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【22年改訂/学習塾講師/学校教師】第一章・生徒の成長のために(1)「生徒への接し方」【指導方法】

※令和4年1月改訂


お疲れ様です。
教育コンサルタントP206です。


私は、現在まで十年以上、塾長として、
あるいは教科講師として小学生から高校生
までの指導を行なってきましたので、
「どのような授業をすることで、
生徒の学力を向上させることが出来るか」
ということについて、
多くの経験を得ることが出来たと思います。

ですので、今回は、その経験に基づいた
指導マニュアルについて書きたいと思います。

ーーー

記事に入る前に、生徒の学力をアップさせる
ために絶対に勘違いしていけないこと、
しかし、勘違いし易い事は、

※講師の学歴は(ほとんど)関係無い。


ということです。


もちろん、生徒に指導するのですから、
生徒よりも高い学力で、問題に対して
深い理解が出来ていることは大前提です。

ですが、講師として重要なことは、

自分が理解していることを
生徒に分かりやすく落とし込む

ということです。

そして、その能力は、学歴の高さと比例して
いないと私は言い切れます。

学歴の高い講師は、自分の学生時代は、
教科書を読み、自分で問題集を解くだけで
内容を理解し、テストや模試で良い点数を
取っている方が多いため、
一般の生徒が「ここについて知りたい」
と思い質問しても、
「何でこんなところも分からないんだろう、
こうすれば解けるよね?」というように、

上から目線で答え(理解)を
押し付ける形


になり、長時間指導しても結局
生徒の成績向上にはつながらない
というケースがかなり多く発生しています。

私の身近でも多くあったケースなので、
学歴の高い講師は、逆に講師に向いていない
可能性が高いと私は思っています。

私の地域でしたら、
旧帝大や教育学部所属の学生、
もしくは出身よりも、
60前後程度の偏差値で、
様々なバイトを経験している方のほうが、
生徒の学力を向上させることに
成功していると感じます。

ですので、この記事を読んでいる方も、
上記の先入観は取り去って欲しいです。

ーーー

まず、生徒を(学力的に・人間的に)
成長させるための大前提であり、
重要なことは何かといいますと、

生徒を理解する姿勢をとる


ということです。

そして、この姿勢はどういうものなのか
ということについて、昔から多くの教育者が、
三つの英単語の日本語訳を使って
説明しています。

その三つの英単語とは何かといいますと、 

①見る(See) … 特に注意しなくとも
見えてくるものだけを見る。
⇒ぼんやりと生徒に接しているだけで、
自然と見えてくる。
※つまり、優秀な講師でなくとも、
時々(正月など長期休暇に)会う親戚や、
生徒の担当で無い講師でも出来ることです。

②見る(Look) … 目を向ける。
よく見る。見ようとする。
⇒Seeの一段階上。意識を向け観察する。
※生徒の外見を見る(①の状態)だけでなく、
内面についても一歩踏み込んだ状態。
①から②へ、自分の考えや意識を持っていく
ことが、良い講師になるための壁になります。
ここが中々難しいと思います。

③観る(Watch) … しっかりと観る
⇒対象を注意深く見つめ、さっと見ただけ
 では見えてこないところまで見抜く。

※つまり、対象生徒の性質によって、
観る方法は一つだけでないですし、
さらには、「一緒に行動する」「見守る」
または「期待する」といったことまで
必要になることもあります。

ーーー

ここまでをまとめますと、講師としては、
普通に一緒に行動(生活)しているだけで
目に入ってくるような、表面的なことだけを
「見る(See)」のではなく、
生徒の本質のところまで
「観る(Watch)」ことをすれば、
ほとんどの生徒に対して理解を深める
ことが出来る、ということです。

小学校、中学校、高校の教師というのは、
20~40人程度の担任・副担任として、
もしくは学年の教科担当者として、
受け持たなくてはならない生徒数が
たくさんいる上、平日の大部分の時間を
生徒と一緒に過ごすことが当たり前です。

ですので、日常生活から、自然と
「生徒を観ている」ことが多いです。

それと違い、塾講師(塾長など)は、
ほとんどの生徒とは、
夕方の時間帯に2~3時間程度、
さらに一週間に1回か2回の授業を受けに
塾に来た時しか接点が無いことが多いです。

