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生産性を向上させる施策が実を結ばない理由

「生産性の向上」

少子高齢化問題や働き方改革がニュースで日々取り沙汰されており、様々な企業が生産性向上のためにあらゆる施策を企画・実行されています。しかし、このような状況の中で日々生産性の向上を実感しているという方は少ないのではないでしょうか。
実は、生産性の向上を施策として実行する前に必ず把握しておかなければならないあるステップがあり、それが把握されていない状態ではどんな施策も無用の長物となってしまいます。ではそのステップとは何か。
それは「可視化」です。今回はこの可視化の重要性と手法についてお話しします。

生産性とは

そもそも生産性とは何でしょうか。
生産性には資本の観点から見た資本生産性と労働の観点から見た労働生産性がありますが、今回は労働生産性についてお話しいたします。
総務省の情報通信白書によると、労働生産性とは下記のとように定義されています。

「生産性」とは、その効率性を指す概念であり、これを定量的に表す指標の一つとして「労働生産性」が用いられている。労働生産性とは、一般に、就業者一人当たりあるいは就業1時間当たりの経済的な成果1として計算される。(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd131110.html

つまり、一人当たりがある一定の時間に生み出すことができる成果を測った指標が労働生産性となります。
労働生産性が向上すれば、今まで行っていた業務が短時間で完結するなど、経営者は勿論のこと従業員にとっても嬉しいことですよね。そんな誰しもが夢見る「労働生産性の向上」は何故進まないのでしょうか。
実は労働生産性の向上を図る施策を行うには「収益構造の可視化」、「指標値管理」、「稼働管理」の3つのステップを行う必要があります。

図1

①収益構造

生産性の向上にまず必要なのは収益構造の可視化。

これを聞いてみなさんはどのように感じられたでしょうか。正直拍子抜けだなと感じた方も少なくないかもしれませんが、もう少しお付き合いください。

収益構造の可視化とは何をするといくらの時間=コストがかかり、どれだけやるといくらの売上になるかを可視化するということです。当然のことを言っているように感じますが、実はこのポイントを見落としている方が多いのです。例えば営業という職種を例に考えてみます。

営業の仕事はお客様に製品を売ることです。これは疑う余地もありません。しかし、営業の方の業務はお客様への提案活動だけではありません。営業資料の作成や、製品販売後のフォローなど、企業によって業務範囲は様々であれど、業務内容は多岐にわたります。
それらも含めて営業という仕事ではありますが、利益・売り上げに通じる活動以外の業務に時間を使いすぎてしまうと、当然ですが売り上げは下がってしまいます。
言い換えるならば、どのタスクが売り上げアップと密接な関係があるのかを把握する必要があります。つまり、業務のフェーズごとに分類し、どのタスクにどれだけの時間を投下しているかを可視化する必要があります。

②指標値管理

収益構造の把握できた後は、指標値管理を行います。

指標値管理とはどのチーム(誰)が、今どれだけの案件をもっていて、予定通りに必要な質を実行できているかを管理する手段のことです。

業務のフェーズ分解、売り上げとの相関関係を把握し、売り上げとの相関関係の高いタスクに集中したとしても、営業活動の場合、案件がなければ話になりません。また、そもそもニーズのないお客様に営業活動をどれだけ行っても成果は出ません。このように、成果を出すための環境的要因を把握し、その環境を整えた上で活動の品質を担保することで成果がでます。この環境的要因と活動品質は運やセンス、気合などの言葉で表されることが多いですが、指標値として定量化することで無駄な時間(コスト)を使うことなく、成果をあげることができます。

③稼働管理

環境要因と活動品質の定義ができたら、次は稼働管理を行います。

稼働管理とはどのチーム(誰)が、今どれだけの活動を実行していて、予定通りに必要な量を実行出来ているかを管理する手段のことを指します。

上記の通りに売り上げにつながるフェーズ分類が完了し、環境的要因・活動品質を定量化できても、行動が伴わなければ意味がありません。分類したフェーズごとのタスクに対して、それぞれに必要な行動量のすり合わせが重要です。
各々の目標にそった売り上げを達成するために必要な時間をタスクごとに定義をし、管理することで、適切なフィードバックをすることができます。例えば、Aさんは一ヶ月の大半を営業資料の作成に使っているので資料作成の時間を削減する施策を伝えることで、成果に直結するアドバイスができるのです。

上記手法をうまく運用することができれば、遅くまで残業しているのに成果がでず、さらに残業をするといった負のスパイラルから抜け出すことができます。

まとめ

・生産性を向上させるためには、まずは事業の「収益構造の可視化」が必要
・業務におけるフェーズの分解を行うことで、売り上げにつながる行動、つながらない行動を見極める。
・成果をあげるために必要な環境的要因と活動品質を定量的に把握する
・目標とする成果をあげるために、どの行動にどれだけの時間を割くかを定義する

最後までお読みいただきありがとうございました!!
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