RとGとBに関する日々の覚書の連続

米澤一平氏との共同製作/パフォーマンス『口実、通過、階調』(2020.11.11@喫茶…

RとGとBに関する日々の覚書の連続

米澤一平氏との共同製作/パフォーマンス『口実、通過、階調』(2020.11.11@喫茶茶会記)をつくるにあたって始めた交換日記のようなそれぞれの記録の続き。管理人である内田涼の呼びかけにより記事が増殖中。

最近の記事

RとGとBに関して2020.12.11

2020.12.11 瀧瀬彩恵  >>> R: 台風が少ない年の秋は山が燃える。修正そして脱字誤字。ロスコ。無限の鳥居。あなたは全く関係ないの。口もとに引くのは魔除け。アン。船の上の狂気の群衆。滲んで初めて気づく切り傷。本当からかけ離れて遠い。6月18時にかかる光線。トマトよりもビーツ。太陽に向かうまぶたの裏。 G: 和菓子は単品で食べるものではない。皐月薫る。なんだかんだ資源消費の口実。永住権。透き通りすぎた湧水の底。イングランドのリュートの調べ。黒髪の極み。冬の切

    • RとGとBに関して2020.11.24

      2020.11.24 内田涼  >>> R: 5月、オオゼキで買ったパプリカを半分に切って、そのまま土に埋めた。うまくいけば芽が出て花が咲いて実がなって熟れて収穫に至るだろうということで。 7月、忘れた頃にようやく芽が出てきた。わざわざパプリカのイラストまで描いて添えたガーデニングピックも泥まみれになっていた。綺麗にして立て直し、小さな芽を間引きしていく。 8月、明らかに成長が遅く、未だに花も咲かない。実家のパプリカはもういくつか収穫したようだし、矢田さん家からも赤や緑

      • RとGとBに関して2020.11.23

        2020.11.23 秋山実生  >>> R: 赤はなんとなくもたされるもので、選ぶものではないと思っていた。 自分の色ではないとも思っていたが、最近になって似合うと言われる機会も増えた。 ふいに自分の色になってくれそうな気もするし、なんというか、「いる」かんじがする。 隣にいても、寄り添うのではなく「迫って」くる。 端っこにいるとなんとなくぐらついてしまうから、まん中に置かれることが多い気がする。 強烈なよさにはよろこびも悲しみもある。 G: 私は小さいころ緑をえら

        • RとGとBに関して2020.11.09

          2020.11.09  内田涼  >>> R: うちの浴槽は彩度も明度も低いコバルトブルーの底辺のような色で、そこに溜まったお湯はブルーグレーというかなんというかさらに素っ気ない色になる。ブルーグレーを背景にした自分の肌色はとても綺麗なオレンジに見え、水面付近にある乳房の先端や、浴槽の底に沈んだ足の輪郭、ふくらはぎにできた影などは、かなり赤々と見える。 幼い頃母親にむかって「私の唇の色はとても綺麗でしょ」と言ったときの彼女の眉間の皺をたまに思い出す。 G: 『82年生

          RとGとBに関して2020.11.18

          2020.11.18 富谷真美  >>> R: ある冬の夜、桜田通りを歩いていた。場所は東麻布1丁目。細いビルが脇を覆う。車ばかりで人もいない。暗くて冷たい道路。寒い、寒いとインターロッキングの上を進んでいると、ある交差点で視界の右側に巨大な赤色が現れた。東京タワーだ。道路と並行に、隠れては見え、見えては隠れる赤色。でも隠れているのではない、隠されているのではないか。そう思うくらいに、とにかく赤かった。 G: シャンプーが苦手だった。目をつぶりながら、長い髪の毛を何分

          RとGとBに関して2020.11.18

          2020.11.18 田上碧  >>> R: 自分にとっては、好くことも嫌うこともあまりなく、便利に使ってきた色。高校生の時のノートの重要な単語は、赤い下敷きで消せるようにオレンジ色で書いていたので、赤いペンは使ってすらいなかったけど、大好きだった先生が水性の少し太めの赤いサインペンを使っていた。提出物が返ってくると、少しモッタリとした太い書き味のペンの丸い赤い字で、肩の力の抜けたコメントが一言添えられているのが嬉しかった。 G: わたしの母は、自宅で育てている植物の

          RとGとBに関して2020.11.07

          2020.11.07  米澤一平  >>> R: 正直一番好きな色。今でも、自分の目が、赤い色にこんなに反応してしまうのはなんでだろうと思う。なるべく最初を思い返してみると、幼い頃から家ではホラー映画が流れていた。ゾンビ映画やスプラッター映画で血が流れるような演出はよくあって、怖いとは思いながらも、どうしても目が離せなくなってしまうし、レンタルビデオ店に行けば怖いパッケージばかり探してしまう子どもだった。でも下品な赤色はイヤ。うーーーん、まあ使い手次第??上品に使いた

          RとGとBに関して2020.11.06

          2020.11.06 内田涼  >>> R: マンダロリアン シーズン 2の第二話で、ベビーヨーダがこっそり食べたトカゲの卵子はたしかに赤だった。血潮の赤、生きものの赤が、半透明なオレンジのジェルの中に注入されていた。女の子を産んだ友達に出産祝いを買うときは、なるべく暖色系のものを選ばないように気をつけるのだけど、つい赤やピンクのリボンがついた涎掛けなどを手に取ってしまう。 G: “グリーン・グリーン”のサビの最後の歌詞『緑がもえる』は、緑が“燃える”ではなく、