『FFピクセルリマスター』はRPGできない僕に丁度いい
これを読んでいる方のほとんどはおそらく、RPGというゲームジャンルに抵抗がないであろう。
RPGというジャンルは『D&D』などのアナログゲームに始まり、現代の「ゲーム」文化そのものを発展させてきた立役者である。
だが、僕はRPGができない。
いや、別に嫌いではない。むしろ大好きだ。幼少時代は『ポケモン』の愛らしさ・格好良さに何度ときめいて、『ドラゴンクエスト』で躍動する勇者たちの勇姿に何度胸躍ったことだろう。
RPGが僕に示してくれた夢の世界は、僕を健全な中二病にするには充分すぎた。ただ…
それらを全くクリアしていないことを除けば。
そうだ。僕はRPGが好きだが、RPGのプレイヤーではない。これは大きな違いだ。
僕が胸躍り、ときめいたRPGたち。そのどれも、クリアの夢は叶わず攻略本を読んでやった気になる始末。空気缶買ってハワイ行った気になってる人みたい。
もちろんこの習性はコマンドRPGに留まらない。
オープンワールドの名作、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』。もちろん僕も発売した2017年に購入したわけだが…
クリアしたのが2023年。しかも、一つ目の神獣を攻略したのすら2023年。
6年待ってくれる厄災ガノン優しすぎない?
…そう。僕はもはやゲームをクリアすることを諦めていた。クリアするために遊ぶ、というゲームの基本的な要素を無視して、ひたすらゲームクリアから逆走していたのだった。
そんな中途半端を地で行く僕のRPG観が変わったのは、今年に入ってだった。
スクウェア(現スクウェア・エニックス)が世に送り出した名作RPGシリーズ『ファイナルファンタジー(FF)』。驚いたことに僕はそれまでFFというシリーズに一度も触れたことがなかった。
まあ、典型的な任天堂キッズだった僕にとって、PlayStationばかりで新作を出していたFFとは縁もゆかりも無かったので、当たり前と言えば当たり前なのだが…
そんなFFがNintendo Switchで遊ぶことができるのを知ったのは今年に入って。
それが『ピクセルリマスター』。
ファミコン、スーファミのスクウェア黄金時代を彩ったFFシリーズ6作品を令和に蘇らせたリメイク作であるが、たまたまその日はセール中で、FF1が1000円とちょっとで買えたので気まぐれに遊んでみることにした。
!?!?
ゲーム始める前にいきなり職業選択…!?楽しいに決まってない!?
ルイーダの酒場とかダーマ神殿で職業選ぶのもいいけどさ、「ニューゲーム」でいきなりキャラメイクするのは流石にワクワクしちゃうじゃん。
あれ、もしかしてこのゲーム楽しい?
これでつまらないわけがなかった。
そして、僕がこのゲームを続けられた大きな理由にして『ピクセルリマスター』最大の良心、「ブースト機能」。なんとこのゲーム、獲得経験値・獲得ギル(お金)を自由にいじることができるのだ。
ありがとう、スクウェア・エニックス。
先程言いましたね、僕はRPGができないと。その要因の一つに、「レベリングが面倒くさい」という点が挙げられます。THE・令和っ子。この怠惰の化身はあろうことかRPGの醍醐味を全否定していたわけですが、
ありがとう、ありがとう。
控えめに行って大異変。天変地異。こんなことが人生で起こり得ると思わなかったですよ、全く。
LV99ってどのRPGでも見れる幻かと思ってました。
そう、『ピクセルリマスター』の良いところはここ。30年以上前のゲームでも令和っ子が遊べるような調整を施し、なんとかゲームを続けられるように作っている。『ピクセルリマスター』が「丁度いい」のはまさにここ。
昔のゲームだからこそ、現代でも遊ぶ意味を作り上げたことこそが最大の功績なのです。
そして、「丁度いい」のはなにもブースト機能だけじゃない。
この画像を見てほしい。
「エーテル」。FFではおなじみのMP回復アイテムですが、原作であるFC版『FF1』にはこれがなかった。
後年のシリーズでは必需品といえる最重要アイテムが、存在しなかったのです。
さらに、この「エーテル」が素晴らしいのはその値段。一個150ギルという安さ。
この値段なら中盤以降は余裕を持ってストックできますし、なによりエーテル一つあるだけでダンジョンがストレスフリーに進められる!
このゲームをやっていて、「エーテルなしでクリアって本当にできるの…?」と疑ってしまう程でした。うーん、現代っ子。
エーテルの例を見ればおわかりでしょう。
ここまで僕が伝えてきたように、1から10まで全てをお膳立てしてくれる『ピクセルリマスター』だからこそ、RPGのできなかった僕がLV99でクリアする夢を果たすことができたのです。
僕の叶わないはずの夢を叶えてくれる。サービスが手厚すぎるくらいが僕には「丁度いい」ゲームだったのです!
…あなたも『ピクセルリマスター』、やってみませんか?
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