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#11「美容室」

 時に皆さん、おしゃれは楽しんでいますか?
 大きなお世話だと言われても無理ないのだけど、僕がおしゃれを楽しめるようになったのは割とつい最近の話だと、この間ふと振り返って気づいたもんで。
 そして、その大きなトリガーとかではないんだけど、自分の身なりを気にする上ではむしろずっと変わらないベースのような位置どりを僕の心の中でしている存在が、美容室だ。

 今日は僕の美容室遍歴をお話ししようと思う。

 小さな頃は、親自らバリカンを持って散髪してくれていた記憶がある。漠然としていて定かじゃないが、白いあのマントみたいなやつをかぶって、床一面に髪の切れ端を撒き散らしている映像がうっすら頭にあるので多分そうだ。時期的な記憶も微妙だが、小学校くらいまでその時期は続いてたんじゃないかしら。
 いつからか、意識的に美容室を探していた記憶がある。中学生の頃にはもう口下手が始動していた僕としては、ソリの合う美容室に出会うのにも時間を要した。近場を数件転々とし、何回か利用したが、美容室特有のあの美容師さんとの絶妙な距離感が苦手で、それを縮められるはずもなく、おまけに出来た髪型もそこまで好みじゃなく、ひとつの店舗に定着することはしばらくなかった。流浪の民だ。

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特に有益な情報はありませんが、読んだ方にとって普段目も向けないような他愛のないもの・ことに改めて触れるきっかけ、あるいは暇潰しになったら幸いだなと思っています。

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