ボーダレスに世界を読み、独創性で勝負する。サンフランシスコ在住のアートディレクター
reynato.tokyoは、ブランドの“らしさ”を尊重し、独自のスタイルに導くブランド構築・時代を捉えた体験をプロデュースする、ブランディング&クリエイティブエージェンシーです。
noteという発信場所は、言わばreynatoの「B面」。主戦場となるA面=コーポレートサイトでは語ることが難しい、私たちの心の奥に渦巻く想いや哲学、メンバー一人ひとりにフォーカスを当てていきます。
今回の社員インタビューは、サンフランシスコに在住しながらアートディレクターとして活躍している美奕(みえき)。大学時代から拠点をアメリカに移している彼女がreynatoに入社した理由、アートディレクターとして大事にしていることについて聞きました。
サンフランシスコ在住
海外にいながらreynatoで働くことを決めた
──美奕さんは今、アメリカ・サンフランシスコに住んでいるんですよね?
はい、今年で7年目になります。高校までは東京で暮らしていて、卒業後にアメリカ・ネブラスカ州の州立大学に2年間通いました。その後、サンフランシスコにあるAcademy of Art University(AAU)という美術大学でグラフィックデザインを学び、2021年に卒業しています。
──reynato.tokyoとは、どのように出会ったのでしょうか?
reynatoのことは、Wantedlyで初めて知りました。アメリカは春学期が2月〜5月なので、その前の冬休みにちょうど日本に帰ってきてくるタイミングがあったんです。2021年の1月頃ですね。
卒業も控えているし、せっかく日本に帰ってきたのだから日本の企業も色々見てみようと思い、Wantedlyで求人を探していました。本当にあと2週間くらいでサンフランシスコに帰らなきゃいけない状態だったんですけど(笑)、reynatoはすごくフレキシブルで日本にいなくても仕事ができる環境が整っていましたし、むしろサンフランシスコ在住のままアートディレクターとして携わることを歓迎してくださって。そのままジョインさせていただくことになりました。本当にご縁だなと思います。
在学中にイベントデザインや、インターフェースデザインなど幅広く手掛けてきましたが、「ウェブの世界はここまでインタラクティブに表現ができるんだ」ということは、reynatoからすごく学んだことです。
文化や嗜好に寄り添いながら
独創的なクリエイティブを生み出す
──海外に拠点を置いていることを、自身の強みとしてどう仕事に繋げているのでしょうか?
私の仕事は、特定の価値観に囚われずボーダレスなアートディレクションを提案し、さらに結果を出すことだと思っています。これは全くネガティブな意味ではなく、各カルチャーにはそれぞれ好まれるデザインがあります。例えば日本人が好む色味やデザインの傾向は、訓練と経験を積めばある程度掴めてくるもの。
大切なのはそのポイントをただ押さえるだけではなくて、新しいエッセンスを混ぜていくことですよね。日本人に寄り添ったデザインでありながらも、新しい色や概念を織り交ぜて、真新しい表現を生み出す。きっと多種多様なデザインを手掛け、国を跨いで様々なクリエイティブや文化に触れているからこそ出来ること。
多文化がミックスした家庭で育ち、アメリカへ留学し、様々な価値観と生活様式が混在する人生を過ごしてきた。日々の生活からインスピレーションを受けられる環境によって、「私」独自のコラージュを生み出せるようになったのだと思います。
──「女性的・男性的なデザイン」という言葉があるように、日本ではジェンダーを意識してデザインすることも珍しくないと思いますが、美奕さんはいかがでしょう?
国・文化や性別で、デザインを区別して考えるということはありません。それでいて抵抗感を抱かせない独創性や、多様性を大事にするクリエイティブが私に求めていることでもあると思っています。
「ブランドデザインの本当のゴールは、文化になること」
──アートディレクターとして、大切にしていることを教えてください。
「Wow! moment」(※)を大事にしていることは大前提ですが、それを生み出すのは当たり前で。さらにその先、一過性で終わらないことものをつくることを常に念頭に置いています。
(※)reynato.tokyoが大事にしている「Wow! moment」についてはこちら
アートディレクションのなかでも、私は一番上流のコンセプトを作り込んでいる時間がとても好きなんです。お客様の期待値を超えるアウトプットを出すことはもちろんですが、掲げているビジョンやありたい姿にどう繋げていけるのか。長期的に価値を創造し続けるための設計を考え続けて、コンセプトを固めていきます。
そこからデザインに落としていくのですが、デザインの話で言うと、本当のゴールは「文化になること」だと思っているんです。
──「文化になること」というと?
例えば、公式サイトだけでなく実店舗のデザインも担当させていただいたtrainig BOXX.。ただ運動ができるかっこいいジムをつくることがゴールではなくて。セミパーソナルだからこそ一緒に頑張る仲間と出会えたり、誰かが頑張っているから自分も頑張ろうと思えたり、化学反応を起こすコミュニティが形成されること、そしてtraining BOXX.から新しい文化が生まれていくこと。
デザインでは、そこまで繋がる入り口を作ってあげることがとても重要だと思っています。
ブランディング×体験デザイン
という新しい分野を研究している
──最後に、これから挑戦していきたいことについて教えてください。
アートディレクター、グラフィックデザイナー、ウェブデザイナー。色々な肩書きの中で私が目指すものは、肩書きではなく「Mieki Kinと仕事がしたい」と思っていただける人になること。
私はまだ、自分のデザイン美学やフィロソフィーを構築している途中です。自分とその周りの世界を見つめ、観察し、問いかけ、考える。そういう時間の積み重ねで、さらに深い人間になることを目指しています。もちろん、キャリアも含めて。
また、Branding × Experiential Designという分野を自分のなかで作りました。ブランディングと体験デザインは、reynatoでいうと人間が感じる知覚や感性に焦点を当てた「Wow! moments」と重なっています。デジタル媒体から空間まで、人間が知覚できるその先を追求し、それを共に情熱を持って楽しめるプロジェクトチームを作ることが、私の近い目標です。
Voice:MIEKI KIN (ART DIRECTOR)
Interview / Writing:YUKI HOSHI
Photo:reynato.tokyo
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