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◆フルメタルジャケット

歩く度に広がる道端の花の香りを嗅ぎながら、赤めいた自身の化身が重なり合って生きるライフが1つ1つと増えてくやさしい人生なんて、まるでゲームのアイテムを掴むかのような難しさは幻で、現れると分かってたり隠されてるのを知ってたりと、そんな優しい人生なんてありゃしない…
エネルギー切れの体に癒しの魔法をかけてくれれば元気百倍気分爽快性欲満点、そんなに上手く変われやしない体の声は悲鳴にも悲しく、無情にも過ぎ去る輝く一滴の不老不死の泉さえ、抜け殻の俺には意味は無い。
振り上げた拳を狙い定めて立ち上がる微かな一歩は、幾度と無く絶えてきた時間と感じてきたスキルを持ってしても、見上げた拳の先には勇ましくも大きく光放つ太刀なんて有りやしない。時の空気と流れと人の視線に刺されては消えてゆくだけの勇気なんて、本当の俺の欠片だとしても、己を隠しては偽りの物語を語る方便さえ魅力的に見えてくる。
生きる術さえ何も無いくらいに凹み傷ついた盾に身を隠し、怒号に舞う社会と言う名の化け物にどうして勝てよう…いっそ呪いを浴びて時と思いと悲しみを身を石に変えて立ち尽くすのも良いだろう。この肩に重く圧し掛かる義務とか責任とか積み重ねてきた呪縛に、言葉だけの明日の未来。

生きる意味とは、フルメタルジャケット

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