元コンサルが挑む、「旅行業界」裏側の改革
こんにちは!令和トラベルという旅行スタートアップで、基幹システムのプロダクトマネージャー(PdM)をしている小西です ✈️
「NEWT 1week Calendar」と題して、「#私のあたらしい××編」をテーマに、様々なバックグラウンドを持つメンバーがリレー形式で記事を書いていきます🏃♀ そして本日、QAエンジニア 兼 エンジニアリングマネージャーのmiisanからバトンを受け取りDAY6 「#旅行業界の裏側で奔走する、私のあたらしい挑戦」です 🔥
さて、みなさんは“旅行業界”と聞いて、どんな仕事を思い浮かべるでしょうか?
旅行業界と一口にいっても、取り扱うサービスは航空券、宿泊、パッケージツアー、クルーズ、レンタカーサービスなど大変幅広く、その分職種も多種多様です。
その中でも今回は、かんたんに海外旅行を予約できるアプリ『NEWT(ニュート)』のカスタマーサポートや、そんなNEWTで予約いただいた旅行を手配する、旅行手配業務の裏側について、私の一見ちょっと変わったキャリア変遷も交えつつ、お伝えしていきます。
令和トラベルやNEWT、旅行スタートアップに興味をもってくださっている方はもちろんですが、特に、
という方にお役にたてる内容になっているかと思うので、ぜひ最後までご覧いただけるとうれしいです!(♡ぽちっともお忘れなく😉)
まずはかんたんに自己紹介を
さて、冒頭から意気揚々とPdMを名乗りましたが、実はこの職種についたのはつい1ヶ月ほど前からで。
令和トラベルには、2023年1月 トラベルコンシェルジュ(海外旅行のコンシェルジュ)として入社をしています。いわゆるCS(カスタマーサポート)や、旅行のご提案、その後の手配から帰国後までのサポートをしていました。
トラベルコンシェルジュについては、以下の記事や対談をご覧いただくと、イメージが湧きやすいかと思います。
令和トラベルに入社する前は、アクセンチュアというコンサルティング企業で、主に金融業界の企業様向けにCRMシステムの導入や切り替え、業務効率化のサポートなどをしていました。そのため旅行は大好きですが、仕事として旅行業界に関わるのは初めてでした。
入社後は、トラベルコンシェルジュとして数ヶ月ほどCS業務を経験した後に、お客さまと直接やりとりするよりも1歩中に入った、予約後の旅行手配業務を兼務。その半年後に基幹システムのPdMへ異動となり、今に至ります。(なぜこんなにも転々としているのか、その真相は後半で明らかに‥?)
お客さまに旅行を届ける、その裏側で待ち受けていた試練
今、この記事を読んでくださっている方が旅行業に就いたことがなくとも、きっと旅行の予約フローについてある程度はイメージが湧くと思います。私自身「ちょっと手間のかかる作業」程度の感覚でした。
しかし実際に業務をしてみて、旅行の予約をいただき、手配をして、無事に何事もなく帰国いただくことは想像以上に大変で、煩雑な部分が多い事に気づかされました。
もちろん、自分自身の旅行ではないからこその重みゆえな部分もありますが、それ以上に業務としての複雑さがあります。8〜9ヶ月ほど経験することで感じた難題を大きく分けると「業務ステップの多さ」と「間違えられないけど手作業」という2つ。
とにかく覚えることが多すぎる
まず前提として、今の令和トラベルにおけるトラベルコンシェルジュ・手配チームは、いずれも旅行先のエリアや、業務内容に応じてチーム内の体制を分けていません。
スタートアップという規模感なので属人化させたくない、という気持ちもありますが、何より予約ボリュームが急に増えた等、突然の外部要因による環境の変化に対しても、機動性高く対応できるという理由から、全員が基本的な業務すべてをできる体制になっています。
その上で、CS業務であれば、お客さまからいただくお問い合わせ内容は多岐に渡ります。
そんな様々な内容に対して的確かつ素早く対応するには、渡航先に関する知識はもちろん、販売している商品の内容や、社内の基幹システムの使い方、トラベルコンシェルジュ内で統一している対応方針を把握しておく必要があります。
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また、旅行手配業務はというと「予約が入ったら手配をいれて終わり」という訳にはいかず、以下のようなステップを踏みます。
お客さまからの予約内容の確認
お支払いは完了しているか
お客さまの姓名順、スペルは間違っていないか
手配
GDSと呼ばれる世界共通のシステムで航空券を手配
商品企画・造成時に決められた仕入れ先へ手配依頼
回答書チェック
手配内容のWチェック
手配先からの予約確認書の確認
ファイナル・発券
手配の最終確定
GDSで航空券の発券
NEWTアプリへ予約内容・最終旅程表の登録
手配先からの請求書対応
さらに、各ステップ、手配先に応じて対応方法が異なるケースもあります。
例えば「手配依頼」はメールでするのか、専用サイトがあるのか、「ファイナル」は決められた期日で手配先が自動的に処理をするのか、こちらからファイナル依頼の連絡をいれるのか、など。
話し始めるとキリがないのですが、それらのパターンを全て覚えなければいけません。
何より、絶対に間違えられない重圧
当然ですが、どれだけNEWTで予約をしていただいても、手配プロセスの中で誤りがあると予約いただいた内容をお客さまにお届けすることができません。特に航空券は厳しく、名前のスペル1つ間違っているだけでも搭乗ができないなど、最悪、旅行自体に行けないこともありえます。
しかしながら先に書いた通り、手配業務は業務ステップが多い上に、その多くは手作業・目検で行われていました。
例えば、
さらに、自社の基幹システムだけでなく、NotionやGoogleスプレッドシート、メールなど複数のツールを跨いで作業する必要があり、時には二重管理になるなど、より一層ミスが起きやすい環境になっていました。
そんな難題に立ち向かっていく
では、どう乗り越えるか?
