大学の数学科って何するの?やばいの?
数学科の何がやばいのか?
数学科出身の俺が真実を話す。
勉強内容及びカリキュラムについて
大学の数学科でやることは
定義を覚える → 定理・命題を証明する
の繰り返し。
でも一般論だけでは理解しづらいから、演習つまり計算問題を解くタイミングもある。
どこの大学でも数学科については「講義」と「演習」の2つがある。
講義ではテキストに沿って先生が授業してくれるスタイル。定義 → 証明 → 定義 → 証明 → … という感じで授業が進む。
演習の時間は具体的に生徒が問題を解く。計算する。
板書して発表したり、オンライン授業なら解いた問題を提出とか。
高校では味わえなかった、自分の解答・証明を発表するのは、はじめは手こずったり緊張するが慣れるとかなり楽しい。
勉強スタイルは上の通り。
数学の内容に関しては、1年で基本事項(微積、線形代数、集合・論理)を学んで、2年では新しい概念+1年でやったことをさらに発展させた内容、3年でもまた新しい概念を勉強するというのが一般的な流れ。
個人的には3年の後期から一気に難しくなった。
3年前期までは理解できたが、3年の後期からはかなり抽象度が上がり難しいと感じた。
(まぁ大学の授業の取り方は自由だから明確に何年で難しくなるとは言えないが)
4年に進級する際に各先生のところについて、定められた分野の勉強をその先生のもとで少人数でさらに深掘りしていく。
4年ではゼミがある。毎週メンバーの人が担当場所の発表をする。
数学科4年の夏・後期・卒業研究について
他の理系学部に比べ数学科はかなり楽だと思う。
調べたところ、ふつう理系の4年の夏休みは休みなど無いほど研究室での実験で忙しいらしい。
それに比べると数学科の夏休みはそれまでの夏休みとなんら変わりない。
この知恵袋が参考になる:
そもそも、数学科の学部の授業では最先端の数学まで辿り着けない。
ゆえに卒業”研究”はできない。
この部分を自分は特に深掘りしたい!と決めて、それについてまとめる感じになる。
高校数学とのギャップ
上で説明したように、高校数学と違って大学の数学は計算よりも証明が主体となる。
数式というよりも、とにかく文章をたくさん読む。
例えばこれとか:
http://www4.math.sci.osaka-u.ac.jp/~nishitani/calculus.pdf
(大学の講義資料ならネットに転がってる)
逆にいうと、高校数学があまり得意でないという理由で数学科を諦めるのはもったいない。
じっくり時間をかけて論理を追っていく力や根気があれば数学科に入ってもそこまで苦しむことはない。
高校数学とのギャップがあり、落ちこぼれて留年する人が多いっていう噂を聞くかもしれないがその信憑性は低い。
大学入ればわかるが、ふつう他人の履修状況なんて本人以外知らない。
一緒にいる友人の履修状況を知ることがあるかもしれないが、類は友を呼ぶように落ちこぼれの集まりの中でみんな単位落としまくってるだけで、そいつらによるノイジーマイノリティーのせいで数学科はやばい・難しい・留年しやすいっていう噂が立ってるだけ。
少なくとも俺は同じ数学科に属す人間で誰が留年したとか単位落としたとかは誰一人として把握していない。
というか、普通に勉強していれば単位なんて落とさない。
数学科の就職について
自分は情報系の会社に絞って就活をした。
その際、数学科だから門前払いということは一切なかった。
インターンにも行きまくったし、最終面接にも難なく行けた。
「数学科は就職できない」とか言われてるみたいだけど、自分が実際に就活やってみた感じでは会社側から数学科出身の人間が嫌われてるという感覚は皆無だった。
「非情報系の人間が情報系の職に就けるのか?」についてはこの記事で詳しく書いてる:
数学科に入るにあたり必要な物とかある?
教科書について
大学ではあまり教科書の指定がない。
「自分に合った教科書を使ってください」と言われることはある。
でも「この教科書に沿って授業を進めます」とかは示される。
また、先生が用意した資料を渡されることが多い。
演習の時間に問題プリントも渡されるから、教科書を買ったが結局あまり使わなかったというパターンが多い。
これは自分の大学がそうなだけかもしれないから、詳しくは
「〇〇大学 数学科 シラバス」
で検索してみて。
数学科にパソコンは必要か?
わざわざ買う必要はない(コロナ禍前では)。
学部の数学科の授業でパソコンが必要になるタイミンはほぼない。
あるとしても学校のパソコンを使ったり、学校のパソコンにあらかじめ数式処理ソフトが入ってたりするから。
また、「数学科で数学以外の必修科目があるのか?」というと、本当に必ず受けなければいけない数学以外の講義は一つや二つはある。
それは計算機やコンピュータを使って数学を扱うもの。
でも、コンピュータ系の授業を”オンライン”でやるとなると自分のパソコンが必要になる。
というか大学生なら自分のパソコンくらい持っておくべき。
サークルや忙しさ、数学科の雰囲気について
入った当初は意外とチャラいやつ、パリピ的なチャラさじゃなくて、本当に勉強しなさそうな男子とか普通の人がけっこういてびっくりした。
というのも、数学科に入るやつはゴリゴリ理系のやばいやつばっかというイメージだったから。
個人的な感想をいうと、”数学科は忙しい”と思う。
なぜかというと、ササっと計算して終了じゃなくて、じっくり証明を読んで論理を追うのに時間がかかるから。
数学科の人間は(それ以外の学科もそうだが)、きっちりと時間をとって静かな空間で自習する必要がある。
でも流石にサークルできないほどではない。両立するとなると忙しいぞということ。
(ちなみに自分は大学でサークルやる必要ないと思う。交友関係なら普通に数学科の中だけでも十分築ける。)
数学科のテストについて
時間的余裕を持ってテスト本番に備える。
演習問題(計算問題と証明問題)を解きながら、定義を忘れていたらノート・教科書を見返して思い出して問題を解く。
書いた方が定着しやすいので、自分はテストが近づいてきたらノートを作り直す。ふとした瞬間に定義を書き出してみる。
高校数学と大きく異なる点の一つとして、”定義を覚える” ということがある。
”数学科の数学”では定義を覚えることがとても重要。
「一様収束」とか「有限部分被覆」とか「滑らかな切断」とか用語がバンバン出てくるが、それらの定義を覚えてないと議論が進まない。
それゆえテストで
「〇〇の定義を述べよ」
っていう問題が出てくる。もしくは定義を知っている前提で出題してくる。
だからテストに備えて、演習問題を解いてインプット・アウトプットを繰り返す。
演習問題をやるのは面倒臭いし難しくて嫌かもしれないが、頭を使って一生懸命考えるのが数学の勉強にはメチャクチャ効果的。
俺は数学科に入って演習の大切さをしみじみと感じた(高校ではそれが当然だから気づかなかった)。
最後に
以上が数学科のリアル。
べつにヤバくない。
何か質問ある場合はここのコメント欄や私のTwitterでもウェルカムです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?