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#3-人生100年時代におけるシニア社員のための実践的なキャリアデザイン術
第2回:人生100年時代のキャリア開発~変わる企業の役割(その1)
図1は、ベストセラーとなった「LIFE SHIFT(人生100年時代の人生戦略)」 の中で著者のリンダ・グラットン教授が提唱した人生のステージ変化を図示したものです。
図:人生100年時代のキャリアコースの変化
“従来の「学習-仕事-余生」の3ステージ型の人生から、今後はマルチステージ型の人生へ変化していく” ということがライフシフトのコアメッセージですが、日本企業のサラリーマンは、まさにこの従来型の3ステージ人生を歩んできました。
新卒一括採用により特定の企業の一員となり、その企業で終身雇用的に雇われ続けて60歳の定年を迎え、年金により余生を送るモデルです。
しかしながら、高寿命化、3ステージ型人生の制度的(経済的)な下支えとなっていた厚生年金の65歳支給への後ろ倒し(65歳以降更なる後ろ倒しの可能性もあります)等により、今後は100年生きることを前提とした人生設計が必要になってきています。22歳で学校を卒業(大卒の場合)してから、65歳まで43年間、70歳まで48年間働き続ける必要があるのです。
実際に日本経済新聞社が2019年秋に実施した郵送世論調査では、70歳以上まで働くつもりだと答えた人が60歳代の54%にのぼっています。この数字は2018年秋に実施した前回調査に比べて9ポイントの増加です。「人生100年時代」を迎え、シニアを中心に就労意識が大きく変わっていることがわかります。
ますます短くなる企業の寿命
一方でそれを受け入れる企業側の寿命は年々短くなっています。
日経ビジネスでは、1983年から会社の寿命を継続して調査していますが、その調査によると1983年には30年だった会社の旬の期間が30年後の2013年には18年と大幅に短くなっていることが判明しました(会社の寿命といっても、創業から倒産までの期間ではなく、「繁栄を謳歌できる期間」をここでは会社の寿命と定義しています。)
図2:会社の寿命
グローバル化の進展、IoT(Internet of Things)やAI、5Gなどテクノロジーの変化、エネルギー・環境問題の深刻化など企業を取り巻く環境の変化は激しく、常に成長基調をキープできた高度成長期に比べて会社の寿命が短くなっていることは、読者の皆様も体感として感じているところだと思います。
新卒で入社した企業に勤め続け、その企業で会社人生を終えることはもはや不可能になっているのがこれからの時代です。
個人の勤務必要年数 > 会社の寿命
となっているのです。
2020年1月に発表された2020年春季労使交渉(春闘)の経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会報告書」に賃上げに加え、年功型賃金や終身雇用を柱とする日本型雇用制度の見直しを重点課題に掲げています。
人生100年時代到来という時代の変化に対応し、企業も従業員に対するキャリア支援のあり方を変えていかなければなりません。
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