マガジンのカバー画像

101
自由詩を書いてます。
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

ナマケモノ

ナマケモノ

そんなことしてるとナマケモノになるわよって
子供の頃よく言われた言葉
ナマケモノは逆さま生活者
ナマケモノはほとんど寝てる
ナマケモノは優しい
ナマケモノは笑う
ナマケモノはナマケモノ

だけど、ナマケモノから学べること
じっと見てじっと待つ
動揺しない
ナマケモノはどしゃ降りの雨が降っても濡れない
大けがしてもすぐ治る
驚異的な生命力

いつも寝てるからかな
ゆったり
のんびり

夏みかん

夏みかん

カーテン開けたら東京も雪
橙色の実が目に入る
夏みかん?

雪桜は美しい
桜って女性のよう
花びら重いのよ〜って聞こえてくる
儚気で、美しいのに悲しくなる

夏みかんは男性のよう
季節外れの雪が降ったって
俺は夏みかんだぞ!
って笑っていそう

つぼみ

つぼみ

霧雨を顔に浴びて
落ちてきそうなもこもこさくら
子どもはピンク
大人はホワイト

小さなつぼみが可愛いな

カラー

カラー

髪切った
髪は切らないで下さいって言ったのに
カラーだけしたかったのに
春色にしましょう

光ってた髪がピンク色になった
母の光ってる髪を見つけるのが好きだった
全部光った姿が見たかったな

春を先取りですねって
雪が降ってもピンク色

undefined

ひよこ

ひよこ

ひよこがまだにわとりだって知らなかった頃
ピンクのひよことブルーのひよこ
初めて飼ったペット
お祭りでねだったひよこ

逃げないように洗濯かごで蓋をした
夜に飼って朝には死んだ
生き物が死ぬって初めて知って
目をつむったひよこ

目をつむると
やっぱり雨だった

おとうと

おとうと

おとうとのプロフィール画像が文鳥になった
可愛いねって言ったら
可哀想なんだ
なんで?って聞いたら
いつも一人だから

おとうとは夫だしお父さんだし
犬も魚もいる
なのに淋しいのかなって心配になって

そうだ、つがいで飼えばいい
わたしは十姉妹が好きだけど
ツボ巣の中で重なって
一羽が水浴びするとみんなつられて
機嫌がいいと歌いだす
歌はみんなバラバラで
顔もみんなバラバラで
大好物はハコベ

もっとみる
亀は万年

亀は万年

ずっと生きていきたいな
あの人とも
この人とも
あの人とも
この人とも会いたいし
笑いたい

間違ってるのかな
間違ってるのかもしれない
間違っててもいい

ずっと生きていきたいって思うから
きっと間違ってない
のろのろでも
のろのろでいいかな

亀は万年

桜茶

桜茶

熱いお湯に塩で漬けられた桜をふんわり
桜茶
桜の匂い
いつ咲いた桜
どこで咲いた桜

二日酔いに桜

ショートブレッド

ショートブレッド

深夜にこっそりショートブレッド
よく食べるね〜
次男に見られた
そう、わたしはダイエット中

美味しかった?

Walkersのショートブレッドは
お母さんの思い出の味で
独身時代は忙しくて
時間が足りなくて
有楽町線の乗り換えの階段で通る
有楽町そごう
電車の時間間に合わない
目につくWalkersの赤い箱
パッと近寄って
サッとお金を払って

満員電車に一時間半揺られて
真っ暗な坂道を自転車で

もっとみる
散りたくない

散りたくない

陽射しが気持ち良くて
ウイルスなんて嘘みたいな

最後のひと葉
オー・ヘンリーのは落ちないようにって
優しい本

昨日から頑張っている最後のひと葉
わたしはミノムシがいたら面白いなって

この先の社会はどうなるんだろう
虫は虫のままで
人は人のままで

散りたくない

窓

暖かい春昼
約束のない日
家事日にしよう 
ガラス磨こう

ガラス磨きって難しい
仕上げの乾拭き
キュッキキュキ
表を拭いても裏が曇る
曇った世界

見上げたら拭き残し
届かない

かばん

かばん

どんなかばんにしようかな
記憶のかばん
たまに取り出して
捨ててしまう嫌なこと
捨ててしまう悲しかったこと
あの人の笑顔
もうこの世にはいなくても
かばんにちゃんと詰まってる

今いる人たちの笑顔
思い出した瞬間から記憶のかばんに放り込む

どんなかばんにしようかな
グリーンは爽やかな
ホワイトは綺麗でけがれのない記憶
ピンクは甘くて
笑顔のかばんはあふれてしまうから
風通しの良いバスケットにしよ

もっとみる