンドケア研修のほかに、掛川東病院で開催された「希望の丘マルシェ」にも参加。私は院内でスタッフ向けに再度ハンドケアをする機会をいただくことができた。側には研究員の仲間もいて、心強く感じる。

希望の丘マルシェの模様はこちら


「仲間がいて、よかった」
は、長年一人でやってきた私にとってちょっと新しい感情だった。
50歳にもなって、そんなこと思えないのかと思う方もいるかも知れない。
でもこれが私の一番の変化なのだ。
私は、度々色んなところでお伝えしているけれど、好きでフリーランスになったわけではない。どこかに所属することが不得手。それがフリーランスになった大きな理由。そんな私が、今回同じくフリーランスである仲間たちに支えられ、知識も、スキルも、まさに奉仕の心で提供してくれる。

フリーランスは油断すると搾取される。値切られる。
そう悩む人も多くないと思う。
少なくとも私はそうで、
give and take なんて言うけれどgiveばっかりで、もう疲弊していたのも事実だった。
それなのに・・・
仲間のフリーランスに何度も
「でも、お金もお支払いしていないのに」と伝えても
「いいんですよ、私も経験なんだから」と返してくれる。
自分が恥ずかしいくらい、仲間のgiveに対しては頭が下がる思いだった。

この気持ちを感じることができたのは
私にとっては大きな大きな成果だったのだと思う。

⚫︎最終報告まとめ ありがとうみんな

◾️経験とパッションだけ・・・これこそが必要だった。パッションしかないんで。が口癖で予防線だったけど、必要でしかなかった。

◾️病院スタッフの支えになれたか・・・なれたかなれなかったのかはどう思われたかによる

◾️病院発で地域を盛り上げることができるか・・・これからも関わりたい

◾️キャリアアップと案件獲得に至るのか・・・今はまだわからない

フリーランスである以上、案件獲得、仕事ができることは大切なことであって、
仕事の獲得に繋がったらいいな、と思うことは悪いことではない。
でも、
いつの間にかそこばかりが大きくなっていて
協調性、仲間意識などがどこかに行ってしまっていた。

それに気づかせてくれたこと。気づいたこと。
人生半分も生きてきた私に芽生えた新しい気持ち。

「仕事の案件獲得」につながりました!!
はもちろん最高かも知れないけれど・・・

私は、この半年が最高に心満たされる期間だった。

ありがとうみんな。
ありがとう掛川。
ありがとう掛川東病院。

願わくばまた集えますように




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