課題感を肌で感じたことで、取り組んだのは大きく分けて2つ。
1. 業務オペレーションの形式知化
私が入社して間もない頃は、トラベルコンシェルジュ・手配チームともに比較的ミニマムな体制だったため、わからないことがあれば隣に聞けばよく、良くも悪くも問題がない状態だったように思います。
しかし、コロナが収束し始め、海外旅行需要が回復に向かうなど、大変ありがたいことに予約ボリュームが増えていくにつれ、組織も拡大していきます。メンバーが増えたり体制が変わったりすることで、人によってやり方が違ったり、チーム内で同じことを何度も確認してしまったり、ひいてはそれがオペミスに繋がるケースも出てきました。
幸いにも私自身初めての業務ばかりだったので、丁寧にレクチャーをしていただく機会が多く、レクチャーやオンボーディングをうけながらドキュメント化を進めました。
また、日頃業務をしていく中でも「こういうときってどうするんだっけ?」という会話があちこちで生まれます。マニュアル化されていないこともたくさん出てきます。
それが超極端な事例であれば、その場の対応だけで問題ありませんが、大抵のことはまた後日同じようなことが起こるので、方針を決めて周知します。この周知がまたミソで、令和トラベルは基本的にSlackでのコミュニケーションです。
一方で、Any-Any(Anytime-Anywhere)という福利厚生制度もあり、自由と責任のもと働く時間や場所に制限がありません。業務形態もフルタイムだけでなくPPさん(令和トラベルでは業務委託契約の方をプロパートナー、略してPPさんと呼びます)にも支えられており、海外在住の方も多くいらっしゃいます。
そのため、Slackで周知するだけだとどうしても流れていってしまい、見ていなかった!ということもありえるのです。
そこで、必ず3段階の方法で行うようにしていました。
少し過多にみえるかもしれませんが、毎回1から新しいことをしている訳ではないのであまり工数をかけずに浸透率をあげることができています(むしろSlackアナウンスだけで済ませて浸透せず、コミュニケーションコストが生まれるよりはるかに良いです)。
きっと業務マニュアルを1度でも作った事がある方なら共感いただけると思いますが、ドキュメントを作り、形式知化していくことは骨の折れる作業です。ましてや、実際に業務をしながら作成するとなると「これはまた今度作ればいいか」と後回しにしたくなる気持ちに押し潰されそうになります。
しかし、1度強い気持ちをもってドキュメント化することで、対応がわからなくなったときに振り返りやすく、チーム内で同じような確認が何度も発生することを避けられますし、他のメンバーへレクチャーするときも一貫した内容をお伝えできます。
そして、形式知化には副産物もあり、これまで感覚的にやっていたり、暗黙知になっていたフローをいざテキストに書き落とすと、
💡 もっとこうした方が効率的だしミスもなくなりそう
💡 この作業、人によってやり方が違ったかも
といった、無駄や改善ポイントが見えてきます。そこでまたオペレーションを見直し、運用してみる、というサイクルも回すことにも繋がっていきました。
2.ツールの集約と、手配業務のデジタル化
予約ボリュームが増えていくなかで、業務オペレーション的にも、ツール自体のデータ量的にも、手配情報管理の限界を迎えつつあったため、基幹システムへ移行することになりました。
具体的には、以下のような移行です。
📝 元々の管理方法
Googleスプレッドシート:手配情報 + 一部タスク管理
+ Notion:一部タスク管理
+ 基幹システム:最終工程(お客さまのNEWTアプリへの情報反映)のみ
📝 移行後の管理方法
基幹システム:手配情報 + Notion:タスク管理
移行といってもただ単に、スプレッドシートと同じようなUIを作り、情報管理体系をかえるだけではありません。
手配着手段階から基幹システムを使って操作するため、業務フローそのものの再構築
タスク管理方法の見直し
従来、記録毎のタスク・タスク別でのステータスしか見えなかったところを、担当者割り振り・分担しやすい形式へ
さらに、色々な切り口でタスクを絞りこんだダッシュボードを作成し、タスク管理を簡単に
システム間での自動連動処理を追加し手作業を軽減
