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フリーランス、副業、正社員。それぞれのメリットとは - エンジニア視点で考える

こんにちは。re:shineギグパートナーの青木(@hirofumi_aoki)です。

昨今、働き方の多様化が進んでいる中で、フリーランスや副業、パラレルワーク(複業)などのキーワードにも大きな注目が集まっています。

今まで正社員として働いてきた方々も、このようなワードに興味・関心を持ち始めた方が多くいらっしゃることと思います。

この記事では、さまざまなワークスタイルを、エンジニア視点で整理し、それぞれのメリットとデメリットを例示し、メリットを中心に考察していきたいと思います。

フリーランスや副業、パラレルワーク(複業)などに興味を持ち始めた方々にとっては、自分に合ったワークスタイルを考える材料になるのではないかと思います。

また、既にフリーランスや副業、パラレルワーク(複業)を選択されている方にとっても、改めて、自身のワークスタイルを整理して、ブラッシュアップする材料になるかもしれません。

ワークスタイルの分類

現状、フリーランスや副業、パラレルワーク(複業)など、色々なキーワードが錯綜しておりますが、ワークスタイルを整理すると、このようになると考えています。

ワークスタイルの分類

パラレルワーク(複業)に関しては、明確な定義が存在しませんが、この記事では、

業種や職種が異なる"本業"を複数掛け持つ働き方

と定義します。

例えば、それぞれの本業で職種を分ける場合、

本業1:エンジニア
本業2:マーケター

といった分け方があり得ます。

また、業種で分ける場合は、

本業1:小売業(EC)
本業2:エンターテイメント(VR)

といった分け方が、例として考えられます。

個人的な解釈ですが、エンジニアの場合、

本業1では「WEBアプリケーションの開発技術を活用」

本業2では「VRの開発技術を活用」

といった具合に、大きく異なる技術領域を掛け持って仕事をする場合、十分にパラレルワーク(複業)と呼べるのではないかと考えています。

パラレルワーク

この記事では、エンジニア職に絞って考察を進めるために、業種を分ける方のパラレルワーク(複業)のみを対象にしたいと思います。

正社員のメリット・デメリット

昨今、ジョブ型という雇用形態が注目されはじめ、導入を検討する企業も増えてきたことから、正社員でもメンバーシップ型とジョブ型の2つに分類があると思います。

メンバーシップ型とは、採用時に職務・職種が明確に定義されておらず、ジョブローテーションなどの人事異動によって、職務・職種の変更が行われることが想定された雇用形態です。「人に仕事をつける」制度とも言われます。

一方で、ジョブ型とは、採用時に職務・職種が明確に定められており、基本的に、雇用期間中に職務・職種が変わらない雇用形態です。「仕事に人をつける」制度とも言われます。

ジョブ型

メンバーシップ型雇用とアメリカ式のジョブ型雇用を比較した記事などでは、職務・職種の定義だけでなく、賃金形態採用キャリア解雇などの違いも比較されていることが多いですが、法律や文化などの理由で、日本独自のジョブ型雇用が浸透していくと思われます。

そのため、この記事では、他の観点での比較説明は割愛させていただきます。

また、エンジニアに関しては、一部の企業を除いては、職務・職種が固定されていることも多く、現行の雇用形態が、そのままジョブ型雇用に分類されるケースが多いのではないかと思います。

そのため、この記事では、ジョブ型雇用を対象として、メリットとデメリットを整理します。

正社員の代表的なメリットとデメリットには、下記があると考えています。

正社員のメリット

社会的信用や安定の仕組みが用意されている

正社員の場合、クレジットカードやローン、賃貸契約などの審査がかなり通りやすく、「社会的信用が高い」といった点は、大きなメリットです。

逆に、フリーランスでは、収入がいくらあっても、これらの審査が非常に通りづらく、大きな課題となります。

また、休暇やキャリアアップなど、安定的に生活したり、キャリアを積むための仕組みが企業側で用意されているため、時間の確保や将来のことを自分で管理する負担が少なく、安心して生活を送りやすいです。

正社員の安定

そのため、自分で時間を管理したり、キャリア設計をすることが苦手で、心理的な負担を感じやすい人にとっては、正社員が向いているのではないかと思います。

エンジニアとしての高みを目指すルートがある

一方で、エンジニアとしての高みを目指す場合にも、正社員が向いているケースはいくつかあります。

例えば、同じ部署やプロジェクトを継続しやすい企業であれば、同じ事業領域や技術に携わり続けることができるので、特定の業界知識や技術をつきつめて高度な専門性を身につけやすいです。

