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投資系アカウントを運用するリスク


有名税と承認欲求

 先日、どこかのSNSで「社会人5年目で資産500万円達成した方法」と題して投稿したところ、よく分からないおじさんに叩かれまくって、株クラこわE的な展開がまとめられている投稿が目に付いた。

 よく分からないおじさんの言い掛かりを要約すると、下記の本のタイトルと大差ないが、当事者からすれば大きなお世話だろう。

 とはいえSNSなど、うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい、便所の落書き程度に認識している私からすれば、SNS運用でインプレッションを稼ぐこと自体が、どうでも良いことではある。

 だからこそ、承認欲求を拗らせて、有名税の洗礼を受けている投稿者も投稿者だし、ちょっと何言ってるかわかんないクソリプを飛ばすおじさんもおじさんで、どっちもどっちだろう。

 そもそも、本当に投資で儲けているのであれば、儲かる情報を無料で拡散すると、自分自身が得られる筈の利ざやが少なくなるのだから、まだ多くの人が気付いていない儲かる情報ほど、誰にも教えずに独占するのが合理的である。

 そうしたある種の、知る人ぞ知る暗黙の了解として、知っている奴だけが淡々と旨みを享受している状態を、やれ売れないコンサルや、承認欲求を拗らせたSNS垢で不特定多数に発信してしまい、周知の事実となって抜け穴が塞がれてしまう。

 その度に内心、余計なこと言わんでもええんじゃ、アホ!と思っている辺りが、インプレッションよりも実利を取る勘定高さが表れているのかも知れない。

SNSで信憑性を逐一精査していたらキリがない

 「金持ち喧嘩せず」のことわざにあるように、真のお金持ちは利にさとく、喧嘩はやるだけ損なので、意味もなく争ったりはしない。

 常にリスクとリターンを天秤に掛け、最低でも両者が釣り合っているか、あわよくばリスクプレミアム以上のリターンが期待できる状況下で、何度も試行を繰り返したことで、富を得ている。

 この前提に立てば、40歳で3,000万円くらい簡単に作れるような人が、資産500万円達成した20代の、お金の使い方に難癖をつける時点で、本当に3,000万円持っているのか懐疑的である。

 そもそも500万円達成した20代も、オッサンがインプ稼ぎのためにアイコンを若年女性に設定し、投資初心者を名乗っているネカマ設定かも知れない。

 そうした、たかだか100字前後のテキストデータに対して、その書き込みに嘘や悪意が含まれていないか?根拠となるデータにソースはあるか?といった信憑性をいちいち精査していたらキリがない。故にSNSなど便所の落書き程度に認識しており、どうでも良いこととなる。

 無論、私もこのnoteというプラットフォームで、その時々で思ったことや考えをアウトプットしているが、実名も顔出しも行っていなければ、金融資産所得で生計を立てる20代である証拠も何ら提示していないため、そういう設定の可能性もある。

 特に個別銘柄に関する明言は避け、抽象的な表現に留めているのも、無償で提供している記録をもとに、後出しでやれ買い煽りだ、投資詐欺だと難癖を付けられたらたまったものではないため、リスクヘッジとして抽象的な表現に留め、解釈の余地を残している。

 故に内容としては地味なものに映るだろう。攻めた内容の方が、インプレッションそのものは稼げるのかも知れないが、別に承認欲求を拗らせている訳でもなければ、情報商材屋さんに転身しなければならないほど、金銭的に切羽詰まっている訳でもない。

 それでも自身の思考整理のためのアウトプットの体は成しているのだから、不用意にリスクを取ってまで、買うべき銘柄はたったの5つ!今後アツいセクターは〇〇です!みたいな、キャッチーな言葉で表現する必要性を感じない。

 とはいえ、Amazonで何か買い物するときに、私の記事のリンクを踏んでから買ってもらえると、購入金額の数%が私の懐にAmazonギフト券としてチャリンチャリン入るので、読者の懐が痛まない寄付だと思って、ひと手間掛けて頂けると、とても嬉しい。

二兎を追う者は一兎をも得ず

 投資家として重要なのは、相場から決して退場することなく、運用し続けて複利効果を得ることだ。そして、長続きする運用というのは、往々にして地味だったり、つまらなく感じるものである。

 しかし、SNS運用は多くの場合、地味なものは埋没してしまうから、大して面白みもなく長続きしない。逆に炎上するかしないか際どいラインを攻めた、過激な内容の方が多くのインプレッションを獲得でき、世間からの注目を浴びることができる。

 投資系アカウントを運用するリスクというのは、一見すると地味だが、堅実で長続きするような運用手法ではインプレッションが稼げないため、フォロワーの数が増えるにつれて、心理的にやりづらくなる点だろう。

 結果として承認欲求を満たすために、博打を打っては自滅し、大きな損失とともに消えていくアカウントを何度も見てきた。

 資産運用が上手くいっている時は、SNS運用も順調に推移するかも知れないが、それは自身の実力ではなく、地合いが良いだけかも知れない。

 〇〇ショックで歯車が逆回転して、資産が目減りし始めると、金目当ての奴は一目散に逃げ出し、他人の不幸は蜜の味的な性悪垢しか残らなくなった上で、ゴリゴリに削れる資産を目の前にして、耐えられるだけの覚悟があるだろうか。

 その覚悟もなしに、というよりも、ここ数年の上昇相場しか知らず天狗になっていると、次の暴落に巻き込まれた際に、金融資産とフォロワーの両方を失いかねない。文字通りの二兎を追う者は一兎をも得ずである。

 投資が上手くなりたいのか、単に承認欲求が満たしたいだけなのか。自分自身の優先順位を明確にせず、投資系アカウントを運用しているなら、隠れたリスクを見落としているかも知れない。


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