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投資は小さく始める。

 10万円を年利4%で運用したところで、年間のリターンはたったの4,000円。

少額の投資は労力に見合っていない。

 だから、お金のない若いうちは自己投資にまわすべきだ。ビジネスで成功した方の言葉で聞いたことがあると思う。確かに一理ある

 アインシュタインが人類最大の発明と称した、利子にも利子が付く複利に関して。

複利の効果を実感できるようになるのは、金融資産1,000万円を超えた辺り。

 これは私の実体験に基づく感想だ。しかし、一般的な社会人では、そこまで蓄財するのがまず容易ではない。

それでも、数万円で良いから小さく始めることをお勧めする。

 投資には失敗が付き物で、額が小さいうちに失敗しておくと、気付きが得られて経験値となる。

運用手法を試行錯誤する過程が一生物の財産となる。

”預金で数百万円程度のお金しか扱ったことのない社会人が、定年退職でいきなり数千万円の退職金を得て、老後資金として不労所得を得ようとハイリスク資産に投資して大損するのは典型例だ。”

お金は道具。|Feu|note

 以前、経済的独立を目指すための手法として、4%ルールを紹介したが、年間生活費用の25倍もの資産を準備するのは簡単ではない。

 仮に年間100万円の預金が精一杯の人であれば、3,000万円を貯めるのに30年もの期間を要する。

 それだけの大金を用意して、リスクを取って運用したところで、得られる不労所得は月10万円程。苦労に見合った対価とは言い難い。

 でも、預金だと30年掛かる資産形成を投資によって数年短縮させることができる可能性を秘めている。

 だから、興味を持った方は、できるだけ早期に、なんなら今日から、小さくで良いから投資を始めてみて頂きたい。先送りは財産形成の一番の障害となる。

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 フランスの経済学者であるトマ・ピケティさんが書かれた「21世紀の資本論」の内容には、賃金上昇率よりも、資本上昇率の方が高いことを示すr>gの不等式がある。内容としては、

長期間働いて賃金を昇給させるより、金融資産を保有している方が上昇率が高い。

 衝撃的な内容だが、貧富の格差が収まるどころか拡大している現実を如実に表している不等式とも言える。

 日本人の多くが労働の対価として、賃金を受け取って生活している。一応年功序列賃金だから、在籍期間に応じて基本給は上がる。

しかし、税金や社会保険料の負担額が昇給額以上に増加していて、給与天引きの金額で相殺されるどころかマイナスだから手取りは減っている

 それなのに物価水準は、ステルス値上げと呼ばれるシュリンクフレーションによって上昇している。賃金が上がらずに物価だけ上がるのだから、スタグフレーション以外の何者でもない。

 コツコツと働いて預金しているだけでは、徐々に貧しくなるだけだから、労働者は労働の対価として得られる賃金の一部を金融資産に投資して運用することが大事だ。

 でも、日本人の多くは株式投資に良い印象を持っていない。大損した話がいくらでも出てくるからだ。

買いは家まで売りは命まで。(信用取引の格言)

 よく考えて欲しい、株式会社のオーナーである株主は、有限責任だから出資した金額以上の損失を被ることは構造上あり得ない。

 それなのに大損して巨額の借金を背負う人が少なからずいるのは、信用取引などのレバレッジを利かせた超ハイリスクな取引をしているからだ。

大損する人の取引手法が危ないのであって、株式投資が危ないわけではない。

 むしろ、株式市場は100年を超える長い歴史の中で、様々な不正が横行する度に投資家保護の規制が設けられて現在に至るから、歴史の浅い金融商品よりも格段に安全だ。

 しかも、S&P500指数に連動する低コストな優良ファンドであれば、ハイリスク・ハイリターンとされている株式投資にも関わらず、統計上15年保有することで、100%の確率でプラスになった

 あくまで過去の結果なので、未来も必ず同じ結果が得られるとは断言できないが、世界経済が成長し続け、適切に資産を運用している限り、株式の長期保有で損をする確率はとても低い傾向にあることは知っておいて損はない。

72の法則。

 それもそのはずで、資産を倍増させるのに必要な年数を求める72の法則というものがある。

72÷運用利回り
 から求めた数字が、資産を倍増させる年数となるのだ。

 米国株式は短期では激しい値動きをするが、100年単位の長期で見ると、平均利回りは6%台と言われている。72の法則に当てはめると、12年で元本の倍になる計算だ。

 15年もの長期で運用していれば、必ずと言って良いほど暴落が発生して、資産は半減して元本割れを起こすことだってあるかも知れない。

それでも、長期で見れば2倍が1倍に戻る程度のイメージ。暴落を加味した平均利回りでも12年で倍増するところを、3年も余計に運用するのだから、マイナスになる方が難しい。

 実際には複利の力が働いて、2倍どころか3倍になるのが平均的だそうだ。複利は利子にも利子が付くことで、元本が雪だるま式に増える性質を持つことから、アインシュタインが人類最大の発明と評したほどだ。

複利は味方に付けるとこれほど心強いものは他にないが、借金などで敵に回すとこれほど恐ろしいものはない。

 複利を味方に付けるためにも、若いうちから小さく投資を始めよう。


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