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Uber Eats配達員の報酬が大幅引き下げに。一部ではストライキも?

どうも、先日30歳にお成りあそばした私です。

せっかく30歳まで生きたんだし、20代振り返りの記事を書こう。
そう決めて筆を取った矢先、とんでもない出来事が降ってきました。

それがコチラ。


Uber Eats、またやりやがった!
約1年ぶり2度目の引き下げ!

何を隠そう、私は副業Uber Eats配達員。
2年ほど前から運動と小遣い目的でたまーーーに稼働しています。

やったりやらなかったりを繰り返し、気付けば歴だけは古参配達員。

そんななんちゃって古参が、今回の件を完全主観でリポートしていきます。


事の発端。

2月末某日、Uber Eatsから配達員にこんなメールが届きました。

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要約すると、「京都と福岡で配達アプリの仕様が変わるよ! それに合わせて報酬体系も変わるよ! 詳細は待っててね!」

京都・福岡の配達員は期待と不安でざわつきました。
なぜなら、今までUberからの知らせが吉報だったことはありません。

とはいえ嬉しい変更点も。それは配達先の事前表示。
この変更により、商品を受け取る前に届け先が分かるようになったのです。

今までのアプリシステムと報酬

本題に入る前に、まずは2月までのUber配達員アプリの仕様と報酬体系についておさらいしておきましょう。

Uber配達員アプリでは、注文クエストを受諾するまで店名や届け先は分かりませんでした。
分かるのは現在地からお店までが何分か、だけ。

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クエストを受けて初めてレストラン名が表示され、店で商品を受け取ってから配達先の住所が分かる仕様だったんです。
そのため、「どこまで飛ばされるか分からない」ドキドキ感とハラハラ感がありました。

近場だといいな~近場であれ~~! と願って住所を確認し、4~5km先だった時の絶望感たるや。

「クエスト受ける前に届け先が分かればいいのに!」と思っていた配達員たちにとって、今回の表示変更は素直に嬉しいものだったんです。


次に報酬について。
1回の配達につき、以下の報酬計算が基本となっていました。

基本料金(受取料金215円 + 受渡料金105円 + 距離料金60円/km)− サービス手数料10% = 報酬
(※エリアによって異なる。上記は京都エリアでのもの)

1kmの配達だと342円。
ここに、時間帯ブースト(×1.1~×1.4)やピークタイム料金(100円~200円)が加算され、1回辺り400円~600円(それ以上)になることも。

加えて、平日クエ・週末クエと呼ばれる回数ボーナスもありますが、話が長くなるので省きます(〇回運んだら追加報酬〇円付与、というもの)。

2月末の告知メールでは、既存の報酬体系からどう変化するか、具体的な数字は明示されていませんでした。


新システム適用初日。奴隷地獄へようこそ!

さて、待ちに待った新システム適用開始日(3/1)。
Uber京都・福岡エリアの配達員たちは、信じられないものを目にしました。


報酬が一律300円になってる?!!!!

何キロ運んでも

ブーストが付いても

300円!!!!!!!

我々は悪夢を見ているのか。
午前中から稼働していた配達員たちにより、この緊急事態がTwitterで広がっていきます。

バグか? と思ってサポートに問い合わせる人も続出。
しかしサポートからの返事は無慈悲なものでした。

『正規料金だよ☆』(超要約)

なんならサポートの対応もバラバラ。
憤慨した配達員(主に専業の人たち)により、ストライキが起こります。


配達員によるストライキ! 注文者側アプリはブラックアウト!

Twitterの配達員界隈では続々とスト表明が。
追い打ちをかけるかのように、この日は朝から雨模様。
雨の日に300円で奴隷をしたい人なんていません。

全員でなくとも、一部の配達員たちがストするとどうなるか。
商品を運んでくれる人が激減するので、当然注文は制限されます。

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注文者側からしたら、ご飯を頼みたくても頼めない状況です。

もちろんこんな状況でも稼働する人はいます。
様子を見に出た人たちが、現場の混乱をアップしてくれました。

『5km~7kmは当たり前。誰も運びたくないから蹴り合って、同じ店からずっとクエストが飛んでくる』
『短い距離はみんな取るから、回ってくるのは誰も取らなかった長距離だけ』
『長距離は誰も運ぼうとせず、配達員が見つからなくて注文がキャンセル。商品が店で廃棄になっている』

……配達員も注文者もお店も、誰も幸せにならない結果に。


4日経っても公式声明ナシ。続々と他社へ流れるプロ配達員たち

3/4になっても、Uber Eats Japanから料金に対する公式声明はありませんでした。
よく分からない料金体系のままです。

Uberを見限った専業配達員たちは、続々と他のフードデリバリーサービスへと乗り換えていきました。

現在京都ではUberの他にfoodpandaとmenuが参入しています。
この新規2社は配達員を確保するのに必死で、高報酬をエサに人手をかき集めている最中です。
ほとんどの専業配達員たちは、早い段階で掛け持ち登録済み。
頑なにUber一筋でやっていた人たちも、このタイミングで他社へ駆け込み始めました。

UE京都を支え続けた歴戦の猛者、”ネームド”の皆さんとの別れ。涙なしでは語れません。


試しに稼働してみる。心が折れる。

騒ぎに乗じてストっていた私ですが、「実際に体験しないと分からない」と300円奴隷をしてみることに。

……2時間半・7回配達で心が折れました。

2月のとある稼働日。

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3/4の結果。

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時給換算しても400円くらいは差があるのでは。
そもそも配達回数1回分少ない日に負けている。

心が折れた理由は金額だけではありません。
長距離クエストしか飛んでこないことに、嫌気が差したのです。


数km先の店から、3km以上のクエストしか飛んでこない

正直、鳴り(※注文クエストが飛んでくること)でいえば爆鳴り状態でした。
拒否しても拒否しても、どこかの店からクエストが来る。
しかし、どれもこれも現在地からかなり離れた店。しかも届け先は店から3km以上先ばかり。むしろ5km以上がデフォと言っていい。

一番ひどかったのはコレ。

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配車AIちゃん? 私は自転車よ?
そしてこれはどんな料金計算になっているの?


