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前田敦子とは哲学者である。

僕は前田敦子さんが好きで、このnoteでも何度も言っているし、普段ならその何倍も言っている。そんな僕からすると、前田敦子さんは元アイドルや女優という枠に収まらない。

『前田敦子さんは哲学者』
いつも僕はそう言っている。


『哲学者』と聞くと、とてもフワッとしたイメージがある。みんな大好きWikipediaなんかを見ても、曖昧なものだと書いているくらいだ。

哲学者とは、哲学を研究する者である。しかし、前田敦子さんは哲学を研究する者ではない。それでも僕は前田敦子さんのことを哲学者だと言い続ける。そこで、哲学の意味を見てみようと思う。

各人の経験に基づく人生観・世界観。また、物事を統一的に把握する理念。(デジタル大辞泉)
自分自身の経験などから作り上げた人生観・世界観。物事に対する基本的な考え方。理念。(精選版 日本国語大辞典)

哲学の意味は、なんとなくわかった。なんとなくイメージしていた通りだ。この意味を見ると、前田敦子さんは哲学に通づる部分がある。前田敦子さんの魅力をたくさん語っていこうと思う。

AKB48の絶対的エースと言われていた前田敦子さんだが、いわゆるアイドル像とはとてもかけ離れた存在だった。これは僕の個人的感想だが、カメラが回っていようと気の抜いた顔もたまにはするし、なんだか少し恥ずかしそうな表情だってする。ぶりっ子なんかもしないし、無理してニコニコするわけでもない。しかし、それが前田敦子なのだ。

失敗した時こそ『らしさ』が出る

人は完成したものに時間やお金などの対価を支払う。笑えないお笑い番組、黒焦げになった焼肉、走らない車なんて誰にも必要とされない。だから、人は完成したものを届けるために努力する。しかし、失敗しない人間などいない。完成したものを届けられているうちは何も問題ないかもしれない。失敗した時にこそ、その人が見えてくる。素直に謝る人もいれば、失敗を認めずに意地を張る人だっている。

前田敦子さんは失敗が少ない人じゃないと思う。シングルCDの発売を記念したライブにも関わらず発売日を忘れているし、ライブのメンバー紹介で自分のことを紹介することを忘れていたりする。視聴者に向けたクイズ番組で答えを言ったりもする。人によっては「プロ意識が足りない!」となるかもしれない。他にも色々と失敗はあったが、それこそ『前田敦子らしさ』なのだ。「あっちゃんらしい。」ファンはそう言って笑顔になる。失敗さえもコンテンツになる強みが前田敦子さんにはある。


応援される天才・前田敦子

総合プロデューサーの秋元康さんは前田敦子さんをセンターに抜擢した理由を「センターに一番向いていないと思ったから」と言っている。センターに一番向いていないと思った女の子をセンターに抜擢した理由は今流行りのプロセスエコノミーというやつだ。センターに一番向いていないような女の子がお姫様として大成していく、そんな物語をファンとして応援を通して体験したい、そんなファン心理を見越した考えがあった。その考え方は総選挙にも現れている。むしろ、総選挙は露骨に数字が現れる分、最も強く現れているかもしれない。自分の投票が推しの順位を決める、最もシンプルなこの方法がファンの応援したい気持ちをさらに刺激した。

『応援したい気持ち』は生まれた時から人間が持っている本能だと思う。僕らはいつも誰かに応援されて(助けられて)生きてきた。両親をはじめ、祖父母や周りの大人に応援されて生きてきた。誰からも応援されずに生きてきた人なんてこの世に存在していないはずだ。赤ちゃんは一人では生きられないからだ。そんな僕らの『応援したい気持ち』を刺激する天才なのだ、前田敦子さんは。

