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WWDJAPAN アフターインタビュー【清水建設株式会社 吉田郁夫さん】 #空中で暮らす世界

ファッション業界専門誌「WWDJAPAN」とコラボレーション。24年1月8日発売号「FUTURE FASHION. 起こるかもしれない未来のファッション」にて「雨の止まない世界」「空中で暮らす世界」「月を行き来する世界」「菌類に覆われた世界」「仮想空間で生きる世界」FFEの5つのテーマでファッション業界 x 異業種でディスカッション。想像力を駆使して、5つの未来のファッションを予想・想像・妄想しています。
ここでは「空中で暮らす世界」の対談に参加してくださった清水建設株式会社フロンティア開発室 海洋開発部副部長の吉田郁夫さんに感想をお伺いしていきます。

清水建設株式会社 吉田郁夫さん x 「クロノス」編集長 広田雅将さんのWWD座談会はこちらから

吉田郁夫/清水建設株式会社 フロンティア開発室 海洋開発部主査
1987年、日本大学理工学部建築学科を卒業して翌年清水建設に入社。2008年、海上未来都市構想GREEN FLOATの事務局および設計担当に就く。2018年よりフロンティア開発室海洋開発部主査として、現在に至る。一級建築士で、日本建築学会会員、日本建築学会海洋建築委員会委員及びフローティング建築小委員会主査、日本大学理工学部海洋建築工学科 非常勤講師も務める。
人口増加、海面上昇時代を見据えた空中1000mの都市 GREEN FLOAT構想
(画像提供:清水建設株式会社)

①対談ありがとうございました。お話しされてみていかがでしたか。

ファッションについては全くの素人でしたが、人々の生活に不可欠な「ものづくり」にこだわる方々との対談はとても心地よい刺激になりました。

②対談のお相手である「クロノス」編集長 広田さんから受けた刺激などはありますか。

腕時計の技術に詳しい「クロノス」の広田編集長様との対談でしたので、大変興味深い意見交換が出来ました。特に腕時計の技術開発と建築の技術開発で、素材や技術などで共通する点もあり勉強になりました。

③「空中で暮らす世界」がきたときに期待する世界はどんな世界ですか。

「人々が豊かに暮らす」ために、地上だけでなく、空中も海洋も深海も、もっと活用できるのではないかと考えてきました。生物が暮らせる環境は人類も暮らせる可能性が高いのですが、本当の豊かな暮らしは、人類が生み出す技術の先にあるものだと考えています。

GREEN FLOATの空中都市から見る景色のイメージ図(画像提供:清水建設株式会社)

④吉田さんが「FUTURE FASHION AWARD」に応募するならどんなファッションを企画しますか。

GREEN FLOAT構想では、「植物質な未来都市」を目指しています。GREEN FLOATのパンフレットの見開き部分にもメッセージとして記しましたが「自然に溶け込んでやさしく共生し、生態系の一部として、ともに成長していく。例えるなら、ひとつの“植物”のような都市がつくれないだろうか 。」これをプロジェクトチームの共通目標としてスタートし、結果としてGREEN FLOAT構想が出来上がりました。
これをそのまま当てはめて「FUTURE FASHION AWARD」応募案を企画してみたいと思いました。「植物質な未来のファッション」「自然に溶け込んでやさしく共生し、生態系の一部として、ともに成長していく。例えるなら、ひとつの“植物”のようなファッションがつくれないだろうか 。

GRENN FLOAT植物工場イメージ図(画像提供:清水建設)

⑤ お二人の対談の中で、空中での暮らしは現在とそう変わらなくなるだろうというご意見でしたが、人々の価値観や文化に変化はあるのでしょうか。

GREEN FLOAT構想では、現在の地上に限られた暮らしを海域や空中にも広げるための技術開発を行っています。このため、「皆さんの暮らし方はそう変えなくて安心して暮らせます。」と言っています。一方でこのような社会基盤が出来れば、「未来が変わる、豊かさが変わる、いつかきっと」と考えています。そう考えると「人々の価値観や文化」もいつかきっと変化していくのではないでしょうか。

吉田さん、ありがとうございました!建築と時計の両業界の考え方に、ここまで共通点があるとは、同席するわれわれも驚きの盛り上がる対談でした。技術開発が進んでも、それらを生活に落とし込んで利用するのは、読者のみなさま含めお客さまになるので、「未来ではどのような生活をしたいか」是非妄想して、コメントしてみてください。
他のもしもの未来テーマの異業種対談もとても面白い記事となっています。WWDJAPANの記事をまだ読んでいない方や興味ある方はぜひご覧ください。


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