2月までは、現在地から2~3分、遠くても5~7分の店からのクエストがほとんどだったんです。
それがどうだ、現在地から10分先の店からも余裕で飛んでくる。
遠い店からのクエストほど、配達距離もえぐいことに。

つまりコレって、「近場にいた配達員たちが全員拒否したやつ」なんですよね。
だからわざわざ遠い場所にいる配達員が呼ばれる。
でも私が拒否ったように、きっと誰も行かない。

じゃあ、その商品どうなるの?
注文キャンセルで廃棄コースでしょう。

新システム適用初日にあった報告の意味を、身をもって理解しました。


なぜUberはこのシステムを始めたのか?

京都と福岡を実験台に導入された新システム。
おそらく今後全国に広がっていくでしょう。

現状で誰も得をしていないシステムを、Uberはなぜ導入しようとしているのでしょうか?

それにはフードデリバリーサービスの採算が深く関わっています。


同様にライバルのUber Eatsも、利益面では苦戦している。Uber Eats日本代表の武藤友木子氏は東洋経済プラス(8月4日公開)のインタビューで、「(利益は)めちゃめちゃ薄い。高くない価格帯のカジュアルなランチであれば、もらったマージン(手数料)から配達している方々に満足に働いてもらえるくらいの報酬を出すと、利益は限られる」と語っていた。(東洋経済より引用)

そもそも米Uber自体が直近4年は赤字続き。日本Uberも「儲かっている」とは言い難い状況。

先行投資として金はバラまいた。サービスエリアも拡大した。いよいよ利益を求めて整備。こんなところでしょうか。

配達員として稼働していても「これUber利益出てんの?」と感じる場面は多々ありました。
そのうち報酬減らしにかかってくるだろうな、とも。


それにしても、今のタイミングで決行するのは正気と思えません。
京都エリアに限っていえば、2月から本格参入したfoodpandaが高報酬・クーポンばらまきで配達員と注文者を奪おうとしている状況。

注文者側から見ても、頼んでも届かないUberより、安く頼めて早く届くfoodpandaを使うに決まっています(menuはまだ浸透していない印象)。

フードデリバリーサービスが多様な関東であれば、わざわざUberで頼む意味も、配達員をやる意味もなくなってきますよね。

Uberが他社より勝っているのは以下の点でしょうか。

・マクドナルド、ローソン等の大手チェーンが加盟。日用品や医薬品の購入が可能。
・他社に同時登録している飲食店であっても、登録メニュー数はなぜかUberのほうが多い。(foodpandaやmenuではメインディッシュしか頼めないのに、Uberだとサイドメニューも登録されている。謎。)
・シフト制のfoodpandaや、注文クエスト早押し制(早い者勝ち)のmenuと違い、好きな時に好きなタイミングでマイペースに配達できる。

うーん、どれもアプローチとしては弱い気がするけれど。


今後改善の見込みは?

この数日間、福岡・京都エリアの配達員が猛クレームを入れていますが……正直、改善は期待できません。300円でも稼働する人たちがいるからです。

まずは副業会社員(私もここに入る)。
Uberをやらなくても生活に支障はなく、プラスαの小遣い、ちょっとした収入が欲しい人たちです。
時間を有効活用してガッツリ稼ぎたい人なら、他社に乗り換えるかもしれませんが……
「ジム通いの代わりに」「ちょっとしたリフレッシュを兼ねて」「月に3~5万くらいでいいや」なんて人たちなら、このままUberでも問題ないわけです。

次に学生。
稼働時に鉢合わせた学生配達員さんと、こんな会話をしました。

「300円でも稼働します?」
「自分は学生なのでやりますね。バイト代わりなんで。専業だとキツイかなぁ」

親からの仕送りで生活していて、そこまでお金に困っていない学生なら、Uberでのんびり……もアリなのかも。

細かく言うなら、精神的な疾患を持っていてシフト業務では働けない人。
ホームレスの人(西成のホームレスがUberきっかけで生活保護に受かったというニュースもありました)。
コロナ禍で帰国できず、働けない外国人(中には不法滞在者も)。

使い捨て奴隷扱いされようが、稼働する人は絶対に一定数います。
自ら奴隷になってくれる層がいるんだから、利益を捨ててまで待遇を改善しようとはしないでしょう。

とはいえ、配達員の質は格段に下がるはずです。
高クオリティ・安全運転で稼働していた専業プロたちは既に離れつつあるんですから。


1件300円なら、1時間に3~4件は運ばないとまともな時給にならない。
素早く運ぶために無茶な運転をする人が、きっと今まで以上に出るでしょう。
実際に私も、単価のプレッシャーに焦って走行スピードをいつもより出してしまった気がします。

好きな時に好きなタイミングで、のんびり景色を楽しみながら走っても稼げていたウーバーが好きでした。
さよなら俺たちの愛したUber Eats……!


週明けには公式声明が出てほしいところですが、ウバカスに期待してはいけません。おっといけない、本音が出た。

これがUberにとって吉と出るか凶と出るか。
まだしばらく観測していく所存です。

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