ですので、
意識的(計画的)に「観よう」と考え
行動しない限り、
学校教師よりも生徒を理解するのは難しい

ということが分かると思います。

ーーー

ここまで読んできた方でしたら、
多分、ほとんどの人が、

Watchが重要であり、
行なうことが必要である


と頭では理解し、
実行しようと思っているはずです。

ですが、これから実行出来るでしょうかと
尋ねられたとき、「大丈夫です!」
と言い切れる方は、
そうはいないではないでしょうか。

実行出来ない理由は、
自分自身のキャラクターや時間的制約など
様々ありますが、
その理由の一つとして考えられることは、

基本的に生徒は
「ゆったりマイペース」である
ということを理解していない


からだと思います。

ーーー

ここで、皆さんも自分の学生時代を
思い出してみて欲しいのですが、
①一つのことに集中しているときには、
周囲の大人に終わるように言われても、
他のことには目を向けずにやり続ける。

という方が多かったと思います。
私がそうでした。

さらに、①に当てはまった方だった場合、
② ①の性質を持っているため、
物事に対して要領よく取り組む
ということが出来なかった。

という、学生時代の人は多いと思います。

塾長でも、講師でも、学校の先生でも、
親でも、どんな職業だとしても、
就業時間中は、やらなくてはならない業務
が山積みで、基本的に
「慢性的に時間に追われている」状況です。

そうすると、前述のしたように、
生徒はゆったりマイペースですので、
こちらから指示をするよりも、
見守ることが有効だと考えている方でも、
自分の次の(他の)仕事を考えてしまうと、
早く取り掛からなくてはならないため、

自分の都合を優先してしまう=
生徒を中心に考えない=
Watchが疎かになる


ことになってしまい、ついつい上から目線で
小言を言ったりしてしまいがちです。

せっかく生徒が一つのことに集中して
取り組んでいるのにも関わらず、
大人の勝手な都合でそれを打ち切って、
未消化のままで終わらせてしまうと、
生徒自身が満足感と達成感、
そして、完成したことによる、
周りからの称賛を受けることが出来ず、
自己満足を得られません。

そのため、

様々なことにチャレンジしよう
とする意欲が薄れる


という弊害が発生しやすくなります。

ーーー

生徒は子供で気分屋ですので、
意欲を無くさせる状況を作ってしまうと、
別の機会に、周りの大人がいくら
意欲を出させようとしても、
上手くいかない可能性が高まります。

さらに、現在の子供は心情を隠そうと
することが苦手で、上手に振舞うことは
ほとんど出来ませんので、
上記の意欲の減退が、振舞いに反映され、
周りの大人に伝わってしまいます。

そして、その印象が、
その生徒の短所として見られるという
「悪循環のスパイラルに陥る」

可能性が高くなってしまいます。

レッテル貼りではないですが、
周りから見られてしまった(決めつけられた)
印象は、その生徒の性質になる可能性
が高いので、悪いイメージというのは、
出来るだけ子供から発信させたくないです。

ですので、時間が無い現状で、
生徒の学力アップのために、生徒を理解し
長所を見つけようとするのであれば、
自分だけで何とかしようとするのではなく
(しようとしても出来ませんが)、
「同僚や管理者、保護者の手と目を借りる」
必要があります。

ーーー

講師業だけでは無いのですが、
(特に若い方が陥りやすい状況として、)

『全てのことを自分一人の
 力で何とかしよう』


とする方が多いです。
まず、その心がけは大変素晴らしいことで、
その気持ちを持ち続けて欲しいです。

ですが、自分が思い通りに動かせる人間は
自分一人であり、使える時間は
たったの24時間しかありません。

それなのに、全てを自分一人の力で
何とかしようとし過ぎますと、
身体的にも精神的にも悪くなってしまう
可能性がかなり高いです。

そうなると、正常な思考や行動が
出来にくくなり、最終的には
退職することになってしまいます。

せっかく、講師業(生徒を成長させる、
触れ合う)に興味を持ち意欲もあり、
正職として頑張っている方が退職しては、
誰の得にもなりません。

ーーー

退職してしまうと、
自分自身にマイナスが発生するだけでなく、
その方が担当していた生徒も、
せっかく慣れてきた講師がいなくなることで
喪失感が発生してしまいますし、
次の新しい講師に慣れる時間がかかったり、
もしかすると、
新しい講師と全く上手くいかなくなる
かもしれず、大きなマイナスです。

仕事をしていると、

『もうどうしようも無くなった、詰んだ…』
と思うような状況になるかもしれませんが、
意外に何とかなります。

私も今まで何回かありましたが、
毎回何とかなりました(笑)。
そうならないようにすることが前提ですが、
なりかけた場合にも、
状況を一人でため込むのではなく、
まずは周りの人に相談してみてください。

ーーー

今回は、生徒を成長させるための
「生徒への接し方」について記述しました。

次回も生徒の成長のためには
どのような考え・行動が必要か
ということについて
記述していきたいと思いますので、
次回の記事等でお会い出来れば幸いです。

さようなら。

ーーー

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