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見逃しは悪なのか?

昨日のBS1で球辞苑の再放送をやっていた。テーマは「見逃し三振」で、バッターとしては嫌な内容である。そこにゲストで鳥谷さんを持ってきたのは、大したものである。

特に驚いたのは、2017-2021シーズンで、見逃し三振率(全三振のうちの、見逃し三振の割合)トップ5の面々である。所属は当時のもので、350以上の三振を記録した選手の集計結果だ。

① 鈴木誠也(広島)38.8%
② 近藤健介(日ハム)36.2%
③ 筒香嘉智(横浜)34.4%
④ 坂本勇人(巨人)32.8%
⑤ 福留孝介(中日)30.8%

こうみると、みな強打者ばかりである。1位鈴木選手と3位筒香選手は、メジャーリーガーである。たしかに坂本選手は、時々、打つ気ないのかな?と思うくらいあっさりと三振してしまうことがある。逆にいうと、見逃し三振が許されるくらい各チームで確固たる地位を気づいた選手たちであるということだ。

今日のメジャーリーグ、エンゼルスの大谷選手は2本のホームランを打った。第1打席は二塁打を放ったのだが、これは2ストライクに追い込まれてから、カーブを泳がされながらの打撃だった。その前に2球、明らかに打ちにいってもいいフォーシームが投じられたのだが、大谷選手はそれを見逃した。それを見逃して、あのカーブを打つのか・・・という感じだったが、驚いたのは次の打席である。見逃したフォーシームと、ほぼ同じコースに来た球を捉えてライトスタンド(正確にはフェンス上の電光掲示板に当たって跳ね返ってきた)に放り込んだ。

1打席目で難しい球を捉えてヒットにしたものだから、2打席目は見逃したフォーシームで攻めてくると思ったのであろうか。だとしたら、あの見逃しは大谷選手が蒔いたエサだったのかもしれない。日本では少年野球から見逃すと怒られる傾向にある(少なくとも自分のときはそうだった)から、どんどん振りにいくが、野球が高度になるほど、そうではなくなっていくのかもしれない。昨日の球辞苑を見てからの今日の大谷選手の打撃は、そんなことを思わせてくれるような内容であった。

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