人はどんな時に応援したくなるだろう。
それは、「大丈夫かな?」と心配したり、不安になったりする時だ。(決して、疑うわけではありません。)
僕は、駅から自転車で家に帰ろうとする高校生が自転車に乗る時に応援しようと思ったことは一度もない。でも、公園で5歳くらいの子がお父さんと一緒に自転車に乗る練習をしているところを見ると、応援したくなる気持ちになる。心の中で「頑張れ!」と叫ぶ。
誤解を恐れずに言うと、前田敦子さんは、ファンを少し心配させる。前田敦子さんはとても不器用だ。何でも器用にこなせる人じゃない。それを僕らファンはわかっている。だから、応援したくなるし、守りたくなる。一生懸命チャレンジして成功したり失敗したり…そんな姿でファンを魅了してきた。前田敦子さんはスイスイ自転車を漕げる人じゃない。

そして、グランドラインへ

AKB48を卒業してからは主に女優として活躍。常に映画や舞台、ドラマに出演していて、アイドルだったことを忘れてしまうこともあるくらいだ。卒業したらどうなるだろう…なんて不安はまったくなかった。今となれば、不安がなかったどころか、とんでもないくらいに活躍している。幅広さはAKB48に在籍していた時を圧倒的に凌駕している。そして、AKB48に在籍していた時も卒業した今もアンチは前田敦子さんから目を離せない。「もう好きって認めちゃえよ!」って言いたくなります(笑)。

前田敦子さんのAKB48卒業について、秋元康さんは次のように話している。

前田敦子はストイックです。なあなあな関係が嫌いで自分を追い込みます。孤独です。自分への苛立ちが、時に誤解される“不機嫌さ”です。でも、みんなが自分に気を遣ってくれることもつらかったようです。このままAKBの心地いい環境にいたら、もっとわがままになってしまう自分が怖かったのかもしれません。だから、敢えて厳しい世界に飛び込もうと思ったのでしょう。
『引用 秋元康:卒業の前田敦子に「もう好きにさせてあげたい」グーグル+でコメント MANTEN WEB』

選んだ道を正解にする

そんな前田敦子さんの幅広い活躍は、リスクを取ることを厭わないことにある。昨年まで所属していた太田プロダクションを退所して独立を決断。決断した理由も僕が見てきた前田敦子さんが全開です。

AKB48卒業の時もそうだ。いつも前田敦子さんは難しい道を選択する。AKB48卒業の時も事務所からの独立も「その時が来たな」という感覚で決心したと言う。
もしかしたら“軽率な行動“なんて思われたりするのかもしれない。しかし、軽率な行動でも早とちりでもない。前田敦子さんは正解の道を選ぶのではなく、選んだ道を正解にする。自分のやりたいことをやって形にしていく。それは母となってからも変わらない。

前田敦子とは哲学者である

哲学者の意味をもっと広く考えようと思う。僕は次の意味もあると解釈している。

勇気を与えてくれる人。前向きな気持ちにさせてくれる人。考え方に一貫性がある。

『アドラー心理学』で有名なアドラーも『無知の知』で有名なソクラテスも『神は死んだ』で有名なニーチェも現代の僕らに勇気を与えてくれている。

哲学者の考え方には一貫性・美学がある。軸となる考え方があり、そこから派生した物の考え方をする。前田敦子さんもその点は同じだ。『常に前に進む。』AKB48卒業も事務所からの独立も様々な仕事を引き受けることも『常に前に進む』ことからだ。内気で不器用な少女がAKB48を通して、多くのファンに見せたお姫様として大成していくストーリーの続きを今でも僕らに見せてくれている。このストーリーはどこまで続くかわからない。いや、どこまでも続いてほしい。AKB48で輝き続けた絶対的エースは卒業ソングのタイトルにもなった『夢の河』を渡った河の向こうでも輝き続けている。

10月13日に前田敦子さんのフォトエッセイ『明け方の空』が発売されます。そんなタイミングで僕もこんなことを書いてみようと思いました。偏愛を語っちゃいました。

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#前田敦子  #夢 #教育 #指導 #西野亮廣エンタメ研究所 #哲学 #プロセスエコノミー

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