また、リーダポジションなど、貢献度の高い役割で、事業を成功に導けば、大きな達成感を得られるとともに、エンジニアとしてのキャリアにも箔をつけることができます。

キャリア思考の人であれば、特定部門のトップやCTOなど、マネージメント領域や経営領域に活躍の幅を広げることもできます。

正社員に向いている人

以上をまとめると、このような人が正社員に向いているのではないかと思います。

・用意された仕組みで、安心・安定を得ながら働きたい
・一つの事業や技術領域に特化して、自身の経験値や技術力を高めたい
・誰からでもわかるような成功を収めて、キャリアに箔を付けたい
・誰からでもわかるような成功を収めて、大きな達成感を得たい
・エンジニアリングを軸としつつ、マネージメントや経営の領域にも活躍の幅を広げたい

副業のメリット・デメリット

副業の場合、どんな仕事を選ぶかで、下記の2パターンに分かれると思います。

分類①:単一業種
・本業と近しい技術や知識が求められる"業種"や"事業"で仕事を受ける

分類②:パラレルワーク(複業)
・本業とは毛色が違う技術や知識が求められる"業種"や"事業"で仕事を受ける

なお、この記事では、エンジニアを対象としているため、正社員(本業)も副業も、両方ともエンジニアとして働くケースと対象とします。

副業の代表的なメリットとデメリットには、下記があると考えています。

副業のメリット

収入や収入源を増やせる

本業プラスアルファの収入を得られ、収入源が複数になるので、会社への依存度が減らせる、といったメリットがあります。

複数の収入源

特に、会社への依存度が減ることで、「会社にしがみつかなければならない」といった感覚が軽減されるので、「会社や上司の言うことを聞かなければならない」といったプレッシャーがなくなり、ストレスを減らしやすくなります。

能力の幅を広げられる

また、副業は、能力向上にも役立ちます。

本業と違った環境で働くことで、様々な企業文化や仕事のやり方を知ることができ、視野を広げることができます。その中で、本業よりも良い文化や仕事のやり方があれば、本業にも取り入れ、役立てることができます。

さらに、同じエンジニア職でも、本業とは毛色が違う技術や知識が求められる業種や事業を選べば、本業では得られない技術や知識を得られます。

例えば、

・本業では、ECサイトを開発しているが、副業で金融系のシステム開発を行い、金融システム特有のシステム設計の知識を得られる
・本業では、ECサイトを開発しているが、副業ではVR領域で事業をしている会社で働き、VRの技術を習得できる

などといった例が考えられます。

このように、単に副業するだけでなく、パラレルワーク(複業)という選択肢を取れば、本業では得られない、技術や知識を習得し、能力の幅を広げることができます。

特に、副業で、今後トレンドとなりそうな技術や事業領域のスキルや経験を積めば、将来の需要に備えて、スキルや経験を蓄えておくことができます。

複数のスキル

転職やフリーランス転向の準備になる

また、副業は収入源やスキルを増やす手段としてだけでなく、転職やフリーランス転向の準備として、活用できます。

副業を通じて、転職先として興味のある企業との相性を確認したり、フリーランスで仕事を得るための人脈形成ができるからです。

複数のスキル

特に、人脈が十分にない状態で、正社員からいきなりフリーランスになろうとすると、安定的に仕事を得られるあてがありません。副業を通じて、十分に人脈を形成してから、フリーランスになることで、仕事が途絶えるリスクを軽減できるのです。

副業を行うと良い人

以上をまとめると、このような人が副業を行うと良いのではないかと思います。

・収入源を増やすことで、失業の不安や職場のストレスを減らし、精神的な安定を得たい
・能力を高めることで、本業での仕事力をさらに高めたい
・能力の幅を広げることで、将来、自分が活躍できる領域を増やしたい
・転職やフリーランス転向など、次のステップに進むための準備をしたい

