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人材の採用は永遠の課題

会社員時代の話です。私は人事担当でした。その際、採用も担当しておりましたので、その経験から考えを述べたいと思います。私自身、採用に関して正解や統計があるわけではないのですが、試行錯誤した様子をお伝えします。もう退職しておりますので現時点でのことではありません。

新卒社員については会社説明会から採用、内定者フォロー、入社後教育、研修という業務です。また、様々な業態の店舗も運営していた会社だったので、現場でアルバイト採用に携わる店長や、リーダー職に採用の基礎知識として研修もしていました。新卒社員と、アルバイトでは採用基準も違います。

今回は新卒社員について。私が勤務していたのは某電鉄会社が親会社の企業であったため独特の志望理由を挙げてくる方もいました。明らかに親会社には入社できなかったからグループである当社に志望してきたと隠している方と、はっきりおっしゃる方がいました。これについては結果から申し上げるとどちらの方もこの理由で入社に結びついた方はほぼいませんでした。グループ名で選んでいることがはっきりしているからです。ただ、応募してきた方ではっきり「●●グループだから」ということが採用側からするとプラスに転じると思っている方も多かったようです。確かに、グループを愛してくださるのは有り難いのですが職務内容や当社にどれだけ興味があるかということが大事であるからです。

私のミッションは面接官というより面接の部屋に入るまでの、応募者のチェックが大きな役割でした。面接官の前の態度と、それ以外とでは差がある方も少なくありませんでした。電話連絡の際の話からから始まり、外で待っている際の態度をしっかり見ていました。そのため、面接後、面接官と私と同時にすり合わせをすることがほとんどでした。面接官に、待っている間の様子を伝えると驚くケースが非常に多かったです。平気で他の企業に行きたいけれど、数のうちで受けた、と他の学生と喋っていた方も少なくありません。また、面接官には人によって大きな差が出ないよう、一次面接ではある程度指標となるチェックリストも設けました。その中で重要視されていたのは「話が上手にできる」というよりも「目つき・顔つき」、「素直さ」が重要視されていました。よく「リーダーシップ」を加味される企業もおありかと思いますが、私たちはそちらは、新卒社員に対して大きくは望んでいませんでした。入社後、その辺りが培われていくと考えていたからです。

質疑応答が流暢であっても必ずしも良いわけではなく、不器用でも数ある企業の中から当社に入社したいという情熱は「目つき・顔つき」に現れるものです。

そして面接官が一番大切にして欲しいのは、容姿や身嗜みも確かに大切なのですが会話をしていて少しでも違和感を感じるようであれば無理して採用することは控えた方がいいかもしれません。これも説明できることではない、具体的なものではないので申し訳ないのですが・・・

正直、面接そのものだけで「素晴らしい人材」「辞めない」「活躍してくれる」を判断できるのは非常に難しいと思います。その際は入社後のケア、教育で成長できるであろうという伸びしろを感じる方を採用するのも一つ方法だと思います。

入社後一年経って、残っている新卒社員の数に愕然とした数年でした。

一番してはならないことは直感に逆らい、無理して採用すること。ダメもとはダメで終わることが多いと思います。

人の採用は私にとって永遠の課題でありながら、ご縁が繋がっていくことなので頭を抱えながらも携われたことは非常に良い経験となりました。

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