基幹システム側があるステータスになったら、タスクのステータスを変える等
その場しのぎではなく、抜本的な改善をプロダクトチームと連携して進めていきました。
また、ここまで大規模で開発が必要なものでなくとも、日頃の「ちょっと手間だな」ということを、自動化ツールで改善してみたり(こういうときに唯一、自分の面倒くさがり屋なところが活きるなと感じています 👼)。
結果的に、2023年上半期では期初の手配工数と比較し、54%削減することができました 🙌
ここまであたかも「私だけで取り組んだ内容!」くらい大きな顔で書きましたが(笑)、当たり前ながら1人で取り組んだわけでは決してなく。トラベルコンシェルジュ・手配チームやプロダクトチームとの協業があってこその取り組みであり、結果でした。
そのなかでも、
業界未経験だからこそ、良い意味で「業界の当たり前」がわからなかったこと
前職で、システム開発における要件定義、エンジニアとのコミュニケーションの経験が少なからずあったこと
が、武器になったなと思っています。
ITコンサルから事業会社、しかも未経験の業界・業種というキャリアチェンジではありましたが、結果的に点と点がつながる感覚が自分の中にありました。
そして、冒頭の自己紹介に戻るのですが、トラベルコンシェルジュ・旅行手配というビジネスサイドから、そんなビジネスサイドがユーザである基幹システムのPdMへ異動という、自分の中でもぼんやり想像していたような、そんなキャリアを歩むきっかけになった機会でもありました。
令和トラベルで成し遂げたいこと、NEWTの未来
そんな経緯でPdMになった今、目下やりたいのは、デジタルの力を活用し、より一層業務の自動化・効率化を進めることです。
やはり近くで働くメンバーが「便利になった!」と喜ぶ姿を見るのもやりがいがありますし、前職ではなかなか出会えなかった場面でもあります(前職は大規模プロジェクトの開発フェーズだけに関わることが多く、運用されている場にいるケースはレアでした)。
また、基幹システムはトラベルコンシェルジュ・手配チームのみならず、商品企画や造成をするツアー企画チームも利用しているため、トラベルコンシェルジュ・手配以外の業務についてももっとデジタル化を進めたいです。
ツアー企画チームと基幹システムの関わりについては、こちらの対談をご覧ください 🧚
ただ、とはいえ「作業工数がXX%減った」で満足するつもりはありません。
単純な業務効率化であれば、令和トラベルじゃなくてもできます。
根底にあるのは、自分自身が旅行に魅了されているからこそ、もっといろんな人にその魅力を伝えたいし、NEWTがその役割を担うプロダクトであってほしいという想いです。
業務の自動化・効率化はあくまで手段であり、そんなプロダクトをつくるための土台です。
いまは「人がやらなくていいこと」をシステムへ置き換えている状態。
デジタル化によって生み出された時間は、もっと人でなければ対応できない、システムには置き換えられない価値のある業務へあててもらう。
さらには、システムでしか実現できないことも使って、デジタルトラベルエージェンシーならではの価値を創出できるような基幹システムを、旅行業界の裏側を創っていきたいです。
“NEWTだからこそできる”をもっと
単なる「旅行予約アプリ」ではとどまらない「NEWTだからこそできた、NEWTじゃないとできなかった」体験を届けられる、「旅行はNEWTがあれば十分だよね」といってもらえる、そんなプロダクト創っていくには、まだまだ仲間が必要です‥!
この記事を読んで少しでも令和トラベルに興味をもっていただけた方は、ぜひご連絡ください✨
そして、明日はついにNEWT 1week Calendarの最終日!
令和トラベルがミッションとして掲げている“あたらしい旅行を、デザインする。”が実現する世界について、しのさん(代表 篠塚)とたむちさん(CHRO 田村)がアツい対談を交わしております。お楽しみに!
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NEWT FES クリスマスセールも間もなくスタート🎅! とってもおトクなので要チェックです 👀🎄
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