フリーランスのメリット・デメリット

フリーランスも副業と同様に、どんな仕事を選ぶかで、下記の2パターンに分かれると思います。

分類①:単一業種
・1案件のみを受ける。
・複数案件とも近しい技術や知識を求められる"業種"や"事業"で仕事を受ける

分類②:パラレルワーク(複業)
・複数案件で毛色が違う技術や知識を求められる業種や事業で仕事を受ける

単一業種の方が同じ技術や知識で仕事ができるため、技術や知識習得の負担が少なく、効率的に収入を得やすいです。

一方で、パラレルワーク(複業)の方が、負担は大きいものの、技術や知識の幅は広がり、仕事の選択肢を増やしやすいです。

パラレルワーク

自分が既に持っている技術や知識を軸に絞っても、将来、十分に仕事を得続けることができるのかどうかで、どちらのパターンにするのか判断するのも一つの方法です。

フリーランスの代表的なメリットとデメリットには、下記があると考えています。

フリーランスのメリット

自分に合った仕事や環境を選びやすい

フリーランスは、正社員に比べて、仕事の切替のハードルが低いため、自分に合った仕事や環境を選びやすいです。

長期雇用や専業を前提にしていないフリーランスでは、「契約期間の終了」や「他の案件の都合」を理由に、契約終了の申し出をしやすいからです。

もちろん、依頼主である企業側に迷惑がかからないように、契約を終了するタイミングや引き継ぎの調整はある程度必要になりますが。

収入アップや収入源の分散化がしやすい

また、日本企業では、スキルアップや成果に対する給与アップの傾斜が緩やかであるため、案件受注時に価格交渉を行えるフリーランスの方が収入アップを狙いやすいです。

もちろん能力や価格交渉力がある前提にはなりますが、能力に自信がある方で、高い収入を求めている方には向いていると思います。

なお、収入に関しては、一般的に、正社員の方が安定していると言われます。

しかし、その安定は勤めている企業が安定していることが前提であり、自身のコントロール下にはありません。経営者など、企業の業績に大きな影響を持っている一部の人以外は例外ですが。

一方で、フリーランスであれば、収入源を分散化しやすいため、失業リスクを自身でコントロールできます。正社員でも、副業で収入源を複数持てますが、比率的には本業が大きくなってしまうので、フリーランスの方が分散化の度合いは勝ります。

収入源の分散

仕事を獲得する能力と失業リスクのコントロール力がある人にとっては、フリーランスの方が、中長期的に収入を安定させやすいケースもあります。

自分に合った就職先を手堅く選べる

また、正社員思考の人でも、フリーランスという選択肢を一時的に有効活用する方法もあります。

就職先として、興味のある企業から業務委託として仕事を受け、双方の相性が良ければ、正式に入社するという流れです。外から見たお互いの印象と、実際に中で働いた時のお互いの相性のギャップによるミスマッチの対策として、非常に有効だと思います。

このように、入社したい企業との相性を確認する期間を設けられるのもフリーランスのメリットです。

フリーランスが適している人

以上をまとめると、このような人がフリーランスに合っているではないかと思います。

・自分に合った仕事や環境を選びつつ、色々な仕事や環境でチャレンジをしたい
・自分の能力に自信があり、その能力を活かして高い収入を得たい
・企業に依存せず、自身の力で収入の安定をコントロールしたい
・転職を考えているが、自分に合った企業を手堅く選びたい

re:shineの取り組み

この記事でご紹介した通り、正社員や副業、フリーランスは、それぞれにメリットとデメリットがあり、正解はありません。

人によって向き不向きがあるため、自分に合ったワークスタイルを見つけ、選択することが重要だと考えています。

ワークスタイルの選択

re:shineは、フリーランス・副業の方を企業の求人とマッチングするサービスなのですが、正社員というワークスタイルも重要な選択肢だと考えています。

エンジニアを始めとした、IT関連のお仕事をする方を中心に、正社員と副業、フリーランスを適切かつ柔軟に選べる環境をつくりたいという思いで、サービスのブラッシュアップを日々考えております。

その環境づくりの取り組みとして、現時点では、下記の仕組みを進めております。

・フリーランス型正社員
・フリーランス独立支援(準備中)

フリーランス型正社員

re:shineでは、正社員の雇用形態を取りながら、フリーランスのように案件の受注額に応じた収入を得られる制度を設けています。

正社員の雇用形態をとっているため、クレジットカードやローン、賃貸契約などの審査は、正社員として受けられ、フリーランスの課題である社会的信用が得られます。

実際にこの制度を活用されている方も既にいらっしゃり、社会的信用面を始めとし、大変好評をいただいております。

フリーランス独立支援(準備中)

こちらは鋭意準備中であり、近日、また改めて詳細を公開したいと思います。

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