見出し画像

一人目のお客さんほど嬉しいものはない。


サラリーマンだと「商い」の意識が希薄。

 過日、noteから記事購入のお知らせメールが届いた。自分自身で有料記事を設定しておいて、驚くのもおかしな話だが、私の情報を「適正価格」だと思って購入してくださる方が、画面の向こう側に居たのだと思うと、本当に有難い話で、喜びもひとしおだ。

 1年ほど前にも、Amazonアソシエイトプログラムで、初めて紹介料がギフト券に変わった時に歓喜の記事を記したが、独力で試行錯誤しながら挑戦したことが、実利に結びついた嬉しさは、何歳になっても変わらないだろう。

 いわゆる「一人目のお客さん」である。昨今の接客業なら、お客さ”ん”ではなく、お客さ”ま”だろうに。と袋叩きに合う気もするが、元来、商取引における生産者と消費者の立場は対等な筈だから、「さん付け」があるべき姿だと考える。

 自分が客の立場で、店員さまとか、店長さまなんて言わないのに、客である自分には「お客さま」と呼んでくれないと苦情を言うのは、自分を神とでも思っているのだろうか。接客業あるあるだが、その手の神様は神は神でも疫病神である。

 さて、語尾論争はこれくらいにしておき、私も例に漏れず、学校を卒業した直後に賃金労働者、いわゆるサラリーマンとして何年もプロレタリアートアートしてきた訳だ。

 往々にして、既にビジネスモデルが確立されてしまっている大企業ほど、会社の看板によって新規顧客や、リピーターが簡単に獲得できる錯覚に陥る側面がある。

 大企業出身者が脱サラして、大企業文化を引き摺ったまま起業すると、ご立派なオフィスを構えては人を雇い、業務委託でもない限り大した顧客や案件など、獲得できないにも関わらず莫大な固定費の支払いに窮して、自らハードルを上げる形で失敗するのが典型である。

 それくらい、サラリーマンとして勤めていると「商い」の意識が希薄なのは間違いない。

限りなくゼロに近い原価を意識する。

 その点、私は自己肯定感の低さが幸いして、営業センスなど皆無で、顧客が居ない状態が何年続くか分からない中、自分のビジネスを継続させるために、売り上げがゼロでも潰れない前提で副業を始めようと試みた。

 そうしてたどり着いた結論が、このnoteというプラットフォームに、Amazonアソシエイトプログラムを掛け合わせる手法だった。

 学力は人並み。運動神経は並以下。身長に関しては人権がないレベルと、一般社会で生きていく上ではモブキャラの域を出ない私だが、学生時代に都道府県レベルの美術展覧会で入賞した意味では、芸術分野で一定程度評価される独創性を持ち合わせている点が、他者との差別化要因で、自覚はないが文才があると言われたこともある。

 世間一般の価値尺度だと、何かを創作するのはものすごく敷居の高い行為らしいが、私からすれば、頭の中で考えたことを文章や写真、映像や造形など、適した媒体でありのまま表現すれば、それを面白いと評価してくれる人がゼロではないと自負している。その意味で、コンテンツが創れなくて困ったことはない。

 そうなると、必要なのは自分とアウトプットする道具、後は時間程度なもので、執筆に限れば原価はラップトップとその電気代程度で、設備投資は必要ない。アウトプットに使う時間を時給換算したら、セルフブラック企業同然だが別にそれは苦痛でやっている性質のものではない。

 好きでもないが、体の良い暇つぶし感覚で継続して取り組める意味では、道楽でやっている感が強く、真剣な遊び感覚(=時給が発生しない)と考えれば、固定費は限りなくゼロに近い。

 noteというプラットフォームの仕様上、記事を購入されたら2割程度の利用料が召し上げられる上、現金化できるのは1,000円以上。Amazonアソシエイトに関しても、報酬は商品の数%で、ギフト券に交換できるのは500円以上。

 現金化ラインに到達するまでが大変だが、そのハードルさえ乗り越えれば、原価がゼロ同然なのだから売上=粗利となり、売り上げた500円、1,000円がそのまま懐に入る。固定費が大きいビジネスだと、大きく稼げる可能性はあるかも知れないが、こうはいかない。

 自営業としての経験値がなく、何が上手くいくのか分からない以上、固定費が掛からない形で小さく挑戦してみて、大きく稼げる仕組みは、それらが軌道に乗り出してから考えれば良い。

誰から対価を頂くか。

 冒頭の一人目のお客さんは、noteの有料記事の購入者であり、アフィリエイトリンクを介したAmazonの購入者は、今より一年ほど前になる。

 前者の場合、私や記事に直接価値を見出して頂くのは、著名人でもない限りハードルが高いうえ、仮に軌道に乗っても情報商材屋の情弱ビジネスやら信者ビジネスと、快く思わない一部から妬まれるのが目に見えている。

 これだけ可処分所得も実質賃金も下がり続けて、財布の紐が堅い時代に、何処の馬の骨かも分からない私が、個人の財布からお金をせしめる難易度が高いことくらい、逆の立場で考えれば想像に難くない。

 だからこそ、基本的に記事そのものは無料で提供し、あまり広まって欲しくない情報に関しては例外的に、情報にアクセスする敷居を上げるため、一部有料の形を取り、極力間口は広げる。

 そして、記事を熱心に読んで頂ける方が、興味を持ちそうな商品のリンクを貼っておき、リンクを介してAmazonに飛んだ際に、紹介した商品に限らず、生活必需品やら何かしらAmazonで買い物して頂ければ、私は紹介者として購入金額の数%が報酬としてAmazonから支払われる。

 ICT技術の発達により、情報が民主化したことで、情報に留まらず、価格競争が激化した成れの果てで、あらゆるものが無料化されていく時代なのは、Google Workspaceを見ても明らかだろう。

 そんな時代に個人相手に情報を売るスタイルは、先細る未来が見え隠れしているのだから、企業から広告宣伝費の一部を貰うアフィリエイトの方が、少なくとも個人が損をしない意味で、これからの時代、独力で稼ぐには誰から対価を頂くかという観点が重要に思える。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?