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自分の流れにする

昨夜に男子3000m障害と女子5000mの決勝が行われ、三浦選手は7位入賞、廣中選手は9位(日本新記録)となった。昨日取り上げた橋岡選手もそうだが、日本選手が決勝まで進みにくい陸上のトラック種目で決勝にコマを進め、自分の力を発揮して結果を残したことはすごい功績である。

二人に共通することは、途中、自分が先頭に立ってレースを作ったことである。女子1500mで準決勝に進んだ田中選手もそうだが、普段から国内レースでもそのような展開をしている。国内であればレベル差があるので、他の選手は付いてこれないことが多いが世界レベルではちょうどいいペースメーカーになりがちだ。しかし、そのリスクを背負っても自分でペースを作る。慣れているレース展開に自分でしてしまうのである。当然、負荷が掛かるのでラスト勝負になった時は不利になる。それでもラスト1周も必死で耐えて(むしろペースを上げて)ゴールしている。一昔前ならば、そういったレース展開になると、最後に垂れてしまって上位に来ることは少なかった気がするが、二人とも最後にしっかり上げて上位の順位で帰ってきている。普段からハイペースで押して、ラストも上げるというとんでもないペースを刻んているからこそできる芸当である。

田中選手も含めて、まだ二十歳前後の選手である。次のオリンピックも視界に入っていることだろう。ダイヤモンドリーグ等で海外の選手と切磋琢磨することが、今後の競技力向上を目指すのに効果的と思うが、国内にいても自分でレースの流れを作ることで、世界レベルの大会でもある程度は通用するのだなと感じられた。自分の得意な形を持っているとしたら、得意な形を伸ばす、得意な形に持っていくにはどうしたらよいか?を見事に体現しており、非常に参考になるレース展開であったと思う。

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