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令和6年6月15日(土) 友引 庚戌

起床時間 午前5時00分

血圧 111-71
脈拍 54



「見事、いと遅し。その程は、桟敷不用なり」とて、奥なる屋にて、酒飲み、物食ひ、囲碁・双六など遊びて・・・・、(徒然草 第百三十七段)

引用元:「徒然草」 兼好 島内裕子 校訂・訳(ちくま学芸文庫)

 吉田兼好は徒然草の中で、賀茂祭の一部の見物客に対して批判的な視線を送っている。お目当ての行列が来るまでは、桟敷席の裏にある建物で飲食や遊びで騒ぎながら時間を潰し、行列が近づいてくると狭い桟敷席でも行儀悪く見物し、それでいて行列が過ぎ去ると、桟敷席を降りて・・・と、祭りの表面的な部分しか見ない見物客を批判しているのだという。

 さて、来月の祇園祭を巡って、酒類を提供するプレミアム観覧席の扱いについて、問題が持ち上がっているらしい。報道されている以上のことは分らないが、お祭りにお酒はつきものという習慣の中で育ってきたものの、伝統的な神事の本質についても理解しようと努めている小生にとっては、実に辛い話だ。

#日経COMEMO #NIKKEI


 徒然草の第百三十七段を読み進めていくと、隠居生活をする隠遁者でも、戦場で命をやりとりする武士も、等しく死は訪れるということをあらためて諭される。

 お祭りとお酒などから、人生の無常観について語る吉田兼好は、やはり偉大な人なのだ。

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