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「バーレスク」観賞録
明け方に目覚めてしまい作業するにも気が乗らないので映画観賞した。かといって長く重いのは二度寝の危険性があるし疲れるのである意味で“ちょうどいい”のが観たかった。この映画は83分と短くテーマが壮大では無い、が、日常と非日常を行き来できてとても心地よかった。しかも観賞後は見事に二度寝することが出来た。
チェコ語であり余計な詮索しなくて済み、決して満足とはいえない字幕も明け方の私には上手い具合に作用した。明確に文章化されない会話は想像を掻き立てられ、登場人物の感情の機微を自分の事のように感じることが出来る。想像の余地を残してくれる作品は心に残りやすい。
見た目が周囲とは異なる人物の物語。主人公はふくよかだがストリップを経験し自分自身を受け入れる。よくあるストーリーではあるが、このよくあるストーリーを新しく見たい時があるじゃない。私はある。
ストリップは非日常ではあるがさほどエロティックには描かれておらず、むしろ日常を変化させる材料でしかない。自分を受け入れるきっかけなんてひとそれぞれだ。
この映画が美しいのは、「周囲と異なる見た目」の種類として主人公であるふくよかな女性や疾患のある男子生徒だけでなく、妊娠した女性と痩せて美しく艶やかな女性が登場することだ。一般的には羨ましがられる「差」を持った人間だって苦悩は抱えているものだ。そして打ち明けにくい。
それぞれに苦悩は降りかかる。主人公や男子生徒は苦悩を吐き出しているが、妊婦と美人の女性は弱音を吐く描写が少ない所に上位の「差」の哀しみがある。
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