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Re-Vive 7 〜Wave〜

今回の記事では、Re-Viveで行っている身体操作トレーニングのWaveに関してお伝えしていきます。Re-Viveでは、身体を動かす能力の基本に7つの要素を考えているという話を前回の記事でお伝えしました。7つの要素は大きく分けて体幹に関するものが2つ、股関節や下肢を中心とした動きの要素が3つ、上肢の使い方に関するものが2つです。今回は、Re-Viveに来ているすべての選手に行ってもらう基本操作、Waveについて書いていこうと思います。

Waveというのは動きの見た目から名付けた背骨の操作練習です。これは、すべての運動に先立って確認すべき項目だと思っておりますし、みんなできるようになってほしい。

皆さんはスポーツをしているとき、あるいは何かの作業をしたり、ご飯を食べたりするとき、「背筋を伸ばせ」とか、「姿勢を正せ」とか言われたことがあるでしょうか。私自身は、競技としてアメリカンフットボールを始めたとき、監督や先輩に口うるさく言われました。相手とコンタクトするとき「背骨をまっすぐに!」ということをひたすら言われて、自分では真っ直ぐにしているつもりなのに、できていない、、ということが数ヶ月続きました。また、システマという格闘技を習っていたとき、背骨の崩れを認識して真っ直ぐに戻す作業、を幾度となく繰り返しました。はじめは全くできなくて、どういう意味があってやってるのか、本当にわからなかったです。その時、ただ純粋に筋力が足りなかったのもありますが、これには、背骨を制御する感覚が欠けていたことも要因としてあったと、今では思います。

運動を習得するとき、その運動を行うのに「適切な姿勢」を作れることが上達の近道だと思います。その「適切な姿勢」を作る、または保つ、ために背骨をコントロールする能力が必要になるわけです。

背骨の運動を重視する理由について進化の過程からも少しだけ触れたいと思います。ヒトを含めた脊椎動物は、魚類がその始まりで、移動には躯体振動や尾鰭振動がおおきく関与します。背骨の動きが必要なわけですね。

脊椎動物の始まりである魚は背骨を動かすことを主な力源にして頭進する。脊椎動物はやがて陸に上がり、重力に晒されることで、胸鰭や尻鰭だったものが手脚に変わり、体躯を持ち上げて移動する能力を獲得していきます。つまり、抗重力下において「移動する」という行為は、4つの手脚を使って頭部・体幹・骨盤といった重たいものを運んでいく、という行為になるわけです。

ヒトの発達にはその経過が反映されていて、みなさんもこの世に生まれ落ちたあと、仰向けで背骨を地面に安定させた状態で、外界や自分の体を認識していく作業を経てきているはずです。首がすわって、体幹が安定すると身体を起こせるようになり、上部体幹から下部体幹にかけて安定性が生み出されると、手の自由な運動が可能になってきます。

この記事を読んでいる方は、アスリートもしくはアスリートに携わる機会のある方が多いと思います。高いパフォーマンスを実現しているアスリート達の競技動作中の背骨に注目したことはありますでしょうか。高いパフォーマンスを実現しているとき、かならず背骨は真っ直ぐに伸びていて、動きは下から上まで滞りなくつながっていると思います。これは、四肢のバランスの取れた動きと体幹部骨盤帯の制御によって実現されています。

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のも

先にも述べたように、スポーツの指導場面ではよく「背中をまっすぐに」とか「良い姿勢に」とか言われると思いますが、この「背中をまっすぐに」は、背骨の感覚が鈍っている人にとっては大変むずかしい作業です。自分で見えるわけでもないので、視覚的なフィードバックも得られづらい。だから、「背骨がいま、どのような状態にあるのか」を認識する感覚的な力が非常に重要だと思うわけです。

進化・発達の観点からも背骨は一番はじめに感覚を入力されるべきところ、スポーツに於いても有効な姿勢を作り出すための大変重要視される操作ポイントになる。そのような背景からRe-Vive7の一番初めはWaveから始めていただくわけです。

Waveで一番最初に行うのは背骨一つ一つを触りながら触刺激を利用して、触られたところだけを動かす、という作業です。触られることで位置を認識して、そこを自分で動かすには、、という具合に背骨と向き合ってもらうわけです。

それではここから動画を用いてトレーニングの順序、バリエーションを解説していきたいと思います。よろしければ最後まで御覧ください!

(感覚入力)

触ってもらって一つ一つの背骨を動かせるようになってきたら、今度は順番に動かせるようにしていきます。まずは下から順番にひねっていくストレッチ(野球や回旋動作を主体とする競技の選手は必須です)や、四つ這いで尾骨の方から順番に波打つように動かしていく練習です。この練習は、縦方向の動き(矢状面)から始めて(これが一番簡単)、横方向の動き(前額面)、3次元的な捻りを加えた動き(水平面のコントロール)の順で練習していきます。なれてくると、今、固まっている背骨はどこか、とか、肋骨の動きが背骨の動きを止めてるな、とかわかるようになってきます。まずは体幹(背骨)の状態がどうなっているか、感じられるようになっていくことが大事だと思います。

このような感覚が備わってきたら、あらゆる動作局面で背骨を順番に動かしていく、または下から上、上から下に動きをつなげていく、という練習をしていきます。体の内側で動きをリンクさせていくことを重視した動作トレーニングになります。下の動画から御覧ください。

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